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【中2・数学「算額をつくろう」】自ら問いをつくり、解決することで数学の楽しさを知る[後編]〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

前回に引き続き、埼玉県久喜市立鷲宮東中学校2年2組の数学科授業をレポートします。「算額をつくろう」という課題のもと、生徒一人ひとりが自分だけの数学問題づくりに挑みます。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の41回目です。記事一覧はこちら

埼玉県久喜市立鷲宮東中学校

「私が あなたが みんなでつくる鷲宮東中学校」をめざす学校像とし、学校教育目標である「自律・尊重・貢献」の具現化や、すべての生徒が学ぶ意義を感じる支援の研究を行う。2026年度からは教育課程特例校として「未来創造科」を設け、生徒の「非認知能力」や「探究的に学ぶ力」を育んでいる。

問題の条件変更の考え方を示す

生徒たちはまず10分間、個人で問題づくりに取り組んだ後、座席を4人ずつの班の形に変えて、お互いの問題を参照し合いながら、問題づくりを進めていきます。カレンダーの数字の囲み方を工夫したり、別の月のカレンダーで考えたり、図の問題を円ではなく四角形で考えたりと、アイデアが広がっていく様子が見て取れます。

これは正方形を組み合わせて面積を比べようとする問題だね。さて、これは文字を使ってどう説明できるかな?

このひし形の面積ってどう計算するんだっけ? そう、「対角線×対角線÷2」だね。だからここをaとすると…。

井上教諭はこのように、ある生徒がつくった問題を取り上げ、その考え方を説明します。今回の課題では、単に問題をつくるだけなく、「元の問題からどの条件を変えたのか」「その条件を変えようとした理由」「自分でつくった問題の解答・解説」「問題を作って気づいたこと」までを自分の言葉で記すことがゴール。生徒自身が自ら問いを見付け、解決する活動の中で、新たな知識を獲得し数学の楽しさを実感することがこの授業の目標です。

円って、図形としてはちょっととっつきにくいよね。でも、条件を変えるというのは、逆に“自分が解きやすい図形”に変えてもいいということ。難しくすることが目的じゃない。次元を落としたり、簡単な図形に変えたりするのも、立派な一つの手です。

このように、井上教諭は「難しい問題ほどよい」と考えがちな生徒に視点の転換を促し、課題のさらなるブラッシュアップを求めました。

課題のまとめは紙のプリントに

本時では時間いっぱいまで協働での学習を進め、次時以降、自分が考えた問題とその解答・解説・感想などを紙のプリントにまとめて、提出します。

授業の冒頭、前時の振り返りを紹介する井上教諭。

●指導のポイント
授業ではICTを活用しますが、数学記号や数字、図は手書きのほうが書きやすいため、課題は最終的には紙で提出します。「じっくり考える作業には、やはり紙の方が向いていると思います」と井上教諭は語ります。

ここで、生徒が提出した課題のいくつかを紹介します。

縦5つの数の和はいつでも5の倍数になることを説明する中で、「横に並んだ数の個数が奇数の場合は、その日数の倍数になりそうである」という、さらなる問いを発見することができています(井上教諭)。
1つ飛ばしの数の和について考えた生徒です。1つ飛ばすというアイデアは、他者参照で得たようです。感想から、文字の有用性を実感させることができたことが分かります(井上教諭)。
2桁の自然数から4桁の自然数に条件替えした問題です。最大の位と最小の位の交換ではなく、千の位⇔百の位、十の位⇔一の位を交換した点がユニークです(井上教諭)。

生徒の振り返りコメント
●問題の条件を変えても考え方は変わらないことが分かりました。また、式をそのまま解くのではなく、少し工夫を加えると解きやすくなることにも気づけました。クラスメイトがやっていた、ななめや×の形などにも挑戦してみたいです。
●問題を作ることで、今まで学んだ知識を応用するので、より理解が深まったと思います。
●数字だけで考えるよりも、文字を使うとどんな場合でも説明できるので、数学では文字式がとても便利だと感じました。

授業実践者からのメッセージ

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