小1国語科「こんなことしたよ」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小1国語科「こんなことしたよ」(東京書籍)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等を示した授業実践例を紹介します。

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科准教授・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属小金井小学校・橋浦龍彦
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、次の資質・能力の育成を目指します。
・語と語や文と文との続き方に注意して文を作ること
・助詞の「は」「を」「へ」の使い方や句読点の打ち方を理解して使うこと
この時期の児童は、まだ平仮名の習得段階にあります。既習の「ぶんをつくろう」では、「〇〇が△△する。」の文型で文を作っています。しかし、「ねこなく」(「ねこ」と「なく」の間に「が」が抜けている)など、語と語の続き方が整わない児童がまだ多くいることでしょう。
このようなつまずきのある児童も、この単元の後も進んで書くことに向かっていくために、語と語や文と文をつなげて書こうとしていること、書けたことを大いに励ましながら指導していきましょう。
指導のポイントは、上の2点に絞ります。
2. 単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴
本単元の言語活動は、学校での経験を書き表して周りの人に伝えることです。したこと、思いを書き表すことが特徴です。
書いた文章は、教師はもちろん、友達や上級生、家族などに読んでもらい、価値づけてもらいましょう。
本単元は、次の⑴から⑸の流れで進めます。「→」でそれぞれのポイントを挙げます。
⑴ 友達や家の人に伝えたい経験(楽しかったこと、よく覚えていることなど)について話し合う。
→題材となる経験を想起できるよう、友達同士の話を聞き合い、生活を振り返る。
⑵ 経験したことを書いて、読み合う学習の見通しをもつ。
→誰に(相手)、何を(題材)伝えるのかを明確にする。
⑶ 文例をもとに書き方を学ぶ。
→誤った文例(既習の「ぶんをつくろう」「はをつかおう」「を へをつかおう」)でつまずきの見られた内容)を全体で推敲し、書く際に注意することを確かめる。
⑷ したこと、見た・聞いたこと、思ったことを文章に書く。
→進度の差に応じる。なかなか文を思いつかない子は、友達や教師と話したことを書き起こす。どんどん書き進められる子は、したこと、思ったことを次々書いていく。
⑸ 書いた文章を読んでよいところを伝え合い、学習を振り返る。
→書き方のよさ(したことや思いが伝わる言葉、助詞「が」「は」「を」「へ」の使い方など)、分かりやすさ(いつ、誰が、何を、どうした)、感想(気付いたこと、おもしろかったことなど)などを伝え合う。
4. 指導のアイデア
〈主体的に学ぶために〉 書いて伝えるよさを感じさせる
楽しかった授業、おいしかった給食、休み時間の遊び、仲良くなった友達、上級生との関わりなど、印象的な経験について話し合います。
ここで教師は、「友達はどのような面白いことがあったのかな」「学校で起こったみんなの素敵な思い出を書き残しておくと、1年生を振り返って楽しめそうだね」と話し、友達と伝え合うこと、書くことへの思いを高めます。
書くことのよさは、文字によって目に見える形で経験を残せることです。
本単元をきっかけに文章を書きためていくと、3学期の書くこと単元「一年かんのおもいでブック」で書く題材が豊富になり、役立ちます。学年文集を作成する場合にも有効です。
〈対話的に学ぶために〉 話すことと書くことを往還する
いきなり書くのではなく、楽しかったことやよく覚えていることを伝え合います。
教師や数名の児童が全体の場で話してイメージをつかませたら、全員が話せるようにペアで伝え合います。伝えることが思い浮かばない児童がいたら、さらにペアを替えて友達の話を聞けるようにしたり、三人以上のグループにしたりするとよいでしょう。
「その場所で何をしたの?」「どう思ったの?」などと質問をする児童がいたら、「したことを伝えるのが大事だね」「思ったことがあると、よく伝わるね」と価値づけ、板書していきます。質問する姿がなければ、教師から質問します。
このようにして、したこと、思いを耕してから書いていきます。
文章を書いているときも、児童の手が止まってきたタイミングでこのような活動を入れると、対話的に書き進めることができます。
〈深い学びのために〉 児童の文章から、児童が書くポイントを見つける
実際に書けている児童の姿を価値づけながら「語と語や文と文との続き方」「助詞の『は』、『へ』及び『を』の使い方、句読点の打ち方」を押さえられるとよいでしょう。
そのために、生活科で書いた学校探検の振り返りなど、これまでに書いた児童の文章を活用します。教師は単元前に書いた児童の文章に目を通しておき、助詞の使い方が整っている文章や、したことと思いが書けている文章を見つけておきましょう。
教師が第2時で文例を示すとき、教科書の文例に加えて示します。
児童が「これがポイントなら書けそう」「もうできていたのかも」というように、言葉への自覚をもつことにつながります。
書き方のポイントは、下のように(私が実際に活用したものの一部です)一覧にして掲示しておくと、その後の書くことの学習や他教科・領域の学習で文章を書く際にも活用できます。
年間を通して掲示し増やしていくと、繰り返し活用でき、児童の力になっていきます。端末上に残しておくと、いつでも、どこでも参照できます。

5. 単元の展開(4時間扱い)
単元名: したこと、おもったことをつたえよう
【主な学習活動】
・第一次(1時)
① 友達や家の人に伝えたい経験(楽しかったこと、よく覚えていることなど)を話し合う。
② 経験したことを書いて読み合う学習の見通しをもつ。
・第二次(2時、3時)
③ 文例をもとに書き方を学ぶ。
④ したこと、思ったことを文章に書く。文章を音読して読み返す。
・第三次(4時)
⑤ 書いた文章を読み合い、よいところを伝え合う。
⑥ 書き方のポイントと、自分がよく書けたことを振り返る。
6. 全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美
令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

