小3国語「これがわたしのお気に入り」指導アイデア

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教材名:これがわたしのお気に入り(光村図書 三年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(2)イ〔思考力、判断力、表現力等〕B(1) ウ、オ
言語活動:(1)

執筆/福岡教育大学附属小倉小学校教諭・中山卓海
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・花田桂子

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

自分の考えと、それを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫する力と、書こうとしたことが明確になっているかなど、文章に対する感想や意見を伝え合い、自分の文章のよいところを見付ける力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元には「自分のお気に入りの作品を紹介する文章を書き、学級の友達と読み合い、感想を伝え合う」という言語活動を位置付けます。

この一年間に、子供たちが国語科や図画工作科などで作った作品についてふり返り、友達に紹介したいお気に入りの作品について選ぶなかで、作品のよさや紹介したい理由を明確にします。

紹介する文章として書く際には、友達に作品のよさと紹介したい理由が伝わるように、段落の構成や理由を表すための「理由を明確にする表現」を工夫する必要があります。

また、書いた文章を読み合う活動では、書こうとしたことが明確に表現されているところに注目させて、互いの文章のよいところを見付けて、感想を書きます。自分の文章に対する感想を読むことで、自分の文章のよいところに改めて気付くようにします。

本単元は、三年生の「書くこと」の学習で学んできた文章表現の工夫を十分に想起させることで、子供がより主体的に文章表現を工夫したり、友達の文章のよいところに気付いたりする学習が成り立ちます。

また、国語科や図画工作科で作った作品のよさをふり返ることで、一年間の学習における達成感や自らの成長を実感できる単元となっています。

単元の展開(12時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①②三年生で作った作品についてふり返り、単元「お気に入りの作品を紹介する文章を書き、感想を伝え合おう」を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】お気に入りの作品を紹介する文章を書き、感想を伝え合おう。

第二次(3~9時)

③④紹介したい作品を選び、作品について書き出す。
→アイデア2 対話的な学び

⑤⑥書き出したことを基に、構成表を作る。

⑦⑧⑨紹介する文章の形式を確かめ、書き表し方を工夫して文章を書く。

第三次(10~12時)

⑩⑪紹介する文章を読み合い、内容と表現のよさを見付けて感想を伝え合う。
→アイデア3 深い学び

⑫学習をふり返り、単元のまとめをする。

アイデア1 「書いて紹介したい」という思いを高めるための導入の工夫

主体的な学び

「自分のお気に入りの作品を選び、紹介する文章に書いて伝えたい」という思いを引き出すために、この一年間に国語科や図画工作科でどのような作品ができたのか、その作品を作ったときの思いを想起させる場を設定します。

一年間の作品をふり返りながら、作ったときの楽しさや完成したときの感動、友達や家族の反応などを友達と伝え合う活動を通して、自分の作品についての思いを高めることができます。

また、年度末という時期でもあり、事前に、子供たちが一年間で作ったものをまとめた作品集を作り、その作品集を見返す活動を基に、お気に入りの作品に対する思いを引き出す方法も考えられます。

学習課題を設定する際には、紹介する文章を書くことの目的を確かめることが重要となります。そこで、実際に教師が作成したモデル文や教科書に載っている紹介文を読むことを通して、「お気に入りの作品のよさを伝える文章を書く」という目的を話し合う活動を設定します。

作品についてのくわしい説明や、作品を作ったときの思い、完成した後の周囲の反応など、作品を見せるだけでは、伝えきれない内容を文章に書いて伝えるという、紹介する文章のよいところを実感することが大切です。

▼作品集や作品の写真などを見返す活動

作品集や作品の写真などを見返す活動

図画工作科では、紙版画をしたな。たくさんの材料を集めて、そのなかから海の様子になる材料を選んで作ったよ。自分の思い通りに作れてうれしかったな。

アイデア2 文章に書く事柄や構成を明確にするためのグループ活動

対話的な学び

紹介したい作品を決めた後に、その作品についての説明や紹介したい理由を書き出す活動をします。このとき、マッピングなどの思考ツールを活用して書く事柄を集めます。

ある程度、作品についての情報を書き出すことができた後、グループで交流し、もっと知りたいことや、興味のあることなどを詳しく聞き合う活動を設定します。

マッピングを活用することで、情報が可視化された状態で話し合うことができるため、話合いが苦手な子供でも、マッピング上の言葉を示しながら詳しく聞きたいことを質問できます。また、質問に答えることで増えた考えをすぐに書き加えたり、修正したりすることも可能です。

書きたい事柄を決めた後に構成表を作る際にも、同じようなグループ活動を取り入れることで、紹介する文章に書く事柄や文章の構成を明確にすることができます。

▼マッピングを活用する

マッピングを活用する

「海の世界を作った」って書いているけど、どんな生き物がいるの? どのような材料を使って作ったの?

海の生き物は、魚やタコを作ったよ。材料はなんだったかな。作品をもう一度よく見てみないと分からないな。

↓質問に答えた後に気付いたこと

材料は、画用紙とネットやモール、紙皿を使ったんだった。材料のことと、完成してうれしかった気持ちを紹介文に書きたいな。

アイデア3 言葉による見方・考え方を働かせて、文章のよさを見付ける活動の工夫

深い学び

書いた文章を読み合い、感想を伝え合う際には、「作ったときのうれしさが伝わりました」「○○さんの作品のよさが分かりました」などの内容に関する感想が多くなってしまいがちです。

子供が、内容だけでなく書き表し方に目を付けて、文章のよいところを伝え合うことが大切です。

そのためにまず、文章のよいところを見付けるための観点を確かめます。グループで読み合う前に、学級全体で教科書のモデル文を読み、文章の内容や表現のよいところを出し合う活動を設定します。

一つの文章について学級で見付けたよいところを出し合い、それが内容に関することなのか、表現に関することなのかを区別することで、文章を読むための観点を確かめることができます。

また読み合いの際に、付箋紙を用いて文章の内容と表現のよいところを見付けさせます。このときに、内容に関する感想はピンクの付箋紙に書き、表現に関する感想は青色の付箋紙に書くなどの決めごとをしておきます。片方の色だけが多くならないように、内容と表現のよいところをバランスよく見付けるように促します。

また、ここでのねらいは、友達の文章のよいところを見付けることだけではありません。自分が書いた文章に対する感想や意見を受けることで、自分が書こうとしていた事柄が明確になっているかどうかが分かり、自分の文章のよいところに気付くことができます。

このような経験を通して、自分や友達の文章で用いた言葉への自覚を高めることで深い学びを実現します。

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2021年2月号より

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