小5「三角形と四角形の面積」の単元構想&授業アイデア【算数科の「深い学び」授業アイデア 第3回】

文部科学省学習指導要領解説を踏まえた、小5算数科「三角形と四角形の面積」の単元構想と授業アイデアです。今回は、既習の図形を基にして面積の求め方を考える実践を紹介します。本実践では、子供たちが図形を変形したり関連付けたりしながら、平行四辺形や三角形、台形、ひし形の面積の公式を自ら導き、数学的な見方・考え方を働かせて理解を深めていくことを目指します。
執筆/山梨大学教育学部附属小学校教諭・小野田瑞紀
目次
該当学年と単元名
5年生 三角形と四角形の面積
関連のある既習事項
4年生 面積のくらべ方と表し方 (関連度◎)
単元の評価規準
(知識・技能)平行四辺形、三角形、台形、ひし形などの面積の計算による求め方について理解し、公式を用いて面積を求めることができる。
(思考・判断・表現)図形を構成する要素などに着目して、基本図形の面積の求め方を見いだしているとともに、その表現を振り返り、簡潔かつ的確な表現に高め、公式として導いている。
(主体的に学習に取り組む態度)平行四辺形、三角形、台形、ひし形の面積の求め方について、数学的に表現・処理したことを振り返り、学習したことを生活や学習に活用しようとしている。
単元を見通した「深い学び」を実現するためのポイント
本単元では、以下の3つの着目すべき視点を、単元を通して意識することによって学習をつなげ、単元を見通した「深い学び」の実現を目指しました。
・未習の図形の面積を求める際、既習の図形の形に変形できるかどうか
・公式をつくるときには、図形の数値をどのように活用するか
・学習した求積学習から既習の図形の求積を見返す
◆「図形を構成する要素に着目して、面積、体積の計算による求め方を考察すること」
学習指導要領(平成29年告示)解説算数編の第2章第2節の2「各領域の内容の概観」の「B 図形」には、「図形を構成する要素に着目して、面積、体積の計算による求め方を考察すること」について、以下のように述べられています。
第5学年では,三角形,平行四辺形,ひし形及び台形の面積の求め方を考えることを指導する。例えば,平行四辺形では,具体的な操作等を通して長方形に変形することで面積が求められる。そして,長方形に変形できることについては,操作的・感覚的な確かめに加えて,平行四辺形の性質(平行四辺形の向かい合う辺の長さは等しい等)を用いた説明も少しずつできるようにする。
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』第2章第2節2「各領域の内容の概観」B図形,p.55
◆「基本図形の面積を見いだすこと」
また、学習指導要領(平成29年告示)解説算数編の第3章第5節の2「第5学年の内容」の「B図形」には、「基本図形の面積を見いだすこと」について、以下のように書かれています。
第5学年においては,基本図形の面積の求め方を,図形を構成する要素などに着目して,既習の求積可能な図形の面積の求め方を基に考えたり,説明したりすることが大切である。
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』第3章第5節2「第5学年の内容」B図形,p.257
特に,図形について,本学年において思考力,判断力,表現力等を発揮させる基となる数学的な見方・考え方を働かせることで,例えば次のような考えが導かれる。
① 図形の一部を移動して,計算による求積が可能な図形に等積変形する考え
② 既習の計算による求積が可能な図形の半分の面積であるとみる考え
③ 既習の計算による求積が可能な図形に分割する考え
基本図形の面積の求め方を考える中で、上記のような数学的な見方・考え方を働かせることによって、子供が自ら工夫して面積を求めることができるようにすることが大切です。さらには、図形について数学的な見方・考え方を働かせることで、三角形などを組み合わせた形や一般の四角形などの面積の求め方を考え、測定できるようにするといった発展的に考察する態度を養うことも大切であると考えます。
◆「面積の求め方の表現を振り返り、簡潔かつ的確な表現を高め、公式として導くこと」
また、「面積の求め方の表現を振り返り、簡潔かつ的確な表現を高め、公式として導くこと」については以下のように書かれています。
ある基本図形の面積の求め方を見いだしたら,もとの図形のどこの長さに着目すると面積を求めることができるのか,振り返って考えさせることが大切である。さらに,いつでも同じ要素などに着目することで,面積を求めることができるかどうかを確かめることによって,公式として導いていくようにする。
文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』第3章第5節2「第5学年の内容」B図形,p.259
以上のことから、三角形と四角形の面積の学習では、「図形を構成する要素などに着目して、既習の求積可能な図形」をもとに考察することが重要になります。その際、「図形のどこの長さに着目すると面積を求めることができるのか」ということに着目しながら公式をつくる過程を大切にしていきます。また、求積公式を振り返り、既習の図形を見返すことで統合的に理解を深めていくことを構想しました。
よって、本単元で着目すべき視点を子供の言葉でいえば
・習った形に変形できるかどうか?
・図形のどの数値をつかって公式をつくるか?
・新しい公式と学習した公式の共通点はあるか?
となると考えました。
単元の最初では、子供にとっての求積できる既習の図形は、長方形と正方形です。学習を進めていく中で、既習の求積方法をもとに考えたり、本単元で学習した事柄を用いたりして、学習を関連付けていくことを意識しました。
単元計画

