「UI」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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人とコンピュータとの接点やつながりを意味する、UI(ユーザーインターフェース)。なぜ今注目を集めているのか、その特徴や背景を含めて考えていきましょう。

執筆/信州大学教育学部助教・小倉光明

ユーザーインターフェース(UI)」とは

ユーザーインターフェースはその頭文字を取ってUIと表現されます。このうちインターフェースは「接点」や「境界面」と訳され、機器やコンピュータを接続する部分を指す用語です。それに「ユーザー」が加わったユーザーインターフェースは「人とコンピュータの接点」という意味になります。

私たちは「使いやすいUI」によってさまざまな面で支えられています。例えば、以前のコンピュータは文字で命令を入力して操作することが一般的でした。しかし、このUIではコンピュータの操作に専門的な知識が必要となります。そこで、マウスを動かしてコンピュータを操作する使いやすいUIが開発され、多くの人がコンピュータを使うことができるようになりました。この例のように、私たちは使いやすいUIのおかげでパソコンやスマートフォン等を操作することができ、便利な生活を送ることができています。

一方で、UIはターゲットや設計者の意図によってデザインが異なります。そのため、年齢や専門性の違い等によって、わかりにくいUIとなりえます。教育場面では、あるアプリケーションを教材として扱う際、その機能は効果的であっても、UIによって児童生徒に混乱を与えてしまうなどが考えられます。対象とする児童生徒にとって適切かどうかを、事前に確認しておくことが望まれます。

UIの違いによる混乱の可能性

現在、学校現場では、1人1台端末が導入されています。これらにはあらかじめChromeOSやWindows、iOSなどのOS(オペレーションシステム)が導入されています。それぞれのOSで独自のUIを設計しており、操作方法が少しずつ異なります。そのため、進級ごとにOSの異なった端末を使用したり、タブレットからノートPCに移行したりする際には、UIの違いによって児童生徒に操作上の混乱が生じることがあります。

さまざまなUIに触れて、操作方法に慣れさせるという側面もありますが、操作への混乱から学習へのマイナスなイメージを持たせてしまう可能性もあります。そのため発達段階や、児童生徒の特性を把握しながら、端末の配置を検討することが大切です。

情報の発信者としてのUI

情報の発信者としての学習場面では、情報デザインの概念からUIを学習させることが重要です。情報デザインは、学習指導要領では「効果的なコミュニケーションや問題解決のために、情報を整理したり、目的や意図を持った情報を受け手に対して分かりやすく伝達したり、操作性を高めたりするためのデザインの基礎知識や表現方法及びその技術」として記されています。

多くの優れたUI等の情報デザインは、「人間中心設計」に基づいて行われています。これは、「ニーズの把握→デザイン→評価→改善」をループ的に行う設計活動です。このような手順を辿りつつ、使用者が混乱せず、気持ちよく使えるデザインについて考えさせるとよいでしょう。現代のような高度な情報化社会では、情報の発信者として振る舞う場面が非常に多くなっています。そのため、相手のことを考えた「情報伝達の基本」をUIの設計を通して学習させることが重要です。

▼参考資料
文部科学省(PDF):「【情報編】高等学校学習指導要領解説」 (平成30年8月)

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