小5国語「わたしの文章見本帳を作ろう」指導アイデア

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教材名:「わたしの文章見本帳を作ろう」東京書籍

指導事項:B「書くこと」 カ
言語活動:ア・イ・ウ

執筆/福岡県公立小学校指導教諭・副島康平
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「わたしの文章見本帳を作ろう」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

自分で書いた文章を読み返し、文章の種類に応じて書くときに気を付けたことなどを整理して、自分の文章のよいところを見つける力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元には「これまでに書いた文章を読み返して文章の種類を確かめ、文章見本帳を作る」という言語活動を位置付けます。子供は、これまでの書く活動を通して、目的や意図に応じて相手にわかりやすく伝える様々な文章を書いてきました。

ただ、教師が子供の書いた一つひとつの文章を評価する際、全てが整った完成された作品と捉えるのではなく、あくまでもその単元で付けたい力に限定し、欲ばらずに評価すべきものであると考えたいものです。

子供はこれまでに、感想文や記録文、手紙文など、様々な種類の文章を書く経験をしてきています。この時期に「これまでに書いた文章を読み返して文章の種類を確かめ、文章見本帳を作る」という言語活動は、本単元で育成を図る資質・能力「自分の文章のよいところを見つける力」(B「書くこと」カ)の育成にふさわしいものであると考えます。

単元の展開(3時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①これまでに書いた文章を読み返す活動と、そこでの学びとその価値を話し合う活動から、文章を書いた経験をこれからの学習に役立てる見通しにつなげ、単元を設定して学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】文章の種類や表現のちがいとそのよさを確かめよう

第二次(2時)

②文章の種類ごとに整理して分け、種類ごとに文章見本帳の扉のページを立て、自分の見本帳を作る。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(3時)

③できあがった文章見本帳を読み合い、文章のよさについて感想を伝え合ったり、これまでの学びを振り返ったりして本単元をまとめる。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 「わたし」という意識を重視した単元設定

主体的な学び

子供はこれまでに報告文、物語、感想文、短歌俳句、創作の詩、意見文を書くといった学習を経験しています。それ以外にも、普段の生活での日記や他教科等でも、文章を書く機会は少なからずあります。

そうした「書くこと」の経験やそこでの学びの価値についての話合いと、これから文章を書く際に役立つという「文章見本帳」の有用性を結ぶことで、「文章見本帳を作る」ことへの意欲が高められるようにします。

その際に大切にしたいのは、「わたし」という学びの当事者意識を薄めないことです。興味・関心や資質・能力の違う他の誰かと無理に形式や内容を合わせるのではなく、あくまでも「自分の」文章見本帳を作ることが、書いた文章のよさを見つける上でも極めて重要です。

さらに、できあがった「わたしの文章見本帳」は、これからの学びにも大いに役立つという思いと見通しにつながり、子供が学びに向かう原動力になります。これらのことを通して、「文章や表現の違いとそのよさを確かめて文章見本帳を作ろう」という目的と意図を明確にした単元を設定し、子供を主体的な学びへ誘います。

▼目的と意図を明確にした単元設定

アイデア2 種類ごとに分けた文章見本帳の扉作りで対話的な活動

対話的な学び

対話的な学びとは、子供同士が言葉を交わすだけの学びではありません。子供と教師、子供と文章、子供と筆者など様々な対話があります。また、活発に意見交流する学びだけでもなく、子供が他者の考えなどを静かに見つめ、沈思黙考することも対話的な学びと考えられます。

ここで気を付けたいのは、そのことを通して子供の考えが広がったり、深まったりしているかどうかです。対話的な「活動」をすることが目的にならないよう注意が必要です。

ここでは、これまでに書いてきた文章を種類ごとに分け、文章見本帳の扉のページを作る活動を設定します。その際、文章を書いた目的や意図を想起して、どんなことに気を付けて書いたのか、読み返すことで文章のよさに気付かせることが大切です。

▼文章見本帳の扉ページ例

物語は、人物や場所などの設定を考えて構成を工夫しました。読んだ人が楽しんでいたよ。この物語は、人物の行動や会話が詳しく書けたな。

感想文は感想をもった物事を詳しく書きました。自分の思いや考えを伝えることができたよ。読み返すと、その時の感動がよくわかるな。

アイデア3 文章見本帳を読み合って気付いたよさを伝え合う深い学び

深い学び
深い学び

ここでは、できあがった文章見本帳を読み合って、互いの文章のよさを伝え合う活動を設定します。個人がそれぞれ作った文章見本帳には、意見文や報告文、感想文や詩など、様々な文種が扉のページで区切られて収められています。

しかし、それらは個人のものであり、文章を書く上で大切なポイントについては、誰かと共有したわけではありません。まだ読み合っていない文章もあるかもしれません。

そこで、各自の文章見本帳を互いに読み合い、気付いたよさを伝え合うことで、相手や目的によって、どのような種類の文章で書くのがよいかを考えたり、自分では気付かなかった文章のよさに気が付いたりできるようにします。

他者の文章を読んだり、自分の書いた文章を読んでもらったりする経験は、言葉に対する見方や考え方を働かせることになり、深い学びにつながります。

なお、よさを伝え合う際には、気付いたよさを思い思いに伝えるのではなく、互いの伝えようとする相手や表そうとする目的、表現の意図などをふまえたよさへの気付きを伝えるようにします。そうすることで言葉への見方・考え方をいっそう働かせ、書くこつに迫ることができます。

報告文
相手…クラスの友達
活動の目的…運動に親しんでもらう

この報告文は、クラスのみんなに運動委員会の活動を報告したものです。全校の友達に運動に親しんでもらうという目的に沿って書きました。みんなの読んだ感想を教えてください。

確かにこの報告文は、活動計画や内容、活動して思ったこと(成果・課題)が、「運動に親しんでもらう」という目的で一貫して書かれているね。とてもわかりやすいな。

深い学びへ誘うヒント

相手や目的、意図に応じた文章の「よさ」を実感し、「こつ」に気付くことができるような対話の場が大切です。

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2020年3月号より

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