貝っておもしろいね! 色・形・模様など、自然が生み出す多様性の不思議を体感してみよう!
読者の皆さん! 浜辺を歩くことは好きですか。岩場の潮だまりで遊んだことはありますか。海は生命の故郷で、様々な生き物がたくさんいて、ワクワクドキドキいっぱいの世界です。今回は、そんな海からの贈り物であり、身近な「貝」について焦点を当て、その美しい姿や生活スタイルなどを見ていきましょう。「貝」は自然が創りあげた芸術品。「楽しいな、興味深いな!」と感じていただけたらうれしいです。そして、子どもたちに、「貝って、美しくおもしろく不思議な世界だよ!」と伝えていただき、生き物を学ぶ楽しさのきっかけにしてもらえたらと思います。
【連載】モンタ先生の自然はともだち #36
執筆/森田弘文
目次
美しい貝の世界へようこそ!
浜辺を探してみると…






岩場を探してみると…




ステキな貝を紹介し始めるとキリがないですね。ここらでいったん、貝という生き物について基本的なご説明をしたいと思います。
貝には、二枚貝と巻貝等があります!
貝は軟体動物です。いやむしろ、すべての軟体動物は貝です、と言っても過言ではありません。
骨や節がないグニャグニャの身体をした軟体動物は、最も古くから存在している生物のひとつであり、昆虫に次いで種類の多い生き物でもありますから、その姿かたちは実に様々です。
食卓に並ぶイカやタコも、もちろん貝の仲間です。進化の過程で貝殻を必要としなくなったものたちです。
(※イカの甲は貝殻の名残で、タコは名残すらなくしています)。
そして貝は、石灰質の貝殻の中に柔らかな身体を収める、という生存戦略をとった軟体動物たちです。
さて、ここからは、貝の代表的な種類である二枚貝と巻貝について見ていきましょう。
二枚貝って、どんな貝なの?


二枚の炭酸カルシウムでできた殻で体を保護し、砂の中や岩場に定着して生活しています。
目も触覚も歯や舌も、頭もありません。しかしこれは、より原始的であるというのではなく、進化の過程で不要になったためです。二枚貝は巻貝よりも進化の系統的には新しいです。
大事な内臓は「外とう膜」(アワビの場合にヒモと呼ばれている)という丈夫な筋肉の皮で、ギョウザのように包まれています。
貝殻を少し開いて入水菅を出し、海水を吸い込みながら酸素と微生物などの栄養源を上手にこしとって、出水菅から出して生活しています。これを濾過摂食者(フィルターフィーダー)と呼びます。赤潮の原因となるプランクトンなどは二枚貝の絶好の餌ですから、貝は海水を浄化するという役割ももっているわけですね。また、このプランクトンが毒を持っている種類だった場合、それを食べた貝にも毒が蓄積してしまい(自然毒)、人間が食べると食中毒を起こすこともあります。市販品であれば危険はありませんが、潮干狩りや海水浴でとれた、アサリやアカガイ、ホタテ、ムラサキイガイ、カキなどには、この自然毒がたまっている可能性があることを気にかけておきましょう。
多くの二枚貝は、あまり動くことが得意ではありませんが、ホタテガイのようにジェット水流で高速移動したり、マテガイのように素早く穴の中に潜ったりできるものもいます。
いろいろな種類の二枚貝の紹介

巻貝って、どんな貝なの?


貝の仲間の8割を占める多数派で、二枚貝よりも前に発生しました。らせん状の殻に入っていますが、トコブシやアワビなどのように平たい貝殻を持つものも中にはいます。
口や目や触覚のついた頭をもっています。細長い口ばし(吻:ふん)の先にある口には、いろいろな食べ物をすり下ろすための、ヤスリのような歯舌というものがついています。殻の口を閉じるふたをもつ種類が多く、敵が来たときには、ふたをして殻の中に隠れてしまいます。
目と触覚で周りを探りながら、腹にある広く平らで筋肉質な足ではい回ります。身体から粘液を出して、いろいろな場所にくっついたりもできます。
藻類を食べる草食性、他の貝や魚を食べる肉食性、死骸などを食べる雑食性など、食べ物は様々です。
なお、ほとんどの巻貝の貝殻は右巻きです。これは右巻きを決定する遺伝子によるもので、これだけ豊かな多様性をもつ仲間たちも、たどっていけば共通の祖先に行き当たるわけですね。
いろいろな種類の巻貝の紹介

筆者の集めた美しい貝たち

森田弘文(もりたひろふみ)
ナチュラリスト。元東京都公立小学校校長。公立小学校での教職歴は38年。東京都教育研究員・教員研究生を経て、兵庫教育大学大学院自然系理科専攻で修士学位取得。教員時代の約20数年間に執筆した「モンタ博士の自然だよりシリーズ」の総数は約2000編以上に至る。2024年3月まで日本女子大学非常勤講師。その他、東京都小学校理科教育研究会夏季研修会(植物)、八王子市生涯学習センター主催「市民自由講座」、よみうりカルチャーセンター「親子でわくわく理科実験・観察(植物編・昆虫編)」、日野市社会教育センター「モンタ博士のわくわくドキドキ しぜん探検LABO」、あきる野市公民館主催「親子自然観察会」、区市理科教育研修会、理科・総合学習の校内研究会等の講師を担当。著書として、新八王子市史自然編(植物調査執筆等担当)、理科教育関係の指導書数冊。趣味は山登り・里山歩き・街歩き、植物の種子採集(現在約500種)、貝殻採集、星空観察、植物学名ラテン語学習、読書、マラソン、ズンバ、家庭菜園等。公式ホームページはこちら。
