「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅱ物と自分の身体(物をコントロールする)〕#13【ダウンロードプリント付】

「コグトレ」の身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)の13回目は、自分の手足を使って、物を円滑に操作する機会をつくり、手、指、足、身体をどのように動かしたらよいかのイメージ感覚を養う「Ⅱ物と自分の身体」のなかの〔物をコントロールする(キャッチ棒・玉)〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」に着目したトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、身体面のトレーニング(認知作業トレーニング)を基にして身体的不器用さの改善を図るトレーニングを紹介します。ダウンロードプリントを活用して、ぜひ試してみてください。
監修/立命館大学教授・宮口幸治
目次
認知作業トレーニングとは
コグトレの認知作業トレーニングは、自分の身体のボディイメージを高める、物を扱う能力を高める、他者との関係の中で、多くの情報に注意を払い身体の適応力を高めるなど、身体的不器用さの改善を図るトレーニングです。下の表のように「Ⅰ自分の身体」「Ⅱ物と自分の身体」「Ⅲ人の身体と自分の身体」など3つのプログラムから成り立っています。

身体的不器用さ(以下、不器用さ)をもつ子どもは、小学生では約5% 存在すると言われています。不器用な子どもの特徴は、物によくぶつかる、ボールをうまく投げられない、物をよく壊す(手先が不器用)、姿勢が悪い、力加減ができない、じっと座っていられない、左右が分からないなどです。この子たちは、運動やスポーツが苦手だったり、身体や手先がうまく使えなかったりするだけでなく、不器用さが自尊感情の低下や周囲からのいじめの原因となることも報告されています。そのような不器用さを改善するトレーニングが、コグトレの「認知作業トレーニング」です。いわば、体育の特別支援教育とも言えるでしょう。「認知作業トレーニング」は、グループで実施することが原則となっています。
今回は、「Ⅱ物と自分の身体」のなかの〔物をコントロールする〕の「キャッチ棒・玉」の課題を紹介します。
〔物をコントロールする〕は、「棒運動」「キャッチ棒・玉」の2つのプログラムからなります。自分の手足を使って、物を円滑に操作するという動機やプランニング、動作の遂行には、主に脳の前頭葉が行っています。予測と誤差の修正には小脳が、繰り返すことで動作が強化されていく過程には大脳基底核が関連しています。複数の脳の領域が統合されてスムーズな物の操作が可能になります。〔物をコントロールする〕トレーニングは、瞬発力や協調運動能力を鍛えます。今回は「キャッチ棒・玉」の〈みんなでキャッチ1〉を試してみましょう。
〔物をコントロールする〕の「キャッチ棒・玉」にチャレンジ!
ねらい
瞬発力や協調運動能力を高めます。また、注意力を向上させます。
進め方〈みんなでキャッチ1〉※課題シートの図を参照
- コグトレ棒を用意します。
- 3~8人で輪になり、キャッチ棒を行います。
- 棒は1人1本ずつ、左回り、右回りの順で10回以上続くようにしましょう。
- 例えば、左回りなら、右手で隣の人に投げて、左手でキャッチし、素早く右手に持ち替えます。
- 棒に慣れたら、テニスボールに替えてみましょう。
※みんなが一斉に行うことがポイントです。
※かけ声をかける係を決めましょう。
コグトレ棒の作り方は「コグトレ」で身体感覚を育てよう〔Ⅰ自分の身体(身体を知る)〕#1 参照
