小5体育「バスケットボール(ゴール型ゲーム)」指導アイデア

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執  筆/広島県公立小学校教諭・河野紘範
編集委員/国立教育政策研究所 教育課程調査官・高田彬成、広島県公立小学校校長・平岡弘資

授業づくりのポイント

1 年間の学習のまとめの時期になりました。かかわり合いを通して、クラスの絆をさらに深めることができるように取り組みましょう。

今回のバスケットボールでは、その行い方を理解するとともに、投げる、受ける、運ぶといったボール操作と、ボールを持たないときの動きについて、ゲームを通して身に付けます。また、攻守の入り交じる簡易化されたゲームの中で、チームの特徴に応じた作戦やルール等を工夫しながら学習を進めていきます。

授業づくりのポイントは2つあります。1 つ目は、基本的な技能の習得です。苦手な子供にとってドリブルやパス、シュートといった技能の習得は、主体的に学ぶ上で重要です。ただ反復するのでなく、ゲーム感覚で楽しく学んでいくうちに技能も高まるように工夫しましょう。

2 つ目は、ルールや場の工夫です。子供の実態や身に付けるようにしたい課題に応じてルールや場を工夫し、子供が意欲的に取り組めるようにしましょう。

また、子供が課題に気付いたり、考えたりするために、ICT 機器を適宜有効活用しましょう。

単元計画の例(全7時間)

単元計画の例
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オリエンテーション(第1時)

単元の導入では、チームの仲間意識を高めるためにチーム名を決めたり、チームの目標を決めたりします。次に、バスケットボールの基本となるルールを学習し、単元を通してオリジナルのルール、また、パスやシュート、ドリブルの技能を高めるためのドリルゲームの行い方も説明しておきます。「全員得点」という単元全体の目標に向けて、クラスで取り組めるようにしていきましょう。

ドリブル鬼ごっこ

鬼チームの色を決めて、ドリブルで移動しながら鬼ごっこをする。

ドリブル鬼ごっこ

連続シュートゲーム

フリーシュートゾーンに動いて、パスを受けてシュート。連続して行い、回数を競う。

連続シュートゲーム

パス& パスゲーム

決められたゾーン内で、味方とパスを回す。(4対2)

時間を決め、パスの回数を競う。ボールを取られたり、ボールが外に出たりしたら攻守交替。

パス& パスゲーム

やってみる(第2~3時)

単元前半では、ドリルゲームで基本的な技能を高めつつ、3対2の簡易化されたゲームをすることで、単元後半で行う4対3のゲーム(メインゲーム)につなげていきます。

また、技能の高い子供がドリブルで局面を打開してしまい、苦手な子供が参加しづらくなってしまうことに配慮するために、パスをつなぐことに重点を置いた指導をします。

「パスをもらうために、どのように動けばよいのか」という課題に気付き、試合風景をICT機器で撮影し、実際の動きを確認しながらチームで話し合い、課題の解決ができるようにしていきましょう。

3対2のゲーム(時間は3分)

・最初はパスの意識を高めるため、ドリブルはなし。慣れてきたらドリブルも可とする。

・守備側にボールを取られたり、ボールが外に出たりしたら、スタート位置からやり直し。

・フリーマンはゾーン内を動き、パスを受けることができる。受けたパスはその場から味方へパスする。

・守備側は2名。相手が得点したら総入れ替えをする。

3 対2 のゲーム

パスをもらうときの動き

パスをもらうときの動き

ふかめる(第4~7時)

単元後半では、チームの特徴に応じた作戦等について話し合い、ゲームをするようにしましょう。ゲーム終了後、運営チームが記録した試合内容をもとに、次の試合に向けての振り返り(作戦タイム)を行い、チームの課題を明確にした上で次のゲームを行うようにします。

交流戦では、勝敗ばかりに注目するのではなく、作戦の工夫やチームの仲間への励ましの声などを全体の場で紹介し価値付けていくと、子供の意欲も高まります。また、パスをもらう動きが苦手な子供には、動画等で視覚的に支援し、どのように動けばよいのか一緒に考えていきましょう。

メインゲーム(試合時間は5分程度)

・攻撃側4名対守備側3名で行う。

・4名×8チーム(32人学級を想定)。

・オフェンスマンはチームが攻める側のハーフコートのみ動くことができる。よって、攻撃場面では常に攻撃側4名対守備側3名となる。

・4チームは試合で残り4チームは運営。

〈運営チームの役割分担の例〉

審判2名・得点係2名

撮影係2名➡タブレット等で試合の様子を撮影する。

試合記録2名( 試合をしているチームに1名ずつ)➡シュート回数などを記録する。

運営チームの役割分担の例
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ICT 機器の活用例

ICT 機器の活用例

〈作戦タイムに活用〉

作戦タイムに活用

〈苦手な子供へアドバイス〉

苦手な子供へアドバイス

作戦タイムでは、シュート記録や試合動画等を有効に活用しましょう。自分たちの動きを詳しく確認するためにゲーム記録やICT機器の活用は効果的です。パスをもらう動きが苦手な子供や意欲的でない子供には、試合動画で自分や友達の具体的な動き方を確認し、動機付けにつなげていきましょう。

授業のアイディア(運動が苦手な子供への配慮を中心に)

単元全体を通して、運動が苦手な子供にどのような力を付けたいかを明確にした上で、試合をする人数やルール、場を工夫していくことが大切です。また、単元全体の目標でもある「全員得点」をしたチームや、仲間に肯定的な声かけをしていた子供を紹介し、お互いが認め合うなかで、1 年間の学習をよい形で終わることができるようにしましょう。

ワークシート(シュート記録)の例

シュート機会の確保(フリーシュートゾーン)

・フリーシュートゾーンにディフェンス側は入ることができない。

・ディフェンスされずにフリーな状態でシュートができるので、得点の機会が増える。

作戦盤の例

横45度からのシュート

シュートが苦手な子供には、ボードを利用したシュートの感覚が身に付くようにするとよい。

ルールの工夫例

〈ボーナス得点ルール〉

・多くの子供がシュートを決めることに意識が向くように、得点の入り方を工夫する。(実際の得点× 人数= チームの得点)

A チーム 実際の得点10点 得点した人数2 人

     10点×2人= チームの得点20点

B チーム 実際の得点8点 得点した人数3人

     8点×3人= チームの得点24点

〈みんなで得点ルール〉

・シュートへの意識を高め、多くの子供が得点できるようにするため、シュートはリングに当たれば1点、入れば2点とする。

ここに注目!練習やゲームが楽しく行える工夫を

国立教育政策研究所教育課程調査官・高田彬成

ボール運動ゴール型は、バスケットボール、サッカー、ハンドボール等を基に、簡易化されたゲームにして扱うようにします。攻防入り交じりながら、ボールを操作したり、空いている場所に素早く動いて攻めたりするなどして、勝敗を競って攻防を楽しめるようにすることが大切です。

ここでは、ボールを持ったときと持たないときの動きを知り、状況に応じた動きができることを目指します。本稿で紹介するフリーシュートゾーンやフリーマンのように、コートの形やルール等を工夫し、個の活動を保証しましょう。また、規則を守り、友達と励まし合って練習やゲームをすることや、規則を工夫したり、簡単な作戦を立てて練習やゲームをしたりすることは、学習をより楽しくするだけでなく、思考・判断・表現や主体的に学習に取り組む態度の指導としても重要です。

勝利を目指すチームとしての団結を大切にしながら、練習やゲームを楽しく繰り返し行えるようにしましょう。

イラスト/たなかあさこ

『小五教育技術』2019年2/3月号

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