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子どもたちの「えっ!?」から始まる奈良時代!~「楽しい!」を引き出す!小中対応歴史授業キー発問・奈良時代〜

連載
「楽しい!」を引き出す!歴史授業のキー発問
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北海道教育大学附属釧路義務教育学校教諭

澤田康介

奈良時代の学習では、大仏建立や聖徳太子の功績など、多くの重要事項を扱います。しかし、知識の暗記だけでは子どもの興味は長続きしません。本稿では、「なぜ聖徳太子は何度もお札に選ばれたの?」「奈良時代の貴族はどんな生活をしていたの?」「なぜ大仏づくりに莫大な費用をかけたの?」といった問いを通して、子どもの「えっ!?」を引き出す授業ネタを紹介します。驚きから歴史の背景を探究し、奈良時代を主体的に学ぶためのアイデアを提案します。

なぜ聖徳太子は何度もお札に選ばれ最高額で登場しているの?

聖徳太子が紙幣に多く登場している理由について話し合うことを通して、聖徳太子の政治を理解することができるようにします。

導入では、聖徳太子の紙幣を提示します(もちろん画像で構いません)。聖徳太子は戦前2回、戦後5回の計7回登場し、最も多く紙幣に選ばれています。また、その際には当時の金額で最高額として登場しています。こうした事実をもとにしながら、本時の問いへつなげられるようにします。

1958年から1981年までは、5000円札と1万円札の両方が聖徳太子でした/写真AC
順位人物採用回数主な紙幣
1位聖徳太子7回100円・1000円・5000円・1万円札など
2位武内宿禰4回1円・5円・100円札など
3位伊藤博文2回1000円札
4位岩倉具視2回500円札・50円札
5位福沢諭吉2回1万円札

展開場面では、聖徳太子の政治をもとに、紙幣に最も多く登場している理由について考えます。聖徳太子は、およそ1500年前の日本の政治家であり、十七条の憲法によって国のかたちを定めたことや、隋との交流をはじめとして中国の文化を取り入れたことで知られています。多くの業績を残し、日本人に親しまれ、尊敬されていることが、聖徳太子が選ばれた理由だと考えられます。以下に、聖徳太子の功績を示します。

功績内容
冠位十二階の制定家柄ではなく、能力や功績によって役人を評価しようとした制度。
十七条の憲法役人として大切な心構えを示したもの。「和を以て貴しとなす」が有名。
遣隋使の派遣中国(隋)へ使者を送り、進んだ文化や政治制度を学ぼうとした。
仏教の保護仏教を広め、寺院建立を進めた。
法隆寺の建立世界最古級の木造建築である法隆寺建立に関わったとされる。
中央集権国家づくり豪族中心の政治から、天皇中心の国づくりを進めようとした。

授業の終末では、本時の学びを通して聖徳太子にキャッチコピーをつける活動を行いました。画像にロイロノートで文字を記載する活動なので、多くの子が参加できます。キャッチコピーは多様であり、その子がどのようなポイントに着目したのかがわかります。提出の際には、キャッチコピーの理由も併せて提出できるようにしました。

奈良時代の貴族はどんな生活を送っていたのかな?

奈良時代の人々の生活を通して、貴族と農民の貧富の差を理解できるようにします。

導入では、奈良時代の貴族が食べていたものの4択クイズをします。
クイズの選択肢は以下の4つです。

Q1  奈良時代の貴族が食べていたものは?

①すき焼き  ②ちくわ  ③チーズ  ④チョコレート

A1 ③チーズ

正式な名前は「蘇(そ)」という、牛乳を煮詰めて作る乳製品です。当時はまだ発酵させる技術はなかったので、まさに濃厚なミルクのような味だったと言われます。

現代的な食品であるチーズが、そんな昔にあったなんてと、クラス全員の興味を集められます。

さらに、
料理では「さしすせそ」と言うけど、何のことだっけ? と確認した上で、

※=さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)。伝統的に和食の料理で使われる調味料を加える順番のこと。

Q2  奈良時代の貴族の料理に使われた調味料は?

とクイズをします。考えるヒントは以下に示した食べ物です。

<奈良時代の貴族が食べていたもの>
・はすの葉で包んだご飯 ・漬物 ・生の鮭 ・乾燥なまこをもどしたもの
・鹿肉の塩辛 ・はすの実入りご飯 ・干し柿などの菓子 ・昔のチーズ(蘇)
・大根 ・しそ ・たけのこ ・干したたこ 
・なす ・うりのあえ物 ・焼きアワビ

A2「塩」「砂糖」「味噌」「醤油」

こうした食べ物と調味料を並べ、都には全国から届けられた「干した」「乾燥した」特産品が集められ、貴族たちは裕福な生活を送っていたことを理解できるようにしました。

執筆/北海道教育大学附属釧路義務教育学校 澤田康介

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