信頼関係を築ける保護者会にするために
保護者に「来てよかった」と思ってもらえる、実りある保護者会にするためのポイントを紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・西田あすか
目次
安心感をもってもらうために
授業参観で子供の学校生活や授業の様子を見てもらったことを踏まえて、保護者会では、授業と関連した内容や授業では見られない生活の様子を通して、日頃の指導方針を具体的にくわしく伝えることで「この先生なら大丈夫」と安心感をもってもらうことが大切です。
保護者に、「学校に来てよかった」と思ってもらうためにも、担任として伝えたいことが明確になるように準備しておきましょう。また、担任から一方的に話すだけではなく、保護者同士の交流の場になるような工夫も必要です。
限られた時間のなかで、有意義な保護者会にするためにも、会の内容をプリントや黒板などに明記しておくとよいでしょう。
保護者会のプログラム例
- 子供たちの様子(成長した姿・課題となる姿)
- 一年生の学習のポイント
- 今後の予定(協力のお願い)
- 委員さんから連絡
- 保護者同士の交流・情報交換
前日までに
学級の保護者会の前に学年懇談会を行う場合は、学校や学年で形式をそろえる必要があります。共通理解する時間をとりましょう。
学年間で相談・確認
- 保護者会の内容や資料
- 教室内外の掲示物
- 一年の流れ(行事や学習)
名簿づくり
名簿をつくります。
名札づくり
名札をつくります。
当日
担任のあいさつ
和やかな雰囲気で保護者会が始められるように、授業と同様に、担任は笑顔で、親近感をもってもらえるようにするとよいでしょう。
学級経営方針や授業の意図
教師が学級経営を行うなかで、大切にしていることを具体的に伝えましょう。教師として明確なねらいと見通しをもって教育活動を行っていることを伝えることは、保護者の安心感につながります。
4月からのがんばりや成長を伝える
保護者は、学校生活の様子を見られません。子供のがんばりや成長は、具体の姿で伝えることが大切です。
保護者の名前が分かっていれば、個人のがんばりを伝えることもできます。「先生が○○な姿をほめていたよ。がんばっているね」と学校でも家庭でもほめてもらえると、自己肯定感が高まります。できるようになったことやがんばっている姿は、積極的に伝えましょう。
保護者同士のつながり
各家庭で困っていることや知りたいことなどを保護者同士で交流する時間を設けましょう。「自分の家だけではなかった」と安心することができたり、新しい情報を知るきっかけとなったりします。テーマを決めて、グループなどで話合いをしてもらうことも効果的です。
保護者同士で悩みや困り事を共有し、保護者同士のつながりをもてるようにしましょう。
欠席した保護者に対して
保護者会でどんなことが話し合われたのか要点をまとめ、子供を通して資料とともに渡しましょう。学級だよりなどで、授業の様子を知らせることもよいでしょう。
保護者に協力をお願いする場でもあります。学級のなかで見えてきた課題は、保護者と共有し、連携して改善していけるよう、理解や協力をお願いしましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年6月号より