「コグトレ」でコミュニケーション力を育てよう〔対人マナートレーニング(謝るマナー)〕#9ダウンロードプリント付

連載
子どもたちの認知機能を高める 教室コグトレ
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立命館大学教授・一般社団法人日本COG-TR学会代表理事

宮口幸治
「コグトレ」でコミュニケーション力を育てよう〔この人たちはどんな気持ち?〕#2ダウンロードプリント付 バナー

9回目の今回は、コミュニケーション力の基本のスキルを養う「対人マナートレーニングのなかの〔謝るマナー〕にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」に着目したトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、社会面のトレーニング(認知ソーシャルトレーニング)を基に、感情を上手にコントロールしたり、相手の気持ちを考えたりするコミュニケーション力などを高めるトレーニングを紹介します。ダウンロードプリントを活用して、ぜひ試してみてください。

監修/立命館大学教授・宮口幸治

認知ソーシャルトレーニングとは

コグトレの認知ソーシャルトレーニングは、感情を統制する、危険を予知する、対人スキルを高める、問題を解決するなど、社会で生きる力を養うトレーニングです。以下の表のように「段階式感情トレーニング」「危険予知トレーニング」「対人マナートレーニング」「段階式問題解決トレーニング」など、4つのトレーニングから成り立っています。

コグトレ 表1

今回は、「対人マナートレーニング」のなかから、〔謝るマナー〕の課題を紹介します。

このトレーニングは、相手の気持ちや状況を想像してみることで、人と接するときに必要となる対人マナーを理解する力を養います。ここでは、単に正しい対人マナーを教えるのではなく、失敗する場面から考え、どのようにすると成功するかを子ども自身で考えるトレーニングをすることによって、人と接するときのマナーの向上をめざします。対人マナーの違いによって相手の人がどのように感じるかを想像させることで、適切な対人マナーとはどういうことかを理解し、対人マナーを向上させていきます。

〔謝るマナー〕にチャレンジ!

ねらい
対人マナーの違いによって相手の人がどのように感じるかを想像することで、人と接するときに必要となる対人マナーを理解します。

進め方
1 課題シートを提示し、まずは失敗した例を考えてもらいます。何と言ったのか、そして言葉以外では、どんなやり方をしてしまったのかについて、それぞれのテーマに必要とされるマナーを考慮しながら記入してもらいます。
2 次に成功した例について、どのようにしながら、どう声をかけたのかを考えて書いてもらいます。

※うまくいかないやり方、うまくいくやり方に正解はありません。否定したり、間違いを正したりしないで、子供たちに様々な意見を出してもらって、マナーについて考える機会にしましょう。
※言葉以外に、声をかけるタイミング、相手との距離、視線や身体の向き、表情、声の大きさ、話すスピードなども考えてもらいましょう。

 

課題シート

課題シート
課題シートをクリックで拡大、ダウンロードできます。

回答例:
失敗:消しゴムを折っちゃたよ!(へらへらしながら言う)
成功:ごめんね。わざとじゃないんだけど、Bさんの大切な消しゴムを折っちゃった。新しいのを買って返すね。

※想定される声かけは例です。この例を子どもたちにあげてもらう必要はありません。あくまでトレーニングを行う参考にしてください。

授業の進め方

進め方は以下の手順を参考にしてください。※詳しくは『子どもの認知能力をグングン伸ばす!マンガコグトレ入門』(小学館)をご覧ください。

『子どもの認知能力をグングン伸ばす!マンガコグトレ入門』(小学館) マンガ

  

宮口幸治(みやぐちこうじ)

立命館大学教授 一般社団法人日本COG-TR学会代表理事
京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰。医学博士、子どものこころ専門医、日本精神神経学会精神科専門医、臨床心理士。著書『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)が大ベストセラーになる。

取材・文・構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ、荻野琴美(オーデザインチャンネルズ)

出典:『社会面のコグトレ 認知ソーシャルトレーニング②対人マナートレーニング/段階式問題解決トレーニング編』(三輪書店)

 


『逆境に克つ力
~親ガチャを乗り越える哲学~』(小学館)

著/宮口幸治 ・神島裕子
新書判 192ページ

逆境に苦しんでいる子への支援のヒントが満載

どの親のもとで生まれたかによって子どもの人生が左右される現実をカプセルトイにたとえた「親ガチャ」という言葉。 『ケーキの切れない非行少年たち』の著者と気鋭の哲学者が、全ての人が幸せを追求できる社会のあり方を考えながら、逆境を乗り越えるための心の持ち方人生を切り開く力のつけ方を、哲学・精神医学・心理学の観点から具体的に提唱する。

『子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門』(小学館)

著/宮口幸治
A5判 224ページ

教室を舞台にしたマンガでコグトレの進め方を楽しく具体的に紹介しています。「コグトレを取り入れたいけれど、何からどのように始めたらよいかわからない」という方にもピッタリの1冊です。「コグトレ」の代表的な50種のトレーニングのねらいや進め方・ポイントなどを、マンガを交えて易しく解説。紹介する課題のワークシートはすべてダウンロード可能。

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