【相談募集中】学級崩壊を起こしたあの時、自分はどんな態度で臨めばよかったのか?

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髙橋朋彦の「トモチャンネル」
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学級崩壊・学級の荒れ:立て直しからリアルな緊急避難まで

千葉県公立小学校教諭

髙橋朋彦

学級崩壊の経験がある30代教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。学級崩壊から数年経た今でも、当時の対応に疑問が残っているそうです。この悩みに回答したのは高学年担任のプロ、トモチャンネルでもおなじみの千葉県公立小学校教諭・髙橋朋彦先生。自身も心がけているという5つの学級経営ポイントを挙げてくれました。その内容を紹介します。

写真AC

Q. 「しめる」ことができず、学級崩壊を招いてしまったと思っています

私は以前勤めていた学校で学級を崩壊させました。元々、問題が多い学年と聞いていて、他の先生方から「初日からしめたほうがいい」と言われていました。自分ではしていたつもりでも、実際は子供たちに振り回されてしまい、1学期末で辞めました。

結局、数年経た今でも「しめる」ことが分からずにいます。毅然とした態度でいなかったためだと思いますが、どうすれば、しめることができますか。そして学級崩壊を回避できるのでしょうか。(ぐみ先生・30代)

A. 信頼ベースの毅然とした態度なら、適度な緊張感ある学級経営につながります

ぐみ先生。質問ありがとうございます。問題が多い学年を担当されたこと。本当に大変であったと思います。

「しめたほうがいい」

というアドバイス。よく耳にするアドバイスだと感じます。ところで、「しめる」とはどのような意味なのでしょうか? おそらく、この場合で使われている「しめる」とは「締める」と書き、このようなことだと思われます。

「気持ち・態度などを緊張させる。また、管理を厳しくする。」

小学館「大辞泉」より

今回の場合、この言葉は、次のように捉えられると考えます。

「子どもに強い態度で接して、子どもを服従させる。」

このような「恐怖ベース」の捉え方だと、教員が常に叱り、恐怖で気持ち・態度を緊張させたり管理を厳しくしたりすることになるでしょう。

私が若手の頃は、子どもになめられないために学級を恐怖ベースで「しめる」ことが大事だと思っていました。その結果、はじめは子どもたちは私に従っていたものの、時間が経つにつれて気持ちが離れてしまいました。そして、教員に反抗し、学級経営が成り立たなくなってしまいました。

基本的に、恐怖をベースとした学級経営では、どのような学級でも成果を残すことは難しいと感じています。そこで、私は次の5つのポイントで、「信頼ベース」の学級経営を心がけています。

1. 関係性の構築

子供たちとの信頼関係を築きます。子どもたちの関心に関心を寄せ、理解できるように心がけています。また、子どもたちと一緒にいる時間を楽しんだり、子どもの困り感に寄り添ったりして、関係性を構築していきます。

2. 明確なルールの設定

学級に明確なルールを設定し、それを守ることを共通の目標とします。ルールは、子どもを縛るものではなく、学校生活が過ごしやすくなるためのものだと共有し、ルールを守るよさを味わわせる中でルールを定着させていきます。

3. 一貫性

ある行動に対するフィードバックや対応を一貫して行います。状況や子どもによって変えてしまうと、子どもたちは混乱してしまうからです。一貫性は基本的なスタンスですが、時と場合、子どもの特性によって変えていく柔軟性も持てるようにします。

4. ポジティブなフィードバック

よい行動や努力をした子どもたちには積極的にポジティブなフィードバックをし、その行動が増えるようにしていきます。ポジティブなフィードバックは、子どもを喜ばせるだけでなく、子どもが学級で生活するための行動の指針にもなります。

5. 支援の求め

一人で解決しようとせず、同僚や管理職、専門家などに相談することで、自分にはない視点や方法を得るようにします。必要であれば、人的な支援も求めます。


学級崩壊を回避し、子どもを成長につなげるために、これらのポイントを意識しながら日々の学級経営に努めています。

では、質問の内容にあった「しめる」ことは不必要なものなのでしょうか?
そうではないと思います。

子どもたちの気持ち・態度が緩んできた時、事故やトラブルが多発してしまいます。授業で成果の上がる学習にすることも難しいでしょう。ですので、時には子どもたちの気持ち・態度を緊張させることは大切です。

しかしそれは、恐怖ベースで子どもに強い態度で接して、子どもを服従させるというものではありません。信頼ベースで気持ち・態度などを適度な緊張感を持たせるということです。そのためにしていることが、

「大切なことが伝わるように伝える」

ことです。子どもたちに大切なことをハッと気付かせ、行動改善につながるように伝えていきます。

何も大きな声で怒鳴ったり、子どもを咎めたりする必要はありません。教師が真剣な表情で、真剣な声で、真剣な態度で、大切なことを伝えていきます。

また、ぐみ先生は、「毅然とした態度をとっていなかった」とのお言葉もありました。毅然とした態度って、とても難しいですよね。毅然には、

「意志が強くしっかりしていて、物事に動じないさま。」 

小学館「大辞泉」より

という意味があります。何も厳しくして恐怖を与えずとも、

「笑顔で譲らないこと」

で毅然とした態度を取ることができます。

恐怖ベースで学級経営をするのではなく、信頼ベースで学級経営をすることで、楽しいだけではない、適度な緊張感のある学級経営につなげることができます。

それでも、うまくいかないことはたくさんあります。そんな時は、自分の信頼できる人に弱音を吐いたり、楽しいことをしたりして自分のメンタルを保つことも大切だと考えます。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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