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教室の荒れを防ぐ!子供とのコミュニケーション~授業編~

2019/11/10

今年度の後半を子供たちと楽しく過ごすために、クラスを落ち着かせる「子供との関わり方」について考えます。この記事では、授業での子どもとのコミュニケーションの具体例をご紹介していきます。

監修/奈良県公立小学校教諭・小野領一、東京都公立小学校指導教諭・小島大樹

写真/金川秀人

子供たちの言動に「なぜ?」の視点を持つ

授業中の手いたずら、落書き、おしゃべり、姿勢の崩れ・・・。このような姿が見られたときにどのように対応していますか。直接「手遊びをやめなさい!」と指導してしまうこともあるのではないでしょうか。

しかし、これは子供の「授業が面白くないサイン」です。子供が先生に「面白くない!」と伝えてくれているのです。これを僕らは敏感に察知して、授業改善に生かさなくてはいけないのではないでしょうか。子供のせいにせず、子供たちは私たち教師が成長するためのチャンスをくれていると捉えるべきです。

おしゃべりに対する指導はどうでしょうか。一見おしゃべりをしているように見えても、実は子供たちは授業に関係のあることを話しているのかもしれません。隣の席の子に、先生が言ったことを確認しているのかもしれません。それなのに、このおしゃべりを「うるさい!友達に迷惑だろ!」などと注意してしまうと、子供は一気に冷めてしまいます。せっかくのやる気をそぐ言葉になってしまうので、子供はなぜ、今隣の子としゃべったんだろうと考える癖が必要です。意外と、子供が隣につぶやいた声が全体の学習内容の定着につながることがあります。

子供の言動に、なぜ?の視点をもつ
子供の言動に、なぜ?の視点をもつ

子供の表情、つぶやきを大切に拾って生かす

教師が発問をした後の沈黙。この意味は、なんでしょうか? もしかしたら、先生の発問の意味が理解できていないのかもしれません。子供は自信がないのかもしれません。考えている最中なのかもしれません。もっと考える時間が ほしいのかもしれません。ここでも、いろいろな可能性を考えることが大事です。子供の表情やつぶやきを大切に拾うことです。

時には、子供に「先生が聞きたいこと、わかった?」「今、みんなの前で自信をもって話せる人? 友達と相談したい人? もう少し考える時間がほしい人?」などと聞いてもよいかもしれません。子供が主役の授業になっていきやすくなります。

授業は教師と子供とでつくるものです。教師のパフォーマンスを見せる場ではありません。子供が成長しなくては意味がありません。そのことを念頭に置けば、見えてくるものが変わるのではないでしょうか。

子供が主役の授業
子供が主役の授業に!

子供の理解度を上手に確認する仕掛け

授業がわからなくなると、子供は一気に引いていきます。教師から離れていきます。そうならないようにするためには、学習内容が理解できるようにすることです。全体指導をしながら、個別で考えたり、作業したりする際には子供たちのノートをしっかり見ていきましょう。

しっかり見るとは、時間をかけてじっくりと見ることとは違います。子供たちの様子を瞬時に見ていくのです。その中で、この子はなぜ理解できていないのだろう、との仮説を立てて子供と接します。

個別指導でダラダラと説明していると、その子にとっては、周囲の子から理解していないと思われないかプレッシャーを感じます。教師にとってはよかれと思って説明しようとしたのに、そのプレッシャーから、子供はわかっていないのにわかった、と言ってしまうこともあります。だからこそ、あらかじめ仮説を立てて、短い言葉がけで済むようにしたいものです。

例えば、鉛筆が止まっている子には、「どうしたの?」と聞きます。「わからない」と答えが返ってくると思いますので、「今やることを確認してごらん」と課題を確認させていきます。自分のやっていることを言語化してふり返らせていくことで、自分を客観視して見ること(メタ認知)ができるようになります。

そうすると、子供たちは勝手に「あっ! わかった!」と自分で気付くことがあります。メタ認知できていないからわからない状態なのか、それともそもそも手順がわからないからなのか、ただ単に考えている最中なのか、そんなことを考えながら言葉がけすることが子供の力を高めることにつながります。

理解度を上手に確認する

子供が興味を持つような知的なネタを紹介

子供たちに先生は面白いと思わせることに加えて、先生の授業は楽しくてわかりやすいと感じさせることが大切です。しかし、すぐには授業の腕は上がりません。

そこで有効なのは、授業中、授業に関する面白い知的なミニネタを子供たちに紹介することです。今はネット等で調べれば、たくさん情報が出てきます。ただし、出典や信憑性などを明らかにし、その雑学があくまで数多くある説の中の1つだといったことを、子供たちにきちんと伝えることは忘れないようにしましょう。

知的ネタを紹介する

ダレてしまったときには友達と相談タイム

授業中にダレてしまう原因に、教師の発問がわからない、授業が面白くない可能性があります。発問がわからない、答えがわからないなどのときは、意図的に「友達と相談タイム」を設けてもよいと思います。発言や発問を途中で切り、「今までのことを友達と確認してごらん」と言うと不安が解消されます。また、この相談タイムの後に続けて、別の子との相談タイムを設けるということを取り入れると、話を聞こう、相談しようという集中力も高まります。

