• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

一学期後半のあるあるトラブル対応術・二年生編

2019/7/4

一学期後半に入るこの時期、二年生の学級で起きがちなトラブル例を挙げ、 その対処法についてアドバイスします。

文・ 東京都江戸川区立大杉小学校 教諭 佐々木陽子

CASE 1 外遊びが中止になり、子どもが落ち着かなくなる

今日は10分だけフルーツバスケットをしましょう
イラスト/バーヴ岩下

→教室遊びを充実させる。

暑さが厳しくなることや梅雨が長引くなどで、外遊びが長らく中止になる日が続くことがあります。
 
大好きな外遊びができないことで、子どもたちはエネルギーの発散場所がなくなり、落ち着かない様子が見られるようになります。こうなると「静かにしなさい」「教室では走りません」 など担任の叱る場面が増え、今後の学級経営にも支障が出てきます。
 
この時期に外遊びが長らく中止になることも予想して、事前に教室遊びの準備をしておきましょう。クラス全員でフルーツバスケットをしたり、少人数のグループでトランプやかるた、パターンブロックをしたりと、室内で熱中できる遊びを用意しましょう。

CASE 2 暑さで食欲がなく、給食を残す子が多くなる

→適度な水分補給を促し、普段とは違うイベントを企画する。

この時期に食欲が落ちてしまう原因には、過度の水分補給でおなかがいっぱいになってしまうことや、暑さによって気分的に食べ物を受け付けないことなどが考えられます。    

こまめな水分補給は大切ですが、一度にゴクゴク大量の水を摂取することは考えものです。美味しい給食が食べられる量に調整するよう声かけをしていきましょう。
 
また、この時期に栄養士さんと協力して、バイキング給食を開催したり、クイズや紙芝居などで食育を深めたりするなど、イベント的な企画をすることで食べることへの関心が高まります。  

食べる気分でなかった子も、違う視点からアプローチすることによって、食べられるようになります。

CASE 3 学習中に使う下敷きがうちわとして使われる

学習に入る前にパタパタタイムです。強く扇ぎすぎないようにね
イラスト/バーヴ岩下

→禁止にせず、パタパタタイムをつくり、うちわとして使用させる。

学習中にもかかわらず、気がつくと下敷きがうちわに変身します。一人が始めれば、どんどん広がり、そのうちクラス中でやってしまいます。きっぱりと禁止することも大事ですが、禁止すると、再びやってしまったり、学習のやる気を失ったりします。
 
そこで、学習のはじめや終わりなどわずかな時間に「パタパタタイム」をつくり、うちわとして使用します。子どもの欲求もある程度満たしてあげることで、学習への切り替えもスムーズにできます。ここでは、はじめの約束が肝心です。きちんと切り替えることができるなら、うちわとして扇いでよいことにします。また、強く扇ぎすぎると下敷きが折れるので注意も促します。

CASE 4 冷房機器を使用するのに暑い、寒い、と 苦情が出る

→暑い人は、廊下側に机を寄せる。 寒い人には、羽織るものを持参させる。

冷房機器を使用しているのに、子どもから「暑いです」や「寒いです」 と苦情が出ます。
 
座席によっては、冷風が直撃しますし、窓側はカーテンを閉めていても直射日光で気温が上昇します。大人と同じで寒がりの人もいれば、暑がりの人もいます。感じ方が様々なのは分かりますが、クラス全員の要望を満たすことは難しいものです。
 
寒いと感じる人には、羽織るものを用意させて、その都度、自分で調節させます。

窓側で暑いと感じる人には、廊下側に机を寄せてもらいます。冷房機器を使用する時期がきたら、クラス全体の座席の位置を廊下側にずらしておくとよいでしょう。

CASE 5 ミニトマトが成長しない

「僕だけ実がならない」「特別に先生のものをプレゼントします」
イラスト/バーヴ岩下

→先生が育てているミニトマトをプレゼントする。

生活科の学習でミニトマトの苗を植えたのに成長しない子、実がならない子が出てきます。
 
原因としては、お世話を継続的にできていないこと、思わぬトラブルで成長できないこと等が挙げられます。
 
お世話が疎かになってしまった子には、次からしっかり育てることを約束させます。トラブルに巻き込まれてしまった子には、残念な気持ちに共感してあげます。
 
そのあと、先生の育てたミニトマトをプレゼントしましょう。育てる時には、子どもたちの分だけではなく、もしもの場合に備えて、余分に育てておきます。みんな収穫するのを楽しみにしています。だから、先生からの大サービスです。

