小2算数「100より大きい数」指導アイデア(1/10時)《100を単位とした数の見方》
執筆/富山大学人間発達科学部小学校・細江孝太郎
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、前・富山県公立小学校校長・中川愼一
目次
本時のねらいと評価規準
(本時1/10時 単元の導入)
ねらい
10のまとまりの見方を基にして、100を単位とした数の見方について考える。
評価規準
大きな数を数えやすくしようとして、10のまとまりを基に100のまとまりをつくって考えている。

問題
星はなんこありますか。
(ワークシートを配付し、数える時間を確保する)
星はなん個ありましたか。
265個です。
でも、数えるのが大変でした。
何が大変だったのですか。
たくさん数があって、数えにくかったです。
途中で間違えて、数え直してしまいました。
もっとうまく数えられるといいんだけどな。
大きな数のうまい数え方を考えていきましょう。
星が全部で265個あることをはっきりさせます。先に答えを明らかにすることで、どの子も安心して、「どのように数えたのか」「よりよい数え方はないか」という「数え方」に焦点を絞って話し合うことができます。
学習のねらい
大きな数のうまい数え方を考えよう
見通し
2や5などの数のまとまりをつくっていけば、うまく数えられそうだ。
10のまとまりをつくっていけば、よりうまく数えられそうよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
数をとなえながら、1個ずつ数えている。 2個ずつや5個ずつで、数えている。
B 素朴に解いている子
10のまとまりを26個つくって数えている(一年生の学習を基に、10個のまとまりをつくっている)。
C ねらい通りに解いている子
100のまとまりを2個と10のまとまりを6個つくって数えている(10のまとまりをまとめて、100のまとまりをつくっている)。
学び合いの計画
「10のまとまりをつくって数える」「100のまとまりをつくって数える」など、それぞれの数え方にはその子なりの理由があります。発言者には「どうしてそのように数えたのか」を、聞いている子供たちには「その数え方をしたらどのようなよさがありそうか」を尋ねるようにします。
そのような学び合いを通じて、100のまとまりのよさに気付かせて、「265は100が2個、10が6個、1が5個」という数の構成的な見方ができるようにしていきます。
本時の子供のノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
どのように数えましたか?
10のまとまりをつくって、線で囲んで数えました。だって、前に学習したように、10のまとまりをつくって囲んだら早く数えられるからです。

私は、10のまとまりを10個まとめて、100のまとまりをつくって線で囲みました。

なるほど!
何が「なるほど」と思ったのですか。
100のまとまりをつくれば、早く数えられるし、あとから見たときになん個あるのかが分かりやすいからです。
100のまとまりをつくれば、100が2つで200とすぐ分かります。
10のまとまりを基にして考えていくと、数えやすくなるね。

本時のまとめ
大きな数は10や100のまとまりをつくって数えると、うまく数えることができる。
評価問題
クリップが325個あることが一目見て分かるように、まとまりをつくりましょう。
解答
100を3つ、10を2つ、線で囲んでいる。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
線で囲んだ 100のまとまりを3つつくっている。
感想例
- たくさんの数を数えるときには、100のまとまりをつくるとわかりやすいです。もっと大きな数も100のまとまりをつくって数えてみたいです。
- 10を10まとめると100だから、10のまとまりの考えと100のまとまりの考えはにていると思います。
イラスト/松島りつこ・横井智美
『教育技術 小一小二』 2020年6月号より