小5国語「一まいの写真から」指導アイデア

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教材名:「一まいの写真から」光村図書

指導事項:B「書くこと」 ウ
言語活動:イ

執筆/福岡県公立小学校指導教諭・副島康平
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「一まいの写真から」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

目的や意図に応じて簡単に書いたり、詳しく書いたりして、自分の考えが伝わるように工夫して、書き表す力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元では「1枚の写真から想像を広げて物語を書く」という言語活動を位置付けます。

教科書に載っている7枚の写真の中から、各々がまずお気に入りの写真を1枚選び、その写真に吹き出しを入れたり、付箋カードに書き込んだりしながら、自分なりに登場人物やそれらの気持ち、場所や時、そこでの出来事等の物語のイメージを膨らませます。

その後、想像したことをグループで自由に話し合い、質問したり助言したりする中で、物語の設定を確立していきます。

本単元末には、子供の書いた物語を集めて短編集を作りますが、まず子供たちには、1枚の写真から想像を膨らませた物語を書き短編にまとめ、互いに読み合うという明確な目的意識をもたせて、これまで学んできた表現の工夫やポイントを振り返りながら物語づくりができるようにします。

その際、物語の設定や出来事、表現や書き表し方、構成などに自分なりの工夫が表れるように、これまでに読んだ物語を参考にしたり、考えた物語の展開や構成について話し合ったりする活動を設定します。

また、必要に応じて構成表を用意し、「はじめ・なか・おわり」や「起承転結」を意識させながら、表現を工夫し物語を書くようにします。

これまでの経験・体験から想像力が広がり、既習の学習経験から表現に対する理解・意欲が高まるこの時期、子供はいっそう創造的な活動ができるようになり、本教材への興味や関心の高まりが期待できます。

単元の展開(5時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①いくつかの写真を見て思い付くことなどについて話し合い、経験したことや体験したことから想像を広げ、子供の興味・関心とこれまでの学習経験とを結んで単元を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】表現を工夫して物語を書こう

第二次(2~4時)

②物語の展開や構成を考え、構成表などにまとめる。
→アイデア2 対話的な学び

③読者をひきつけるような表現を工夫して、物語を書く。
→アイデア3 深い学び

④物語を読み直して推敲し、文や文章を整える。

第三次(5時)

⑤短編集を読み合って感想を伝え合い、自分の文章の内容や表現のよいところを見つけるとともに、これまでの学びを振り返って本単元をまとめる。

アイデア1 子供の欲求と学びの目的を結んだ単元の設定

主体的な学び

単元の導入では、写真を見て想像したことを話し合う活動を設定します。その活動を通してオリジナルの物語づくりの意欲を高めます。また、本単元を1年間の書く活動のまとめと位置付け、これまでの書く学習で身に付けた力と課題を振り返りながら学習問題につなげます。

その際、教師の書いたモデルやサンプル作品を読み、表現の工夫のよさを再確認させたり、様々な物語に触れさせたりすることで、「どのように表現を工夫すれば読み手をひきつけ、伝えたいことが伝わる物語を書くことができるのだろう」という問いを生起させ、単元を設定します。

▼学びの目的を結んだ単元の設定

学びの目的を結んだ単元の設定

アイデア2 物語の展開や構成を考えるグループでの対話的な学び

対話的な学び

「対話的な学び」とは、他者と言葉を交わすということだけではありません。自分自身の考えを見つめて言葉を問い直したり、書かれた文章と対峙して沈思黙考し、作者の意図などに考えを巡らせたりすることも、対話的な学びと言えます。

ここでは、子供が写真から想像を広げて書き出した物語の要素を、付箋紙等に書き出し、並べる活動を設定します。その後、書いた付箋紙やカードの並びをペアやグループで伝え合い、おもしろさを共有する対話活動を設定します。

その際、自分なりに工夫したところや展開のポイント等について補足しながら説明します。聞いた友達と感想の交流を通して考えを再構築させ、再度自分の構成表(下図)を見直すようにします。

▼物語の展開構成表

物語の展開構成表

現在-過去-現在という展開を工夫しました。山場は二人で勇気を出して道を尋ねるところです。最後には仲良くなります。

時間が前後するのがおもしろいです。二人はどうしてけんかをしたのですか。勇気を出して道を尋ねるところがおもしろそうなので、もっと詳しく知りたいです。

アイデア3 言葉への見方や考え方を働かせる教師の関わり

深い学び

ここでは、「伝えたいことが伝わるように」書くことができるよう、物語を書く際の表現を自分なりに工夫したり、改善したりする活動を設定します。書いたり推敲したりする行為は、言葉の意味や対象と言葉、言葉と言葉の関係を捉えたり、問い直したりすることになります。

そのことで、言葉に対する見方や考え方を鋭く働かせることができます。その際、教師は下記の発問や、子供の発言を関係付けることで、意図を大切にした表現であるという気付きや考えの広がりを促し、深い学びへ誘います。

▼言葉への見方や考え方を働かせる教師の関わり

できるだけなんでも例えを使ったり、様子を詳しく書いたりすることが、工夫するということでしょうか。

全部を工夫した表現にするのは難しいでしょう。それに、必要のないところで言い回しを変えると回りくどくて、反対にわかりにくくなると思います。

なるほど。表現の工夫は、必要に応じて行うということですか。では、何のために表現を工夫するのでしょう。

文章をよくして、読み手をひきつけ、読んでわかってもらうためじゃないかな。

みなさんが言っているのは、表現は自分の伝えたいことをより伝えるために、工夫する必要があるということですね。では、みんなが伝えたいことは何でしょうか。どんな表現にすればそれは伝わるでしょうか。

そうです。表現を工夫することで、相手に伝えたいことが伝わるといいと思います。そのためには……。

深い学びへ誘うヒント

主体的・対話的な学びを通して、深い学びを実現する「書くこと」の学習の場合、読み手をひきつける表現を工夫して書く「こつ」に、子供自らが気付くように指導することがポイントです。

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2020年3月号より

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