「楽しい!」を引き出す!小中対応歴史授業キー発問 鎌倉時代~おごれる平家だけでなく、源氏も長くなかったコト~

本実践では、鎌倉時代の学習において、子どもたちが思わず興味をかきたてられるような歴史的事実を手掛かりに、問いを生み出す授業を提案します。『耳なし芳一』を活用した平氏滅亡の導入、平氏政権の特徴を考えるクイズ、なぜ源頼朝が京都ではなく鎌倉に幕府を開いたのかを考察する活動、源氏将軍が三代で途絶えたにもかかわらず鎌倉幕府が140年間続いた理由を探る学習を通して、子どもたちが歴史的事象を主体的に考え、多面的・多角的に捉えることを目指します。
目次
『耳なし芳一』からどんなことがわかるかな?
子どもたちに親しみのある絵本を導入に用いることで、歴史学習への心理的なハードルを下げながら、「なぜ平氏は滅んだのか」という歴史的な問いを自然に生み出していきます。物語を手掛かりに歴史への興味・関心を高め、鎌倉時代の学習へ円滑につなげることを目指しました。

導入では、『耳なし芳一』の絵本を読み聞かせを行います。読み聞かせを通して、芳一と呼ばれる琵琶法師が平氏の亡霊に襲われる話であることを確認します。
その上で、「『耳なし芳一』からどんなことがわかるかな?」と確認し、子どもたちに平氏の一族が滅んだということを気づかせます。こうしたやりとりを通して、「力のあった平氏がどうして滅んだのか?」という疑問をもてるようにしました。
鎌倉時代から制度や人物がより複雑になってきますが、絵本という子どもたちが親しみやすいものを教材化することにより、多くの子が授業に参加できるようにしました。
なぜ平氏は滅ぼされたのか?
クイズを活用して平氏の政治や経済政策を整理し、その成果とともに、一族による権力独占が武士や貴族の不満を招き、滅亡につながったことを考えさせます。
平氏が滅ぼされた理由について、クイズをもとに考えます。以下に子どもたちに提示するクイズを紹介します。
Q :〇にはどんな言葉が当てはまるかな?
① 娘を〇〇の后にして、政治を支配
② お金もほしい! 〇〇〇〇に港を開き、がっぽりもうけよう!
③ 平氏でなければ〇ではない
④ 〇〇を500以上平氏のものにした
A : ① 天皇 ② 大輪田泊 ③ 人 ④ 荘園
平清盛たちは、天皇家との結び付きを強めたり、経済活動を活発にしたりした一方で、一族で権力を握ったため武士や貴族の不満へとつながりました。クイズを通して、平家に対する反発を招いたことを説明できるようにしていきます。
この頃(鎌倉幕府が開かれた頃)の都はどこにあるかな?
鎌倉幕府の成立を単なる事実として学ぶのではなく、「なぜ政治の中心である京都ではなく鎌倉を選んだのか」という問いを通して、朝廷と幕府の関係を考えさせていきます。地理的な位置や政治的な背景に着目させることで、武士が新たな政権を築く意図や鎌倉幕府の特徴を主体的に捉えられるようにしました。
この発問では、鎌倉幕府と朝廷の関係に着目します。

1192年に源頼朝は征夷大将軍となり、鎌倉に武家政権を成立させました。しかし、当時の都は京都にあります。これまでの政治の拠点は京都をはじめとした近畿地方となっていました。それにも関わらず、頼朝が選んだのは鎌倉です。こうした切り口をもとに本時の問いへつなげます。
以下に、子どもとのやりとりを示します。
執筆/北海道教育大学附属釧路義務教育学校 澤田康介
