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【中1・体育「持久走」】今日の自分のベストはどこにある?──走りながら学ぶ「自己調整」の授業[後編]〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

前回に続き、埼玉県久喜市立鷲宮東中学校1年生の保健体育の授業(夢川大貴教諭)を紹介します。自身のコンディションや天候などの条件をもとに、持久走の目標タイムを自己調整した生徒たち。いよいよ、持久走本番に挑みます。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の43回目です。記事一覧はこちら

埼玉県久喜市立鷲宮東中学校

「私が あなたが みんなでつくる鷲宮東中学校」をめざす学校像とし、学校教育目標である「自律・尊重・貢献」の具現化や、すべての生徒が学ぶ意義を感じる支援の研究を行う。2026年度からは教育課程特例校として「未来創造科」を設け、生徒の「非認知能力」や「探究的に学ぶ力」を育んでいる。

「目標タイム」を自分で設定

ウォーミングアップと最終調整を終えた生徒たちは、いよいよ男子1500m、女子1000mの持久走に挑みます。男子、女子ともにそれぞれ2人ペアをつくり、1人が走っている間にもう1人がタブレットでタイムを計測、その数値をワークシートに記録していきます。

●指導のポイント
学校のWi-Fiが届きにくい環境でも、計測アプリ単体であれば問題なく使えます。今回は教諭もストップウォッチを見ながら経過タイムをコールしましたが、いずれは生徒同士がタブレットを見ながらタイムを声に出し合えるようにしたいとのことです。

その日の自分のコンディションなどを考慮して目標タイムを設定。いよいよ実走に向かいます。

強い日差しが照りつける厳しいコンディションの中、まずは男子が、その後タイミングをずらして女子がスタートしていきます。

「2分40秒、41、42、43、44……」経過タイムを告げる夢川教諭の声を頼りに快調にペースを刻み続ける生徒もいれば、かなり上がった気温のせいか、なかなかペースが上がらない生徒も。目標タイムと先生の声を頭の中で照らし合わせ、「あ、今ちょっと速いな」「もう少し上げないと届かないな」と、ペースを調整していきます。

ペアの相手が走っている間、パートナーはタブレットでラップタイムを計測し、記録していきます。

振り返りはその日のうちに、紙で提出

男子・女子ともに全員がゴールすると、続いてはペアを交代してスタート。走り終えたばかりでまだ肩で息をする生徒が、今度はパートナーのタイム計測と応援にまわります。応援の声で仲間を励ますのも、この授業の大事なテーマです。

タイムを記録しながら、応援の声でパートナーを励まします。

2組目も全ての生徒がゴールすると、最後は振り返りの時間。そのポイントを夢川教諭が説明します。

今日のペース、目標より落ちた人が多いかもしれません。このペースが正解だったのか、もう少しできたのか、あるいは無理しすぎたのか、天候以外のことも考えて振り返りでちゃん書けるとよいのかなと思います。

この結果をもとに、次の走りでは、体調、天候、普段の運動量、成長度合いなどを考えて目標ペースを考えていくと、走る意味が深まります。

ちなみに、体育の授業の振り返りは紙で提出します。昨年度はGoogleスプレッドシートで振り返りを行っていたそうですが、今年度は紙に切り替えたとのこと。授業の中で振り返りを書く時間が取りにくい体育では、その日のうちに提出して翌日には返すという紙のやりとりが効果的だと夢川教諭は語ります。

生徒の振り返りコメント
●今日の持久走では、呼吸のしかた、プラス思考に考えること、前の人についていくことを意識しました。3周目でペースが落ちたので、次回は3周目でもペースを落とさないように走りたいです。
●600mまでは目標のタイムより早く、そのペースを下げなければ4分40秒くらい出せたので、次回以降はペースを下げないことを意識して走りたいです。後半、猫背になっているときにタイムも落ちていたので、次は姿勢も意識して頑張りたいです!
●1周のペース、気温、体力のことを考えて自分の今の力に合った目標を立て、その目標に近い7分48秒で走ることができました。前かがみで、腕を振ることを意識しながら走ることで、いいペースで走れることが分かりました。
●前回の持久走では、目線が下に向きがちで、姿勢が悪かったと思うので、なるべく前の方へ目をやって、背筋も曲がらないようにすることを意識しました。

体育の授業におけるICT活用は、まだまだ模索中と語る夢川教諭。これまでの実践としては、器械運動や球技で、タブレットの動画撮影機能を活用しているとのこと。例えばマット運動なら、回転する瞬間で動画を止めて、できている子の画面と並べて比べることができます。

「ほかに、バスケットボールやバレーボールなら、2階席から俯瞰で動画を撮ることで、横からでは見えにくい選手の動きが見えてきて、『あ、この子だけ動きが止まっているな』『この子はチームのためにこういう動きをしているんだな』と気づく材料になります」と語る夢川教諭。Wi-Fiの届きにくい屋外授業などでは制約も出ますが、「今ある道具、環境の中で何ができるかを考えています」と語ります。

授業実践者からのメッセージ

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