組体操の基本技「サボテン」安全な新しい作り方と練習法

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埼玉県公立小学校教頭

戸田克

運動会の花形種目、組体操。なによりもまず、安全に演技できることが最優先です。そのために、安全性を重視しつつ、なおかつ効率的な練習の方法を紹介します。今回はまず、組み体操を行う前の基礎から、新しい「サボテン」の作り方、そしてサボテンの練習法「座・サボテン」を紹介します。

なお本記事の関連記事として、
2人~4人の技を紹介した記事はこちら。
5人以上の大技はこちらをご覧ください。

組体操技「扇」
華やかで見ごたえある組体操。安全な演技を心がけて、楽しい運動会にしたいものですね。
写真/北村瑞斗

きれいな技のために!組体操の基礎を確認

きれいな技にはポイントがあります。それを態度面と体力面にわけ、以下のような事柄を通して指導していきましょう。

態度面~気をつけの姿勢~

正しい気をつけの姿勢

態度面では、まず気を付けの姿勢(直立)のポイントを知ります。写真上の注意点をチェックしましょう。
次に、集合の仕方のポイントです。

1,移動時は走る

2,集合したら気をつけの姿勢で教師の方を向く

体力面~運動感覚と柔軟性~

腕支持感覚・平衡感覚・逆さ感覚といった、体育に必要な運動感覚と柔軟性を備えていることが大切です。
肩倒立、カエル倒立、ブリッジに継続して取り組みましょう。準備運動に位置付けるのも良いです。

新提案!サボテンの新しい作り方

サボテンは組体操で多く取り入れられている技の一つで、下段が後ろへ体を倒し、上段が前へ反り出してバランスをとる姿が美しい技です。しかし、練習当初は肩車が持ち上がらず、サボテンの練習まで到達しないことがあります。そこで、もう一つの作り方として、下段の背後から乗る方法を提案します。この方法は下段が立った状態で行うので、比較的容易に肩車を作ることができます。

新しいサボテンの作り方

①下段の脚の付け根辺りに、足をかけて乗る。
②上段が乗ったら下段は、ランドセルを背負うように脚の内側に腕を入れる。上段は前方へ出るように、下段の肩の上に重心を移動する。
③肩車になる。
④上段が立ち上がる。下段が首を抜く。
⑤下段が後ろに反り、上段が前へ反り出しながら前後のバランスをとって完成。
⑥下りるときは、土台が抱きかかえるようにする。

座・サボテンでサボテンの感覚をつかもう

組み体操の練習・座サボテン

従来のサボテンの練習では、肩車をするところから始めますが、個人によっては難しい場合もあるでしょう。 そんなときは、座った状態のサボテン練習も有効です。 サボテンを作るときに大切な3つの感覚をつかめます。
①支える位置(膝の上)がわかる。
②下段が後ろに倒れるのに合わせて、上段が前へ反り出す感覚がつかめる。
③くずすときのタイミングをつかめる。
最初は正座で始めます。慣れてきたらつま先立ちになり、太ももに傾斜をつけてみましょう。

2019年最新技は動きで魅せる!

最近では、一瞬で作る(ポップアップ型)、回転する(回転・移動型)、形が変わる(エボリューション型)、一部分が抜ける(無重力型)などの隊形変化の要素を加えたものが人気です。また、「スーパーデルタ」など、子どもたちが考え出した技も使われています。

次回【応用編】では、さらなる新技を紹介いたします。

回転ラージヒル

組体操技「回転ラージヒル」
回転移動のある技でダイナミックさを演出する組体操の技です

スーパーデルタ

組体操技「スーパーデルタ」
組体操の技の名前を自分たちで考えるのも楽しい!

指導/戸田克( 埼玉県公立小学校)、川野幸一 (埼玉県公立小学校)、栗原龍太( 埼玉県公立小学校 )、大澤利奈(埼玉県公立小学校)、成田雅弥( 埼玉県公立小学校 )

『教育技術 小五小六』2019年4月号より

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