夏休み明けリスタート!の学級づくり~子どもたちを安心して迎える心がけとシステムとは~

夏休みが終わると、学校には子どもたちの元気な声が戻ってきます。いよいよ一年の中で最も長く、そして行事も多い二学期です。そんなリスタートの時期に求められるのは、学習を急いで始めることではなく、子どもたちが「学校は安心できる場所だ」と感じられる環境を整えることです。そして、多くの雑務を無理なくこなしながら、子どもたちにしっかり向き合う姿勢を持つことです。詳しく見ていきましょう。
執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾)
目次
新学期にまず共有したいのは「笑顔」
始業式の日は、教師以上に子どもが緊張しています。
宿題が終わらなかった子、友達との関係が気になっている子、生活環境が変わった子、学校から足が遠のきそうになっている子など、さまざまな思いを抱えた子どもたちも集まります。
そんな子どもたちが、始業式の日に最初に受け取るのは、教師の表情や教室の雰囲気です。
笑顔で迎えられた子どもは、「先生は自分を受け入れてくれている」と感じます。その安心感は、その後の学級生活にも大きく影響します。
「みんなに会えてうれしい」
「今日からまた一緒に頑張ろう」
という気持ちが伝わる時間にしていきましょう。
もし欠席が心配な子がいる場合には、事前に家庭へ
「始業式の日、〇〇さんの顔を見られるのを楽しみにしています」
などと一報を入れておくのも有効です。始業式の日を迎える前から子どもや保護者とつながっておくことで、不安が和らぐこともあります。
新学期の始めに様子が気になる子どもがいたら、積極的に声をかけ、必要に応じて対処をしていきましょう。
夏休みの話は、全員が参加できる形にする
子どもは自分の話を聞いてもらえることを喜びます。
一方で、発表が得意な子だけが話し続ける時間になると、教室全体の一体感は生まれません。もしかしたら子どもたちの中には、家庭の事情でどこにも出かけられなかった子もいるでしょう。
そこで、例えば、四人程度のグループに分かれ、「楽しかったこと」「頑張ったこと」を話し合ったりすると、全員が無理なく参加できます。
短時間でも、一人一人に話す機会をつくることが大切です。
教師は聞き役に徹し、「そうだったんだ」「楽しかったね」と受け止める姿勢を見せることも大切です。
子どもが安心できるように、いじめ防止の大前提を
さらに、始業式の日には必ず伝えたい言葉があります。
「困ったことがあったら、一人で悩まないで相談してください」
この一言は、子どもにとって大きな安心につながります。
同時に、いじめについては曖昧にせず、始業式の日には自分の言葉でしっかり伝えます。
例えば、
「先生は、友達を悲しませることだけは見過ごしませんし、そんなことをする人を許しません。もし困っていることがあったら、一人で悩まないで話してください。先生は必ず最後まで話を聞きます。一緒に考えていきましょう。」
と話します。
やることのシステム化でスムーズな始動を
まずは「四月の確認」から
子どもたちは、長い夏休みの間に学校生活のリズムから離れています。だからこそ、始業式の日から生活の動線をもう一度確認します。
教室へ入ったら、
- ランドセルをロッカーへ入れる。
- 提出物を決められた場所へ出す。
- 席に着いて一時間目の準備をする。
授業では、
- 話す人を見る。
- 体を黒板の方へ向ける。
- 手は机の上に置く。
- 最後まで話を聞く。
どれも四月に繰り返し指導した内容です。二学期は、新しいことを教える前に、学校生活の土台を整えることから始めたいものです。
そして、よい姿が認められたら、「当たり前」だなんて思わずに、積極的に褒めていきましょう。
そのような小さな成功を学級全体で認めることが、子どもたちの意欲を育てます。
予定を「見える化」して、一週間を乗り切ろう
二学期が始まると、運動会やプール納め、避難訓練など、さまざまな学校行事が予定されています。そのため、時間割どおりに授業が進む日は意外と少ないです。
こんなときに役立つのが、一週間の予定を「見える化」することです。
時間割や学校行事、持ち物などをまとめた週予定を作成し、教室に掲示してみましょう。子どもたちは登校すると予定表を見て一日の流れを確認し、
「今日は体育がある」
「午後は運動会の練習だ」
と見通しをもって生活できるようになります。
予定が見えると教師自身も授業や行事の流れを整理しやすくなり、
「今日は放課後に作品募集の整理をしよう」
「この日は行事があるから宿題の確認を先にしておこう」
というように、仕事の優先順位を考えながら行動できます。
提出物は必ず名簿で管理する
二学期最初の一週間は、各種コンクールへの応募作品など、多くの提出物が集まります。机の上には作品が山積みになり、誰が何を提出したのか分からなくなってしまいがちですし、「出したつもり」「受け取ったつもり」という思い違いも生じやすくなります。
そこで、名簿によるチェック表を準備しましょう。宿題、作品募集、コンクールなど、それぞれの提出状況を名簿で確認しながら、一人一人確実に記録していきます。
作品募集は余裕をもって進めよう
また作品募集については、応募締切だけでなく、校内締切も確認しておきましょう。代表作品を選ぶ時間も必要になるため、作品募集は締切日だけでなく、「いつ代表作品を選ぶのか」まで予定に入れておくと、仕事に追われることなく落ち着いて対応できます。
受賞者が偏らないように配慮しよう
ある子は絵画が得意、ある子は作文が得意というように、それぞれの子どもが力を発揮できる場面は異なります。そこで、年間を見通しながら応募する作品を考え、できるだけ多くの子どもが挑戦し、認められる機会をつくることも考えていきましょう。
