小1国語科「みみずのたいそう」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小1国語科「みみずのたいそう」(東京書籍)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等を示した授業実践例を紹介します。

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科准教授・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属大泉小学校・山下美香
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元で身に付けたい資質・能力は、「読むこと」において、詩の内容と自分の体験とを結び付けて感想をもつ力です。
この単元では、詩を音読し、詩に描かれていることを具体的に想像しながら言葉の響きやリズムを楽しむ力を育みます。
「みみずのたいそう」の詩を音読し、登場人物のみみずの気持ちを想像したり、詩を読んだ感想などを伝え合ったりすることで、詩の場面や登場人物の様子を捉えるとともに、詩という表現に親しんでいってほしいものです。
登場人物の様子や動きを様々な言葉で説明したり、それぞれの解釈を基に動作化するなど音読を工夫したりすることもできるとよいでしょう。
そのためには、みみずの体操のイメージを1年生の児童にもたせることに加え、「どんな動きなのかな」「どんなことを考えているのかな」など、教師が児童に問いかけ、詩の中にある言葉から様々な情景を豊かに想像させていくことを大切にしていきたいものです。
これから詩を読んでいく際、言葉を意識して読んでいくことが、自分の読みを広げるだけでなく、言葉に関する興味・関心も高めていきます。
2. 単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴
みみずが土の中から飛び出している様子を、体操をしていると見立てているユーモラスな詩です。みみずが体を伸ばしたり縮めたりしている動きを体操のように見立て、楽しく表現しています。
みみずの動きをリズムよく、言葉に親しみながら楽しく読めます。また、児童にとって身近な小さい生き物を題材にし、おもしろい登場人物のように見せているところも、この詩の魅力といえるでしょう。みみずという小さな生き物の動きを優しく楽しく表現しています。
詩の内容の大体を捉えて、語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読することが目標です。
第一次では、単元の学習の見通しをもった後、様子を想像して読み、好きなところや読んだ感想を発表し合います。声に出したり、挿絵を参考にして動作化したりするなどして、音読を楽しむ時間になるようにします。
第1連の「つちの なかから とびだして」から、「誰が飛び出したのかな」と問うことで、題名の「みみずのたいそう」に着目させ、みみずが飛び出したことや、みみずが体操をしているように見えることに気付かせたいと考えます。
そして、第1連の「つちの なかから とびだして」や第2連の「あさの くうきを いっぱい すって」の言葉に着目させると、場所や時間について考えることもできます。
物語を読むときと同様に、詩を読むときにも、登場人物、場所、時間を読み、詩の場面を想像できるとよいでしょう。
何回も音読をして、繰り返し出てくる言葉に着目させると、第1連と第2連の言葉の違いにも気付くでしょう。
言葉に着目させて問い返すと、言葉の違いを動作化することができます。そして、体感することで言葉の違いを知り、語彙を広げることができると考えます。それが、言葉に関する興味・関心を高めていくことにもつながります。
本単元で高まった言葉への興味・関心はその後の「読むこと」の学習や日常生活の中で生かされます。言葉への感覚を豊かにして日々の生活を送る中で、新たな言葉を獲得したり、無意識だった言葉を意識化して語彙を広げたり深めたりすることにもつながっていくと考えます。
第二次では、全員で読んだり友達と交代して読んだりするなど読み方を工夫し、詩の音読を楽しむ活動にしたいものです。動作化も取り入れた音読にすると、どのように言葉に着目し、表現しているのかが聞き手にも分かりやすくてよいでしょう。
4. 指導のアイデア
