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保護者会でも絵本の読み聞かせをしてみませんか

2019/6/10

みなさんは保護者会で絵本を読んだことがありますか?
一冊の絵本を読むだけで、保護者会のムードをつくることができます。大阪府追手門学院小学校講師・多賀一郎先生の解説をご紹介します。

読み聞かせ
写真/金川秀人

質の高い保護者会にするために

僕は「親塾」というものをしています。保護者のみなさんに、さまざまな教育の話をして、子育ての支援につなげています。比較的意識の高いおうちの方が多いのですが、その会に来られた方がときどき保護者会のことを話されます。
「行事予定を書いてある通りに読んでいくだけなのよね。行くだけの意味がないわ」
と言うようなことが話題に上がります。ただでさえ保護者会にはなかなか人が集まりません。こんなつまらないことをしていたら、保護者はますます来なくなってしまうでしょう。

特に最初の保護者会。先生も保護者も緊張しています。そんな時に一冊の絵本を読むと空気が変わります。

『おこだでませんように』

『おこだでませんように』
作/くすのきしげのり 絵/石井聖岳
小学館 1500円+税

一年生の乱暴者だと言われる子どもの心の動きを描いたお話です。
本人は一生懸命にしているのに、大人はそれを受け止めてはくれません。言われたことを守ろうとしているのに、大人には認めてもらえず、
「おこられてばっかりや」
そんな思いを七夕の短冊に書くのです。それが「おこだでませんように」なのです。
教師も保護者もこの絵本の子どもの叫びに、はっとさせられます。同じようなことを子どもに対してしてしまっていることに、気づかされるからです。
保護者会で読むと、お母さん方はたくさん涙を浮かべられます。
その後で、子どもの思いを受け止める話や、子どもにかける言葉についての話をすると、先生の言葉はおうちの方に伝わりやすくなります。

これこそ、あたためるということですね。

『ちいさなあなたへ』

ちいさなあなたへ
『ちいさなあなたへ』
作/アリスン・マギー 絵/ピーター・レイノルズ 訳/なかがわちひろ 主婦の友社

我が子は何物にも代えがたい大切な存在です。
そんなことはどんな保護者にもわかっていますが、ときどきその原点を忘れているということは、あるものです。
この絵本は、その思いをよみがえらせてくれるのです。絵本を読むと、あたたかいムードが流れます。
子どもに対する思いを改めて思い起こした保護者のみなさんは、子どもへの接し方も昔のような穏やかなものに変わるかもしれません。

『はやくはやくっていわないで』

はやくはやくっていわないで
『はやくはやくっていわないで』
作/益田ミリ 絵/平澤一平 ミシマ社

いろいろなペースで人は生きています。何かをする速さも全て違うのです。あせらないであわてないでその人間のペースに合わせて生きていけばよいのです。
シンプルで、幼い絵でこの絵本はそう語ります。

大人のみなさんにはどうかなあと思いながら保護者のみなさんに読み聞かせしました。反応は、肌で感じるものですが、僕が思っていたよりも、心に響いたみたいでした。この絵本でお母さんたちが泣いてしまうとは、思いませんでした。

よほど、ふだんから、
「はやくしなさい。はやくしなさい」
と子どもたちに言っているのでしょうね。

絵本って、すごいなあ。読み聞かせしてみないと、わからないものなんだなあと思った一冊です。

このように保護者会で絵本からスタートすると、教師の言葉は保護者の心にとどきやすくなるものです。


教えてくれたのは・・・

多賀一郎: 追手門学院小学校講師。神戸大学附属住吉小学校を経て私立小学校に30年以上勤務。「親塾」を各地で開いて保護者の相談に乗ったり、公私立小学校で指導助言や全国でのセミナーを通して教師を育てることにも力を注いでいる。

多賀マークの教室日記
http://www.taga169.com/

『教育技術 小一小二』2019年6月号より

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