夏休み明け!学校生活をスムーズにスタートさせる対応策

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夏休みあけの学級経営リスタート特集

二学期が始まる直前になると、友達に会えることを楽しみにする子供がいる一方で、「学校に行きたくない」と、登校を渋る子供たちも出てきます。二学期が始まってからではなく、夏休み中から登校渋りに備えてできる対策を紹介します。

執筆/熊本市教育委員会指導主事・田尻里織、熊本県公立小学校教諭・江野協子

「学校の友達と会うのが楽しみだなー」「残っている宿題、友達との関係、朝の早起き、授業、心配だな・・・」

「教育相談」で保護者とつながろう

一学期に登校を心配した子供や、夏休みの家庭生活や友達関係で気になる子供がいたら、夏休みの前半で「教育相談」を行っておくことをお勧めします。おうちの方と時間をとって話をすることで、夏休み中も家庭との連絡がとりやすくなります。保護者とよい関係をつくっておきましょう。

二学期が楽しみになるような、「残暑見舞い」を出してみよう

長い夏休み明け、学校に行きたくない理由として考えられることは、

1.夏休みの宿題の未終了
2.生活リズムが崩れて、無気力
3.学校に行って、勉強をするのが面倒
4.友達と仲良くできるか不安 など

もちろん理由は他にも考えらます。このような不安材料を少しでも軽くして、子供たちが二学期を迎えられるようにしたいものです。夏休み後半に入ったところで、「残暑見舞い」で子供たちに前向きなアプローチをしてみましょう。次のような内容を書いてみたらどうでしょうか。

残暑見舞い例

元気に登校することが一番

終わっていない宿題があっても、「元気に登校してほしい」「会えることがうれしい」という思いを伝えましょう。

二学期には楽しい行事がたくさん

集団宿泊や修学旅行、音楽会、集会活動など、楽しいことがあることを伝えましょう。しかし、このような行事が心配要因になる子供もいますので、書く内容に配慮が必要です。二学期が始まって子供たちが登校してきたら、「やっぱり、学校って楽しいな」と思えるスタートにすることが大切です。初日の迎え方の準備もしておきましょう。

登校を渋る子への対応

長い夏休みが終わり、新学期が始まりました。最近の夏は猛暑ということもあり、一日中部屋の中で過ごす子供も多いのではないでしょうか。自然と生活リズムが崩れたり、食生活が乱れたりすることで、休み明けの学校に適応できない子供もいると思われます。

生活リズムの乱れ

Q.夏休みが終わり、新学期が始まったのですが、登校を渋る子供がいます。どうしたらよいでしょうか。

A.新学期初日に欠席の子供に対しては、必ず家庭訪問をするようにしましょう。どのような状態にあるのか、把握しておく必要性があります。単なる病気や怪我であっても、顔を見せておくことで、子供の安心感につながります。

登校を渋っている子供たちには、学校での楽しい出来事などを家庭訪問の際に伝えます。また、登校してきたときに、学級がホッとする楽しい空間であるために、支持的な風土がある学級経営ができるとよいでしょう。 ただ、登校渋りの原因が、友達関係にあるのであれば、しっかり子供に寄り添い、話を聞き、対策を考えましょう。

自分で生活リズムを整えるために

Q.遅刻が多かったり、あくびをしながら授業を受けたりして、生活リズムが乱れている子には、どう対応すればよいでしょうか。

A.崩れた生活リズムを整えるために、学級活動の時間を使って子供たち自身が自分の生活を見直し、整える機会をつくりましょう。学校が始まる前の生活時間と学校が始まってからの生活時間を比べて、自分の課題を発見します。課題の解決方法を考え、1週間程度、実践します。実践は学級通信などで紹介すると、家庭との連携を図ることができます。実践の振り返りも本人だけでなく、保護者の方に励ましの言葉を書いてもらうと、子供たちのやる気もアップするでしょう。

イラスト/佐藤雅枝

『教育技術 小五小六』2019年9月号より

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