47都道府県縦断!全国オリジナル地域教材でつくる「本気!」の道徳授業#15 初日の出とおでんおじさん― 戻って来られる場所 ―

全国各地の「ひと・もの・こと」を教材化し、子どもたちの感情、思考、価値観を大きく揺さぶる道徳授業を提案。さらにそれらを集めてアーカイブ化しようという野望に満ちたリレー連載です。今回の執筆者は、青森県三戸郡南部町の髙橋謙太郎先生です。
編集委員/藤原友和(北海道函館市立鍛神小学校教諭)
執筆/髙橋謙太郎(青森県三戸郡南部町立名川小学校教諭)
目次
はじめに
私の勤務する学校は、青森県三戸郡に位置しています 。豊かな自然に囲まれたこの地域には、教科書には載っていないけれど、子どもたちにどうしても伝えたい「地域の宝」がたくさんあります。
今回ご紹介するのは、地域の資源である「人」に焦点を当てた授業です 。
場所は、海沿いの町、階上(はしかみ)町にある「小舟渡(こみなと)灯台」。美しい初日の出の風景の裏側で、長きにわたり活動を続けているある人物と、その仲間たちの姿を通して、子どもたちに「郷土愛」や「人との絆」について考えてもらいたいと思い、この教材を作成しました。
1 教材について
1月1日、元旦。青森県の最東南端にある小舟渡灯台には、初日の出を見るために多くの人が訪れます。その気温はマイナス5℃ 。凍えるような寒さの中、そこにはなぜか、湯気を立てる大きな鍋を囲み、笑顔で会話をする人だかりがあります 。
中心にいるのは、「おでんおじさん」こと佐京剛(さきょう・つよし)さん。彼は40年以上もの間、毎年この場所で、訪れる人々に無料でおでんを振る舞い続けています。
この教材の魅力は、単なる「ボランティア活動の紹介」にとどまらない点にあります。佐京さんを支えているのは、戦後間もない何もない時代を共に生き抜いた「同級生」たちです。「悪口を言い合っているようで、一番信頼できる仲間」。
そんな彼らが、「年に1回、戻って来られる場所にしたい」という思いで集まり、地域の人や卒業生たちを温かく迎えています。この「人と人との温かい関わり」こそが、地域を愛する心の原点であると考え、6年生の卒業前の時期に合わせて授業を構成しました。
