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平安時代は平和で安全な時代だったの?~「楽しい!」を引き出す!小中対応歴史授業キー発問〜

連載
「楽しい!」を引き出す!歴史授業のキー発問
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北海道教育大学附属釧路義務教育学校教諭

澤田康介

「平安時代」と聞くと、華やかな貴族文化や『源氏物語』を思い浮かべる子どもは多いでしょう。しかし、そのイメージだけでは、当時の人々の暮らしや社会の実態を十分に捉えることはできません。本稿では、「平安という名前なのに本当に平和だったの?」「なぜ藤原氏は大きな力をもったの?」「貴族の暮らしは本当に優雅だったの?」など、子どもたちの興味を引き出す発問を紹介します。現代との比較や意外なエピソードを手がかりに、平安時代を多面的に見つめ直しながら、知識の習得だけでなく歴史を探究する楽しさにつなげる授業づくりを提案します。

『平安』という言葉からどんなイメージを思い浮かべますか?

「言葉」から子どもたちは自然とイメージを膨らませることができます。そのイメージをもとにして、実際の時代のできごとと比較することで、問いを立てられるようにします。

この発問は平安時代の入り口となる単元の位置付けです。導入では、「平安」という言葉のイメージをきっかけに本時の問いへつなげていきます。

以下に子どもとのやりとりを示します。

平安時代の「平安」という言葉からどんなイメージを思い浮かべますか?

平和で安心!

安泰!

では、どんな意味なのか辞書で調べてみましょう。

「無事で穏やか」という意味みたいだ。

時代の長さだと、江戸時代が約260年間で、平安時代が約400年間だそうです。「平安」という名前の通り、平和な時代だったのでしょうか?

桓武天皇の政治をもとに「平安時代は本当に『無事で穏やか』な時代だったのかな?」について考えられるようにします。

展開場面でも、桓武天皇の「武」という言葉からイメージする言葉を共有します。多くの子が「武士」や「武器」など、戦いに関する言葉をイメージします。

そこで、「桓武天皇は名前の通り戦ったのか?」と問います。この問いを通して、教科書から桓武天皇は坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命し、東北に軍を送ったことについて確認できるようにします。

「武」という言葉からイメージする言葉
「武」という言葉からイメージする言葉

なぜ藤原氏はこんなに力をもつことができたのか?

日本人が居住する住宅の敷地の平均と藤原道長・頼通の屋敷の面積を比較することで、藤原氏がいかに権力をもっていたのかをイメージできるようにします。

はじめに、日本人が居住する住宅の敷地を伝えます。

日本人が居住する住宅の敷地は、全国平均で1住宅当たりおよそ200㎡

参考:総務省 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/nihon/3_3.html?utm_source=openai

続いて、平安時代に最も権力をもったとされている藤原道長と、その子である頼通の屋敷の面積を示します。

・藤原道長の屋敷:約30000㎡(南北250m×東西120m)
・藤原頼通の屋敷:約62500㎡(250m×250m)

参考:全国子ども考古学教室「平安時代」❸貴族の邸宅(ていたく) https://kids-kouko.com/2021_heian/  

藤原の道長・頼通の屋敷の広さ。これを子どもたちにもイメージできるものを比較対象として提示しましょう。例えば、標準的な小学校の体育館はタテ34m×ヨコ24m、816㎡です。
上のデータから見ると、小学校の体育館の中には、現代の一般的な家が4軒もおさまるわけですね。
これに対し、道長の屋敷には体育館が約37館、頼通に至っては約76館も収まるという、とてつもない広さでした。

こうした比較によって引き出される子どもたちの驚きをもとに、「なぜ藤原氏はこんなに力をもつことができたのか?」という問いを立て、その理由について、摂関政治などをもとにしながら説明できるようにしていきます。 現在と歴史の比較であるため、あくまで子どもが考えるきっかけにすぎませんが、子どもが比較できる視点をもたせることで、探求へとつなげることができます。

執筆/北海道教育大学附属釧路義務教育学校 澤田康介

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