ダレてきたら友達と相談タイム
ダレてきたら友達と相談タイムを

子供たちの関わりを深める仕掛けと言葉がけ

挙手をして発表させようとしても、なかなか手が挙がらないことがあります。これは、子供たちは一生懸命やっても自信がない、もしくはわからないのです。自信がない原因は友達のことを気にしていることがあるし、友達の考えを知りたいということもあるかもしれません。

授業中、全員のノートや考えを把握しているのは机間指導をしている教師です。児童は友達がどんなことを書いているのか、わかりません。つまり、一番子供たちの考えを知って得をしているのは教師なのです。

ですから、子供がある程度ノートを書いたら、教室を歩いて友達のノートを見る時間を設定してはどうでしょうか? 書けなかった子にとっては、友達のノートを見て、自分の考えを整理することができるかもしれません。書けている子にとっては、新たな発見が生まれるかもしれません。

また、教師のねらい通りのことを書いている子がいれば、先生が大きな声で「○○さん、こんなこと考えているんだ。なるほどね」や「○○さんは、こんな細かいところまで観察しているんだ」と伝えてもよいと思います。子供たちは「どれどれ」とそのノートを見に来ます。

そんな活動を繰り返した後に、全体でどんなことを考えたか発表させます。すると、最初とは違い、挙手する児童が増えてきます。最初挙げなかった子供に指名し、発言させます。「なぜ、手が挙がるようになったの? 」と聞くと、必ず友達の考えが参考になったと答える子が出てきます。そこで教師が価値付けをします。

「友達と一緒にやったり、なるほどって思うことを見付けたりすると、自分も成長するんだね。(紹介された)○○さん、名前が出てきてどんな気持ち?」

と聞くと、悪い気はしないので「うれしい」などと答えるでしょう。こんな活動を授業の中でも繰り返していくと、友達のよさを認めることが形骸化しないのではないでしょうか?

友達同士の関わりをつくるには、形骸化してしまいがちなシステムにこだわらないよう、教師が常に仕掛けていくことが大事だと考えています。

友達同士の関わりをつくる声掛け
友達同士の関わりをつくる声掛け

授業中にザワザワしている時の指導法は?

授業中、子供たちが課題に静かに取り組んでいたらOK、ザワザワしていたらダメ、というように考えがちですが、実はそれが正しいわけではありません。

指導が必要な騒がしさなのか、子供たちの学習への熱量が高いだけなのか、などの見極めが必要です。どのような状態なのか、次のような整理の仕方も参考になるでしょう。

1.授業中、静かに学習に取り組んでいる時

■ 集中していて静か → プラスの静寂 

 これはOKです。

■ やる気がなく静か → マイナスの静寂

 これは×。

この場合は体を動かす活動が効果的。体を使ったアクティビティを取り入れることで、だらっとした雰囲気を打ち崩すことができます。

2.授業中ザワザワしてきている時

■ 熱中して騒がしい → プラスの騒がしさ

学習には前向きなので、その点に関しては大いにほめましょう。学びに対する子供たちの熱量を抑え込むのはもったいないことです。ただし、あまりにも個々に声が大きくなったり、メリハリが付けられないようだったりすると、騒然とした雰囲気になってしまう恐れがあるので、この点に関しては指導を入れます。

■ 私語が多くて騒がしい → マイナスの騒がしさ

これは断じて容認してはいけません。

もしクラスが荒れている、もしくは荒れそうな場合は、教師に不信感を募らせている子供たちは、「無駄なおしゃべりはやめなさい」といった教師の指導に対して、手厳しい「NO ! ! 」を突きつけてくるでしょう。明らかに反抗的な態度をとり、場合によっては教師に食ってかかってくる子供もいるでしょう。教師を露骨に無視する子供もいます。

そうした態度に関しては、無理に指導を入れようとしても、逆効果になってしまい、ますます子供たちとの関係が悪化してしまいます。指導よりも信頼回復する工夫を考えましょう。

しかし、生徒指導が著しく困難な児童だけが問題行動を起こしている場合は、別の手立てが必要となります。そういった子供たちに対しては一度か二度、短く指導をしてその後は指導しないといった「教育的無視」をとり、他の子供たちの学びを優先したほうがよいでしょう。

なぜなら、学級崩壊は生徒指導が著しく困難な児童が学級を崩すのではなく、それに感化されたり、教師の目が行き届かなくなったことで問題行動を起こすようになったりする中間層が学級を崩してしまうからです。

まずは中間層の子供たちの心をしっかりつかみ、育てていくことが大切なのです。

ざわざわの原因を見極める

取材・文/出浦文絵 イラスト/山本郁子

『小四教育技術』2018年11月号より

【関連記事】こちらの記事も併せてお読みください。
教室の荒れを防ぐ!子供とのコミュニケーション~登校時・下校時編~
教室の荒れを防ぐ!子供とのコミュニケーション~ 休み時間・給食・掃除編 ~

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