「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅱ物と自分の身体(指先を使う)〕#14【ダウンロードプリント付】

「コグトレ」の身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)の14回目は、自分の手足を使って、物を円滑に操作する機会をつくり、手、指、足、身体をどのように動かしたらよいかのイメージ感覚を養う「Ⅱ物と自分の身体」のなかの〔指先を使う(ブロック積み)〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」に着目したトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)を基にして身体的不器用さの改善を図るトレーニングを紹介します。ダウンロードプリントを活用して、ぜひ試してみてください。
監修/立命館大学教授・宮口幸治
目次
認知作業トレーニングとは
コグトレの認知作業トレーニングは、自分の身体のボディイメージを高める、物を扱う能力を高める、他者との関係の中で、多くの情報に注意を払い身体の適応力を高めるなど、身体的不器用さの改善を図るトレーニングです。下の表のように「Ⅰ自分の身体」「Ⅱ物と自分の身体」「Ⅲ人の身体と自分の身体」など3つのプログラムから成り立っています。

身体的不器用さ(以下、不器用さ)をもつ子どもは、小学生では約5% 存在すると言われています。不器用な子どもの特徴は、物によくぶつかる、ボールをうまく投げられない、物をよく壊す(手先が不器用)、姿勢が悪い、力加減ができない、じっと座っていられない、左右が分からないなどです。この子たちは、運動やスポーツが苦手だったり、身体や手先がうまく使えなかったりするだけでなく、不器用さが自尊感情の低下や周囲からのいじめの原因となることも報告されています。そのような不器用さを改善するトレーニングが、コグトレの「認知作業トレーニング」です。いわば、体育の特別支援教育とも言えるでしょう。「認知作業トレーニング」は、グループで実施することが原則となっています。
今回は、「Ⅱ物と自分の身体」のなかの〔指先を使う〕の「ブロック積み」の課題を紹介します。
〔指先を使う〕は、「ブロック積み」「爪楊枝積み」「新聞ちぎり」「ひも結び」「テニスボール積み」の5つのプログラムからなります。指先を使うことによって、一人一人の脳の中にその経験に対応した領域がつくられていきます。このような領域は、地図のように再現され、個人の知覚運動経験に応じて脳の前頭葉や頭頂葉につくられます。指先を使う量に比例してその領域が拡大すると言われています。指の動きは肩、ひじ、手首との組み合わせのバリエーションが豊富で複雑であり、対応する脳の領域は広範囲に及びます。そのため、指先を使う経験はとても重要です。〔指先を使う〕トレーニングは、指先の細かい動きや目標を達成する考え方を鍛えます。今回は「ブロック積み」を試してみましょう。
〔指先を使う〕の「ブロック積み」にチャレンジ!
ねらい
指先を細かく動かす力を高めます。また、身体と肩やひじの力を調節する機能を向上させます。さらに、どこまで積むと崩れるかといった自分の限界を知ること、周囲を見ながら冷静に判断する力も養います。
進め方「ブロック積み」※課題シートの図を参照
- 2~3センチ大の木製ブロックを1人10~15個用意します。
- 数名で1チームになります(今回は2人ずつ3チーム)。
- 時間内(時間設定は90秒)に、ブロックを1個ずつ積み上げます。
- 最も高くブロックを積み上げたチームが勝ち。
※最初に何段くらい積めるかを試してみましょう。
※高く積むことは大切ですが、積み上げすぎると崩れます。他のチームに勝つには、指先の器用さに加え、他のチームの進み具合をしっかり観察し、時間管理や抑制、駆け引きといった作戦が必要です。
