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長なわをもっと楽しむことができる教材ってありますか? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #96】

連載
使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業
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筑波大学附属小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

これまで
#14で8の字跳び(かぶり回し)
#16で連続跳びおよび8の字跳び(むかえ回し)
#43ではひょうたん跳び
#44ではひょうたん跳びダブル
を紹介してきました。
これらの教材を経験して、長なわ跳びの技能が高まったら、短なわ跳びと組み合わせて行う「長短跳び」にチャレンジできます。長なわ跳びと短なわ跳びの技能が高まってきている中学年以降におすすめの教材です。

執筆/東京都公立小学校教諭・逸見淳一
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川 譲

1 レディネス(学習準備状況)の確認

今回紹介する「長短跳び」は、回旋している長なわの中で短なわを跳ぶという教材です。長なわ跳びで培った「なわ回し」「入る」「跳ぶ」「抜ける」の技能に加えて、ある程度の短なわ跳びの技能も必要になります。できる技が多いほうが長短跳びを楽しむことができるからです。
#13#15で紹介してきたあや跳びや交差跳び、そして二重回しをクラスの大部分の子が、連続で10回以上跳べるようになっているのが望ましいレディネスとなります。

2 まずは長なわの中で跳んでみよう!!

では、授業の流れを紹介します。
体育班に1本の長なわを渡します。
「長なわの中で前回し跳びできるかな?」と聞きます。「できる!」「できない!」など、様々な反応が返ってくるでしょう。怪我の可能性が低い教材なのでまずは跳んでみます。しだいに1回跳べる子や連続で跳べる子が出てきます。

3 1回? 2回?

跳べる子が出てきたら、短なわ1回旋の間に何回跳躍しているかを視点に、運動観察場面を設定します。この時点で跳べている子の多くは1回旋2跳躍になっています。このリズムであれば、長なわをゆっくり回すことができ、余裕をもって跳ぶことができるからです。このポイントを共通理解させることで、跳べる子が増えます。

<1回旋2跳躍>

中には1回旋1跳躍で跳び始める子もいます。このような子を見取ったら、再び運動観察をさせます。その際の視点は「長なわを回すリズム」です。1回旋2跳躍との違いに気づかせましょう。
1回旋1跳躍と1回旋2跳躍のリズムの違いを理解させたら、どちらの跳び方でも10回跳べることを課題として活動させます。

<1回旋1跳躍>

連続で10回跳べたら(全員が白帽子で運動を始めているとして)帽子の色を赤にするよう指示します。こうすると10回跳べていない子がすぐわかるので、この子たちにできるだけ関わり、助言や指導、場合によっては教師が長なわを回して、赤帽子を増やしていきます。

4 みんなが10回跳べたら…

短なわ跳びの技を変えたり、組み合わせたりすると、高い意欲のまま長短跳びに取り組み続けることができます。

① 中で跳ぶ技を変える

前回しだけでなく、後ろ回しで10回跳んでみたり、あや跳びや交差跳びに挑戦させたりしてもよいでしょう。この時も意識させたいのは、長なわと短なわの双方がなわ回しのリズムを合わせることです。仲間とリズムを合わせることを意識させることで、様々な技に挑戦することができます。

<後ろ回し1回旋2跳躍>

<後ろ回し1回旋1跳躍>

<あや跳び1回旋1跳躍>

<あや跳び 長なわ1回旋で2跳躍>

<交差跳び>

短なわ跳びの技能が高い子は、サイドクロス#41や二重回しにも挑戦し始めます。

<サイドクロス>

<二重回し>

② 中で跳ぶ技を組み合わせる

前回しから交差跳びにつなげたり、あや跳びから二重回しにつなげたり、あるいはもっと多くの技を組み合わせたり、たくさんのアイデアが出てきます。試行錯誤しながら、楽しんで取り組む様子が見られるはずです。

<前回しから交差跳び>

<あや跳びから二重回し>

5 うまくいかないときは?

基本的に長なわを回す子が短なわのリズムに合わせます。これには、短なわ跳びの子が一定のリズムで跳ぶことが条件となります。短なわのリズムが途中で変わると、長なわの子がなわ回しのリズムを合わせるのが難しくなるからです。
二重回しは、前回し跳びから二重回しに変わる瞬間のリズム変化がポイントになります。前回し跳びの回数をあらかじめ決めておき、声を出して数えて合わせましょう。もしくは、はじめからいきなり二重回しで跳ぶ方法もあります。

<いきなり二重回し>

6 さいごに

いかかでしたか?
子どもたちが楽しんで取り組む様子をイメージしていただけたでしょうか。今まで身につけてきた短なわ跳びの技能と長なわ跳びの技能を組み合わせたシンプルな教材ですが、子どもたちの技能に合わせて運動でき、アレンジも豊富です。
短なわ跳びと長なわ跳びの両方で技能の高まりを感じたら、ぜひ取り組んでみてください。

【参考文献】
平川譲(2008)『写真でわかる運動と指導のポイント なわとび』大修館書店

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逸見淳一教諭

執筆
逸見淳一
東京都公立小学校 教諭
1980年 東京都中野区生まれ。「みんなができる、みんなでできる」体育授業を目指し、日々研鑽中。子供たちにとっても教師にとってもよりよい体育授業が広まるように、オンラインで研修会を行っている。『「資質・能力」を育成する体育科授業モデル』(共著)(学事出版)


平川譲教諭

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


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