小3理科「ものづくりをしよう」指導アイデア

執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・塩盛秀雄
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦

単元のねらい

既習の内容を活用してものづくりを行う活動を通して、ものづくりに関する技能を身に付けるとともに、目的の物を完成させるための方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(一次 総時数5時間)

一次 ものづくりをしよう(5時間)

①② 計画を立てよう ~おもしろスイッチを作ろう~
③④ ものづくりを進めよう
⑤ 作ったものを発表しよう

単元デザインのポイント

目的を自ら設定する

ものづくりをするという大きな方向性は、教師から示すことになります。しかし、どのような目的で作るのか、作るためにはこれまでの学習をどう生かせばよいのかなどの部分については、子供自ら考えていくようにします。

また、自分の目的や経過についてふり返ることができるように、授業ごとに「ふり返り」が書けるようにするワークシートを準備してもよいですね。

【ステップアップ】 一人ひとりが作る → みんなで組み合わせる

もう1つステップアップするとしたら、一人ずつ作るのではなく、友達と協力して進める方法を取るのはどうでしょうか。自分の担当した部分の動きが次の友達が作った部分に関わってくるため、「つなげ方」にも工夫が必要になります。

風で車を進めてスイッチを直接押す仕組みにしよう。

私は鉄の棒を転がして、磁石で止める仕組みが作りたい。

矢印

鉄の棒を先に付けた車を風で走らせて、磁石でちょうど止まるようにしよう。

単元の導入

ものづくりに使えるものを集めておこう

活用するための引き出しを教師が整理しておくために、これまでの学習をふり返り、どんな性質や働き、使える道具があるのかを洗い出しておこう。

【性質や働き】

  • 風で動く
  • ゴムを伸ばすと遠くまで進む
  • 磁石は鉄を引き付ける
  • 磁石には極がある(N 極、S 極)
  • 電気を通す物と通さない物がある

【道具や材料】

  • 帆が付いた車
  • ゴムで動く車
  • 磁石と鉄球
  • 電池、導線、アルミホイル

ワークシート例

ワークシート例1

ものづくりに計画性をもたせよう!

ものづくりには、目的を設定し、それを達成していく取り組み方が大切になります。「こんな物をつくりたい」という「目的」や、活動後に「今日はどうだった」「次はこうする」という見通しやふり返りにあたる「ふりかえり」をワークシートとして用意するとよいでしょう。

活動アイデア

電気の学習からの発展として、「おもしろスイッチを作ろう」という大きな目標を共有します。そのなかで、これまでの学習や生活経験から具体的にどんなものを作るか、自分なりの目的を設定することで、「これまでのどんな知識が活用できるか考えよう」「もっと工夫できることはないのか改善しよう」といった子供の活動に取り組む姿、つまり主体的に問題を解決しようとする態度を育成しましょう。

授業の展開例

これまでの学習をふり返り、「おもしろスイッチを作ろう」という大きな目標をみんなで共有します。

【問題】これまで学習したことを使うと、どんな物ができるのだろうか。

【これまでの学習の想起】

・どんな力が使えそうか(「性質や働き」)
・どんな物が使えそうか(「道具や材料」)

といった視点でふり返り、いろいろなアイデアを引き出すようにする。

ワークシート例2
鉄の玉を転がして磁石で止めることができるかの実験

磁石の学習では、磁石は鉄を引き付けることを学んだから、鉄の玉を転がして、磁石で止めることができるかな。

だったら電気の学習で、金属は電気を通すって言ったから、その鉄の玉がスイッチ代わりになりそうだね。

【今日のふり返りと次回への見通し】

今日の授業について、自分の思いや考えを書きます。また、「これからどんなスイッチを作っていきたいか」という目的を設定したり、「次にどんな材料が必要か」という見通しを書いたりするようにします。

風で鉄球が動くか実験する

風で鉄球を押して転がし、そのまま鉄球が導線のところで磁石で止まるようなスイッチを作ろう。まずは風で鉄球が動くか試したいな。

指導のポイント

① 今回は少し限定して、「おもしろスイッチ」を作ることにし、単純なON、OFF のスイッチから、半自動スイッチを作ることを目標にします。これは、この学習からセンサーで自動にスイッチが入るプログラミングスイッチへのつながりをもたせるためです。

② これまでの学習や生活経験をふり返るために、どんな力が使えそうか(「性質や働き」)、どんな物が使えそうか(「道具や材料」)といった視点を絞って考えを出すようにすると、ものづくりのイメージをつかみながら進めることができます。


イラスト/たなかあさこ、横井智美

『教育技術 小三小四』2021年3月号より

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