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オドロキと発見! シイタケの胞子を観察しよう!

連載
モンタ先生の自然はともだち
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森田弘文

食欲の秋です。キノコのおいしい季節となりました。しかし、食べるばかりではなく、キノコのおもしろさも発見しませんか。身の回りの自然を観察する入口として、家庭で気軽に始められるテーマです。

スーパーで売られているシイタケで、オドロキいっぱいの胞子の世界を見ることができます。シイタケの傘から出てくる胞子にライトを当てたり、黒い画用紙の上に置いたりするだけで、胞子の動きが観察できます。さらに美しい胞子紋も観察できます。理科の学習にも役立つ観察実験としておすすめです。

この実験は特別な道具を必要としません。家庭にあるもので十分楽しめます。観察の仕方を工夫すれば、胞子の拡散の様子を理解できます。子どもから大人まで安全に学べる実験です。実験後は手を洗い、道具を片付けましょう。

【連載】モンタ先生の自然はともだち #43

執筆/森田弘文

胞子・胞子紋って何だろう?

胞子とは

まず、写真を見てください。黒い紙の上にあるのは、誰でもよく知っているおいしいシイタケです。このシイタケをそのまま数時間置いておくと、右の写真のようになります。写真をよく見ると、白い粉のようなものが見えると思います。これが今回のテーマである『シイタケの胞子』というものです。そんな胞子というものを、簡単な実験を通して自分の目で確かめてみましょう。

なお、胞子というのは、シダ植物・コケ植物・菌類・藻類などの生物が、同じ仲間を増やすために作る生殖細胞のことです。顕花植物などに見られる種子とは、以下のような違いがあります。

細胞の数と構造について受精タイミング(散布の時期)
胞子1つの細胞だけでできていて、小さく単純な構造の細かい粉状のもの。胞子は、散布(ばらまかれた)後に、精子や卵子を作る配偶体に成長する。そして、その後に受精が起こる。
種子複数の細胞からできていて、胚や胚乳や子葉など、大きく複雑な構造のもの。花粉が雌花について受精し、胚珠が種子になる。つまり、受精の後に種子が散布(ばらまかれ)子孫が増える。

胞子紋とは

様々なキノコのヒダなどから落ちる胞子を、紙に写しとった多様な模様のことで、理科の教材としてキノコの同定にも役立つものです。胞子紋には、独特な美しさがあり、自然が創り出したアートとしても、一見の価値があります。

シイタケにライトを当て胞子を見る実験

材料

シイタケ・懐中電灯・割り箸(竹串)・粘土(発泡スチロール)・虫メガネ・霧吹き

材料
材料

手順

  1. 新鮮なシイタケの下から割り箸(串)を刺します。
  2. その割り箸(串)を粘土に刺し、動かないようにしっかりと固定します。
  3. 横や下からライトで照らし、胞子が出てくる様子を観察します。
  4. 胞子が出ない場合には、霧吹きで噴霧し、乾湿を調整します。

観察についての留意点

  • シイタケには、大きさ・形・乾湿状態等、いろいろな個体差があります。胞子を出しやすい個体もあれば、時期が早々であったり、胞子を出し切ってしまったりする個体などがあります。
  • 実験に適しているシイタケとしては、新鮮で傘の開いたものが良いです。下の写真を見ると、左はよく開いた状態でヒダも見え胞子観察に適しています。それに対して、右はまだ開ききっていない状態であり、胞子の出方はあまり期待できません。
  • 胞子は、低温や高温では活発には見られません。気温が15度~30度くらいが最もよく放出すると言われています。また、湿度と乾燥の微妙な関係があるので、すぐに胞子が見られる個体とそうでない個体があります。

シイタケ
シイタケ
  • 胞子の観察は、いろいろと試してみることが必要です。筆者の場合には、ヒダに霧吹きで噴霧し、すぐに見たり、30分程経って見たりすることで、多量の胞子が出る様子を確認できました。
  • ライトの当て方やシイタケとの距離など、いろいろと実験しました。実際に胞子がシイタケから流れ落ちる姿を見たとき、細やかな風にも影響を受けながら、舞うような様子の胞子の動きのおもしろさに、オドロキと喜びを感じ大変感動しました。このオドロキとおもしろさをぜひ体験してみてください。
胞子が出ている瞬間
飛ぶ胞子
飛ぶ胞子
飛ぶ胞子
飛ぶ胞子

森田弘文

森田弘文(もりたひろふみ)
ナチュラリスト。元東京都公立小学校校長。公立小学校での教職歴は38年。東京都教育研究員・教員研究生を経て、兵庫教育大学大学院自然系理科専攻で修士学位取得。教員時代の約20数年間に執筆した「モンタ博士の自然だよりシリーズ」の総数は約2000編以上に至る。2024年3月まで日本女子大学非常勤講師。その他、東京都小学校理科教育研究会夏季研修会(植物)、八王子市生涯学習センター主催「市民自由講座」、よみうりカルチャーセンター「親子でわくわく理科実験・観察(植物編・昆虫編)」、日野市社会教育センター「モンタ博士のわくわくドキドキ しぜん探検LABO」、あきる野市公民館主催「親子自然観察会」、区市理科教育研修会、理科・総合学習の校内研究会等の講師を担当。著書として、新八王子市史自然編(植物調査執筆等担当)、理科教育関係の指導書数冊。趣味は山登り・里山歩き・街歩き、植物の種子採集(現在約500種)、貝殻採集、星空観察、植物学名ラテン語学習、読書、マラソン、ズンバ、家庭菜園等。公式ホームページはこちら。

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