ページの本文です

【小3・国語「モチモチの木」】自走につながる「守」の授業〈デジタル×深い学び〉[中編]

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

台東区立上野小学校では、子供が主体的に学ぶための授業づくりに「守・破・離」の考え方を取り入れています。「守」で学び方の基礎を身に付け、「破」で友だちとの学びを通して考えを広げ、「離」では自分に合った方法を選びながら、自ら学びを進めていきます。

前編では、「守・破・離」の考え方を生かして設計した小3国語「モチモチの木」(倉澤貴文主幹教諭)の学習プランを紹介しました。今回は、その中から「守」の終盤に位置づけられた第4時の授業を紹介します。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の45回目です。記事一覧はこちら

東京都台東区立上野小学校

「Team 上野小」を合言葉に、全教職員が力を合わせて学校教育を進めています。子供たちの幸せと、よりよい社会づくりをめざし、自立に向けた本物志向・未来志向の学びを大切にしています。一人一人の可能性を伸ばし、挑戦する力と豊かな心を育てる学校です。

[授業のはじめ]
音読とオリジナルのワークで作品を読み込む

授業開始のチャイムが鳴った時点で、黒板には、この時間の学習の流れが示され、子供たちが見通しをもって学習に取り組めるようにしてありました。
子供たちはそれぞれ学習の流れを確認すると、自分の好きな場面を選び、音読をスタート。その間に、倉澤先生は黒板に具体的な課題を追加していきます。

黒板は、1時間の学習の流れを示すスケジュール表のような役割でもありました。学習の進行に合わせて必要な情報が書き加えられ、子供たちは「今、何をするのか」「次に何をするのか」を確認しながら学習を進めていました。
単元が始まる1週間ほど前から、「第0時(事前の家庭学習)」として『モチモチの木』に触れてきた子供たち。音読や初めの感想、疑問、言葉調べなどを通して、作品への理解を少しずつ深めていました。

音読の後は、「モチモン(『モチモチの木』の問題の略)」に取り組みます。登場人物や中心人物、物語の中で起きた出来事、豆太の変化などを整理し、作品を読み進める上で必要となる基本情報を押さえていきます。

子供たちの解答は、倉澤先生の端末にリアルタイムで表示されます。先生はその場で丸を付けながら一人一人の解答状況を見取り、支援が必要な子供には声を掛けに行きます。端末上で丸が付くため、子供たちは倉澤先生に直接確認しに行かなくても、自分の解答が合っていることがわかり、安心して次の課題へ進むことができます。

こうした学習の流れがルーティンとして定着し、教師の細かな指示を待たずに、子供たちが自ら次の学習へ進んでいく姿が印象的でした。

[授業のなか]
一斉指導で、自分で学ぶための土台づくり

「モチモン」で物語の基本情報を確かめたあとは、その内容をもとに、作品全体を読み深めるステップへ進みます。

まず倉澤先生は、一斉指導で次の活動の進め方を確認しました。「物語を一文でまとめる」「登場人物の心情の変化を曲線で表す」「作品の主題を考える」など、これから自分で作品を読み進めるための視点や手順を共有していきました。

ここでの一斉指導は、教師が答えを示すためのものではありません。第4時は「守」の時間。叙述に着目したり、場面を比べて登場人物の心情の変化を捉えたりと、この先、子供たちが自分の力で作品を読み進めるための土台づくり。いわば、「自走するための一斉指導」です

進め方を確認したあとは、子供たち自身がワークに取り組みます。紙とデジタルのどちらを使うかは、自分で選択。全員で共通の読み方を押さえつつ、取り組み方には選択の幅をもたせ、それぞれのペースで学習を進めていきました。

一斉指導で確認した読み方をもとに、自分の考えを書き込んだワークシート。文章だけでなく、思考ツールなども使いながら、登場人物の変化や物語全体を整理していました。

[授業のおわり]
自分の問いから、これからの学びを描く

この記事をシェアしよう!

フッターです。