〈 主体的な学び 〉 音読の発表
詩を声に出して読むことの楽しさを味わわせたいものです。どのように読むか、誰と読むか、どんな動作にするかなどと考える活動は楽しく、一人一人が工夫することができ、意欲的に取り組むことができると考えます。
音読の発表形態は、個人、ペア、グループが考えられますが、学級の実態に応じて選択するとよいでしょう。
第1時と第2時の間に少し時間を空けて、家庭学習で詩の音読に取り組めると、発表の練習をスムーズに進めることができるでしょう。
音読練習の際には、中間発表のような共有の時間があるとよいでしょう。教師が見取った児童やグループの読み方を聞き、その後、その読み方の工夫や動きの工夫を学級全体で共有します。
そして、そこを意識して実際に音読してみるのもよいでしょう。実際に音読してみることで、新しい言葉に着目したり詩の新しい魅力に気付いたりすることもあるでしょう。
体を使って詩の言葉を楽しめるのは、1年生ならではのことと考えます。言葉に親しむことは楽しいことだと思わせたいものです。
〈 対話的な学び 〉 言葉から感じる違い
何回も音読をして、繰り返し出てくる言葉に着目させると、第1連と第2連の言葉の違いに気付くでしょう。
第1連の「ぴん ぴこ ぴん」と第2連の「ぴん ぴこ ぴいん」の言葉に着目させます。第1連では「ぴん ぴこ ぴん」が2回出てきますが、第2連では、最後が「ぴん ぴこ ぴいん」と変化します。この変化に気付かせたいものです。
「『ぴん』と『ぴいん』は何が違いますか」「『ぴん』と『ぴいん』はどんな感じがしますか」「どういうときに使ったことがありますか」などと発問することで、児童が言葉に着目した話合いができるように促します。
このような話合いをすることで、生活経験や感じ方の違いに気付きやすくなります。その言葉のイメージの違いを教師が取り上げ、学級で共有できるようにしましょう。
自分の言葉のイメージだけでなく、「もっと友達の考えを聞きたいな」「友達はどのように考えているのかな」など、友達の考えを聞くことを楽しみにする姿も育てていけるとよいでしょう。
〈 深い学び 〉 言葉の違いの動作化
「ぴん」と「ぴいん」の言葉の違いから、体の動きにも違いが生まれます。
おそらく「ぴん」よりも「ぴいん」の言葉に、児童は真っすぐさや張り詰めた感じを受けるでしょう。その際の動作化では、ある児童は、「ぴいん」を表現するのに、手を真っすぐにするかもしれません。また、ある児童は、背伸びをするかもしれません。
どのように「ぴいん」を表現するのかは、その児童の「ぴいん」から感じた言葉のイメージによります。その動作化の違いを教師が取り上げ、言葉のイメージともつなげて、学級で共有します。
動作化する際には、「もつれて のびて」「はりきり はじけて はねすぎて」の表現にも着目させたいものです。
「『のびる』と『もつれてのびる』は何が違いますか」「『はねる』と『はねすぎる』はどのように違いますか」などと言葉に着目して問い返すと、言葉の違いを動作化することができます。
そして、体感することで言葉の違いを知り、語彙を広げることができるようになります。それは、言葉に関する興味・関心を高めていくことにもつながります。
本単元で高まった言葉への興味・関心は、その後の「読むこと」の学習や日常生活の中で生かされます。言葉への感覚を豊かにして日々の生活を送る中で、新たな言葉を獲得したり無意識だった言葉を意識化して語彙を広げたり深めたりすることにもつながっていくでしょう。
5. 単元の展開(2時間扱い)
単元名: たのしくよもう
【主な学習活動】
・第一次(1時)
① みみずについて知っていることやイメージを出し合う。
「みみずのたいそう」を音読し、詩の言葉に着目しながら、みみずの様子について話し合う。
話し合ったことを基に、みみずの様子を想像して音読したり、動作化したりする。
・第二次(2時)
②「みみずのたいそう」を、動作化しながら全員で読んだり友達と交代して読んだりするなど読み方を工夫して、音読する。
音読の発表をし、音読した感想を共有し、単元の学習を振り返る。
6. 全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美、フリーイラスト素材集 ジャパクリップ
令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