CASE 6 かけ算の習得に、すでに個人差が生まれている

「さざんがく、さんしじゅうに」 「九九っておもしろい」 「私も早く覚えるぞ」
イラスト/バーヴ岩下

→得意な子を中心に、かけ算九九を楽しんで学習できる環境づくりをしておく。

かけ算九九は、二年生の算数の学習で最も大切な単元です。しかし、夏休みを前にしてすでに個人差が出てきています。九九を全て唱えることができる子もいれば、かけ算を全く知らない子もいます。

得意な子は、学校で習う前から九九の覚え方のイロハを知っています。二学期から一斉に学習するため、それ以前に歌ったり唱えたりすることを禁止する先生もいますが、子どものやる気や人に伝えたい気持ちを尊重して、クラス全体にかけ算の楽しさを広げるチャンスにします。遊び感覚で朝や帰りの会などで、得意な子を中心に歌や語呂合わせやゲームなどを紹介させ、クラスに少しずつかけ算ワールドをつくり上げていきましょう。


佐々木陽子(ささき・ようこ) 島根県松江市生まれ。子どもが主体的に動く声かけや学級経営にこだわり、独自のアイディアを多く持つ。 著書に『クラスがまとまる 小学生一年生 学級づくりのコツ』(ナツメ社)など。

『教育技術 小一小二』2019年7/8月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『クラス運営のヒント』の記事一覧

子供を「よく見る」とは? いつ、どこで?~5つの場づくりと3つの視点~

小学校教師は「子供をよく見よう」とよく言われます。しかし、教師の日常は非常に忙しく、ちょっとした休憩時間をとることも難しい状況。一方、「子供を見取る」ことが不十…

2020/1/18

保幼小連携&情報共有 おさえておきたい大切なポイントとは

幼稚園・保育所・こども園と小学校との引継ぎ会、情報共有会で取り入れたい実践法を俵原正仁先生が提案。お役立ちアドバイスやポイントを参考に、子どもへの愛を共有した有…

2020/1/13

三学期の総まとめにトライ!【4年3組学級経営物語20】

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。どう終わらせて未来につなぐのか…。「総まとめの三学期」は、子どもたちにも教師にも…

「いじめを管理職に報告したくない」教師の心理から見えてくるもの

長年、いじめや不登校の問題に正面から向き合い続けて来た現役教師が、クラスでいじめの情報をキャッチした時に担任がすべき具体的なフローを提案。たくさんの事例と向き合…

冬休み明けの子どもが喜ぶ!小学校低学年向けのぬり絵×2【プリント配付OK】

1月は雪で遊ぶ動物たちとお正月をテーマにしたぬり絵です。 ぬり絵があると、ちょっとした隙間時間も私語の時間にせずにすみますし、クラス全体の空気が落ち着いてきます…

給食と掃除のモチベーションを上げる9つの技【♯三行教育技術 】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育技術 のハッシュ…

今どきの子供心をつかむ!小学3~4年へのカウンセリング術

昨今、学校教育においても、子供の人格形成やさまざまな問題解決に有効なカウンセリング心理学に基づいたアプローチが注目されています。問題を抱えている子供と関わり、子…

笑顔がはじけクラスまとまる!楽しい「言葉遊びゲーム」4つ

寒い季節は、体調不良で欠席者が増えたり、外で思い切り遊べなかったりして、子供たちはストレスがたまりがちに。そんなときにおすすめの、少人数でも楽しめる室内遊びを紹…

少人数でもOK!体を動かし楽しめる室内遊び&ゲーム5選

外で思い切り遊べなかったり、体調不良で欠席者が増えたりする寒い季節、子供たちはストレスがたまりがちに。そんなときにうってつけの、少人数でも楽しめる室内遊びの紹介…

保護者に好評!上手な「学級だより・学年だより」の作り方

学級だより・学年だより(学級通信・学年通信)は、保護者の理解や協力を得るために、定期的に発行しておきたいものです。頻繁に学級だよりを書く先生は、毎週のように作成…

もっと見る