植物の不思議を深掘り! 葉っぱから水蒸気を出す「蒸散」は、思った以上に激しかった!
人間が余った水分を汗などとして外に出すように、植物も根から吸った水分の余りを、葉っぱから水蒸気として排出しています。これが「蒸散」です。前回アサガオの葉を用いて蒸散の実験をしたところ、ビックリするくらい葉っぱから水分を出していることがわかりました(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。そこで今回は様々な植物を使い、蒸散を深掘りしてみました。今回もオドロキの結果の連続です。
【連載】モンタ先生の自然はともだち #41
執筆/森田弘文
目次
いろいろな植物で蒸散の量を見てみよう!
前回、「木陰はなぜ涼しいのか?」という課題を、身近で親しみのあるアサガオで実施してみました。1週間で5mlもの水を集めることができ、驚きと共に蒸散の不思議さについて、学ぶことができました。
さて、校庭や公園に植栽されている植物、自分の家の庭やベランダで栽培している植物、路傍の雑草、落葉樹・常緑樹・針葉樹・イネ科・野菜等、植物にもいろいろありますが、それらの全てが蒸散作用を行っているのでしょうか。その違いなどはあるのでしょうか。
筆者の自宅や付近に見られる様々な植物の蒸散実験を行った実験の報告をします。
(1)実験の様子
- 2026年8月15日~21日の7日間に蒸散実験を実施し、どの植物も蒸散作用を行っているのかを調べました。
- 様々な植物の違いによる蒸散量の量について、定説では草本が一番多く、次に木本の落葉樹、そして針葉樹と言われています。そこで、身近な野菜で草本の代表としてピーマンを選定しました。また、落葉樹では庭に植栽しているスイフヨウ、さらに、針葉樹ではカイズカイブキを選定して、実験を行いました。
- 蒸散実験を行った植物を以下記します。
<ピーマン>




<スイフヨウ>




<カイズカイブキ>




(2) 実験の結果
- 全てのビニール袋に水を溜めていることがわかり、どの植物も蒸散作用を確認することができました。なお、溜まった水の量は、植物により違いが見られました。
- ビニール袋で覆った葉の枚数や面積などの違いがあり、植物の種類により、蒸散量の違いは明確にはわかりませんでした。また、蒸散量が、草本>落葉樹>針葉樹の順で多いという結果はハッキリと数値的に表すこともできませんでした。
- 1日目が最も蒸散量が多いとの印象を受けました。また、その後の変化は少しずつで、あまり顕著な違いは見られませんでした。
- ビニール袋の中の植物体の葉の色は、若干の変化があっても、ほとんど緑色のままで、実験前と大きな違いは見られませんでした。

森田弘文(もりたひろふみ)
ナチュラリスト。元東京都公立小学校校長。公立小学校での教職歴は38年。東京都教育研究員・教員研究生を経て、兵庫教育大学大学院自然系理科専攻で修士学位取得。教員時代の約20数年間に執筆した「モンタ博士の自然だよりシリーズ」の総数は約2000編以上に至る。2024年3月まで日本女子大学非常勤講師。その他、東京都小学校理科教育研究会夏季研修会(植物)、八王子市生涯学習センター主催「市民自由講座」、よみうりカルチャーセンター「親子でわくわく理科実験・観察(植物編・昆虫編)」、日野市社会教育センター「モンタ博士のわくわくドキドキ しぜん探検LABO」、あきる野市公民館主催「親子自然観察会」、区市理科教育研修会、理科・総合学習の校内研究会等の講師を担当。著書として、新八王子市史自然編(植物調査執筆等担当)、理科教育関係の指導書数冊。趣味は山登り・里山歩き・街歩き、植物の種子採集(現在約500種)、貝殻採集、星空観察、植物学名ラテン語学習、読書、マラソン、ズンバ、家庭菜園等。公式ホームページはこちら。
