【相談募集中】適応障害から復職したのに、似た症状が出てきて不安です

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臨床心理士・公認心理師

大多和二郎

以前、適応障害で1か月休職した経験がある先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。最近、その頃に似た症状が出てきて不安に感じているそうです。教員向け法定研修でメンタルヘルス研修の講師をされている臨床心理士・公認心理師の大多和二郎先生からのアドバイスをシェアします。

泣いている先生

Q.以前適応障害で1か月休職しました。再び似た症状が出て不安でたまりません

前に適応障害で3か月の病気休暇1ヶ月の休職をしました。あれから2年が経ち、そろそろ3年目も終わるという矢先に、再び、あの頃に似た症状が出始めていて、不安でたまりません。

学年や子供たちに迷惑がかかり、同僚からも白い目で見られているような気がして、出勤道中や子供の帰った時間から始まる放課後業務をし始めると吐き気や動悸がします。

私としては1、2週間のお休みで、何事もなかったかのように出勤できたらと願うばかりですが、どのようにそのことを上司や学年に言えばいいのか悩みます。(るぅ先生・女性・20代)

A.同じような症状でも同じことが起きるとは限りません。早めに対処しましょう

以前、適応障害で休職した経験があって、現在再び「あの頃に似た症状」が出始めて不安とのことですね。

適応障害はストレス等によって心身の不調が症状として出てくる障害です。同じような症状が出てくると、「また同じことが繰り返される」と、自己暗示をかけてしまいがちなので注意してください。同じような症状がでてきたからといって同じことが起こるとは限りません。ストレスによる心身の不調は体調に出たり、精神面に出たり、行動面に出たりします。ストレスで胃腸障害を起こす人もいるし、ストレスで意欲低下する人もいるし、ストレスで睡眠障害を起こす人もいます。それらの組み合わさった症状もあります。ストレス反応は「その人なりに出やすいところ」があるのです。症状が似ているからと言って「またあのときと同じことが起こる」と思い込まないように注意しましょう。

もう一つ気をつけなければいけないのは、ストレスにより不安症状がでてくると、気持ちが挫けやすくなり、悲観的に物事を考えるようになりがちだということです。これから悪いことが起こるような気がしてくることが多くなりがちです。そして、自信も低下するので、こんな私のために人に迷惑をかけてはいけないなどと思い、悩みを抱え込みがちです。

不安→自信の低下→迷惑をかけてはいけないと焦る→抱え込み孤立→もっと不安になる

以上のような不安の悪循環が起こりがちです。

まずは、すでに心身のストレス反応が起こってしまっているようですので、上司に心身の調子が良くないという現状を具体的な症状とともに報告します。「ここのところ動悸、吐き気、なんとなく不安感があります。できるだけご迷惑をかけないように、少しお休みをいただいて、体調回復を心がけたいと思っています」という感じで伝えてみましょう。学年の先生にも調子が良くないことを伝えておきましょう。言い訳に取られないか不安かと思いますが、正直に自分の不調を話すと、多くの人はサポートにまわってくれます。以前の経験から、自分の不調に早めに気づけたのですから、回復のためにも早めの対処が大切だと思います。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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