動画あり!岩田先生×たにぞうさん「たのしい気持ちでつながる!『はじめまして』のてっぱんレク」講座レポート
新しい出会いの季節、4月。期待と不安が入り混じる教室などで、子供たちの心をつかみ、一瞬にして笑顔の輪を広げる魔法のような「レク(レクリエーション)」があります。今回のオンライン講座では、保育の世界で絶大な人気を誇る創作あそび作家の「たにぞう」こと谷口國博さんと、小学校教育の現場で運動あそびの普及に尽力する東京都公立小学校指導教諭の岩田純一先生(がんちゃん先生)が登壇。教師も子供も「たのしい気持ち」でつながるための「てっぱんレク」の数々を、実演を交えて紹介していただきました。息のあったお二人による1時間半にわたる熱気あふれるオンライン講座の内容を、ダイジェストでお届けします。
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目次
集中力を一瞬で高める「音とリズムの導入」
講座は、岩田先生の「私の手に注目してください。もう始めますよ。いきなりやるのが大事なんです」という言葉とともに始まりました。
パチン! と合わせる集中レク

ルールは極めてシンプルです。岩田先生の手が重なった瞬間に、手をたたきます。
フェイントを入れたり、スピードを速めたりして緩急を付けると、子供たちはより集中します。
「視覚的な集中」と「リズムの共有」こそが、学級開きや活動の始まりにおいて、子供たちの意識をこちらへ向ける鉄板の手法なのです。
続いて、たにぞうさんが保育現場でもおなじみの「手遊び」を披露しました。
くるくるくる(指拍手と数え方)



「かいぐり(手を回す動作)」を取り入れた遊びです。
「くるくるくる」と手を回しながら、「1本指で拍手!」と指拍手をします。1本指と同様に2本指、3本指……と本数を増やして拍手をしていきます。
「速すぎてゆっくりに見える」というユーモアを交えることで、子供たちの「見たい!」「やってみたい!」という意欲を刺激します。
次はペアで行います。ここで、サポート役の「りかちゃん先生」が登場。



さらに、たにぞうさんはこの遊びの「学び」の側面にも触れました。「日本語の数え方は難しい。1本(いっぽん)、2本(にほん)、3本(さんぼん)……。この不思議をレクに取り入れるんです」
指の数当てクイズ(高学年向け)




「これは1本(ぽん)」「これは2本(ほん)」「これは3本(ぼん)」と例を見せます。「じゃあ、これは、なん『ほん』?」と言って、あえて正解とは違う指の数を提示します。子供たちに「なぜ?」と考えさせ、じっくり観察させます。答えをすぐに教えるのではなく、クラスが「あ、そうか!」「分かった!」とざわつく瞬間を大切にします。この「問い」のある遊びが、高学年の子供たちをも夢中にさせるポイントとなります。
※なぜか? わからない方はこちら!
「これはなんぼん?」と聞いたら→「3本(さんぼん)」
「これはなんほん?」と聞いたら→「2本(にほん)」
「アイスブレイク」の重要性とレクの効果
ここで、岩田先生からレクリエーションがもつ教育的効果と、活用のタイミングについての解説がありました。
教育的効果
人と人、心と心を遊びでつなぐ。
レクリエーションの3つのキーワード
いつでも:4月スタート(学級開き)、各学期の初め、夏休み明け、連休明け、テスト後、ちょっとした時間、空いた時間など。
どこでも:教室、体育館、集会、親子活動など。
誰とでも:同学年だけでなく、異学年交流や地域活動など。
特に強調したのが「アイスブレイク」という概念です。緊張(アイス/氷)を溶かす(ブレイク/壊す)、つまり「心をほぐしていく」ということです。
(岩田先生)初めましてのときは、子供も先生も緊張しています。いきなり激しい接触がある遊びではなく、まずは先生と子供の間で完結する簡単な遊びから始め、徐々に心をほぐしていくことが重要です。
遊びを広げるコツ
先生と子供たちでスタート。→子供と子供(ペア)へ。→ペアを変え、「いろいろな友達」と関わる機会をつくります。
(岩田先生)このように段階を踏むことで、レクは「単なる遊び」から「人間関係を豊かにするツール」へと進化していくのです。
「一緒がうれしい」を感じるペア・グループ遊び
講座の中盤では、実際に体を動かしながら、相手との距離を縮める遊びが紹介されました。
はてさてどっちかな?
「かい」と「いか」のポーズを決め、合図とともにどちらかを出し合う遊びです。




ポーズ:かい(両手をグーにして合わせる)、いか(両手をパーにして手のひらを合わせる)。
掛け声:「かいかな、いかかな、はてさてどっちかな?」
相手と同じポーズなら「仲良し!」。
(岩田先生)なんで合わせたいの? と思われるかもしれないけれど、「一緒」ってそれだけでうれしいんです。
シンプルな偶然性が、子供たちの間に自然なコミュニケーションを生みます。
バスにのって(集団連結バージョン)
たにぞうさんの名曲『バスにのって』を使った、ダイナミックな集団レクです。ここでもう一人のサポート役として、ゆうせいくん登場。






岩田先生、ゆうせいくん、りかちゃん先生が、前の人の肩を持ち、1列に並んでバスをつくります。歌に合わせて右、左、坂を登る(後ろに倒れる)、前、ガタガタ道など、全身で揺れを楽しみます。最後は「ハンドブレーキを引く動作」でフィニッシュ。
(たにぞうさん)集団の中にいると、つい一緒にワクワクしちゃう。朝、少し学校に行きたくないなと思っている子も、こうして体を委ねているうちに「あ、楽しいな」と共有できるんです。
小学校6年生でも大盛り上がりする、まさにてっぱんのレクです。
握り寿司(集中と間の遊び)
右手はチョキ、左手はパーで「握り寿司」の形をつくります。
「に・に・に・に……」とためて、リーダーが「寿司!」と言った瞬間に、相手の手(シャリ)を握ると同時に自分の手を引いて寿司を食べます。






あえて長い「間」を置いたり、関係ない話をしたりして、子供たちの集中力を極限まで高めます。
(たにぞうさん)子供を引き付けるのは「間」です。いつキーワードがくるか、しんとして待つ時間。ここで集中力が育まれます。
遊びに慣れてきたら、ルールに工夫を加えることで、より深い学びや楽しさが生まれます。
じゃんけんアイコで立ち上がる


正座して向き合い、じゃんけんをします。
「アイコ」のときだけ、素早く立ち上がったほうが勝ち。
(岩田先生)遊びにはルールがあります。ズルをして勝っても実は楽しくないんです。「ズルをしたなら、つまらない」ということを、遊びを通して学んでいきます。子供には、ルールを守るからこそ、全力で楽しめるということに気付かせたいですね。
しゅうまいじゃんけん(アルバム『幼・保・小かけはしプログラム~あそび・まなびアップ!~』より)
「♪しゅうまい、しゅうまい、しゅうまい、しゅうまい、えびしゅうまい!……」のリズムに合わせて踊り、最後にじゃんけん。「アイコだったら後ろにひっくり返る」などのルールを追加。






(たにぞうさん)この遊びの醍醐味は、子供たち自身に「アレンジ」を任せることにあります。「勝ったらどうする?」「負けたらどんなポーズにする?」と問いかけることで、遊びが創造的な活動へと変わります。原案を超える遊びが生まれるのが、創作あそびの最高の形です。
リズムと輪唱でつながる「きつつきさん」
高度で達成感の高いリズム遊びとして紹介されたのが「きつつきさん」です。
きつつきさん(アルバム『幼・保・小かけはしプログラム~あそび・まなびアップ!~』より)




