オンライン指導は「子供の状況把握が難しい」 「集団活動ができない」などが課題【教育ニュース】

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先生だったら知っておきたい様々な教育ニュースについて、東京新聞の元教育担当記者・中澤佳子さんが解説します。今回のテーマはオンライン指導における課題についてです。

執筆/東京新聞記者・中澤佳子

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写真AC

教委や学校が作ったプリント、テレビ放送、同時双方向型のオンライン指導などを文科省が提示

新型コロナウイルスの感染拡大を機に注目を浴びている、オンライン教育。多くの学校が否が応でも取り組んだことでしょう。

過日、政府の規制改革推進会議の「雇用・人づくりワーキング・グループ」の会合でも、オンライン教育について議論されました。文部科学省は各校が長期休校中に行った指導の調査結果やオンライン教育を巡る説明の資料をまとめ、成果と課題にも触れました。

まず文科省は4月10日、休校の長期化を見据え、指導計画を踏まえた家庭学習を課し、教員が成果を確認できれば、学習評価に反映できると各教育委員会などに通知。そのうえで具体的な学習例として、教委や学校が作ったプリント、テレビ放送、同時双方向型のオンライン指導などを示しました。

現場ではどんな指導をしたのでしょうか。調査結果を見ると、どの学校種も圧倒的に多いのが「教科書や紙の教材」。小中学校は100%、高校でも99%に上ります。「テレビ放送」「教委が作った学習動画」「その他のデジタル教材」は20~30%台にとどまりました。「同時双方向型のオンライン指導」は高校では47%ですが、小学校は8%、中学校も10%。義務教育段階ではあまり広がらなかったようです。文科省は効果として、学びの保障、教師と子供のつながりの確保、不登校の子も授業に参加しやすいなどを挙げた一方、子供の状況把握が難しい、集団活動ができない、本人の意欲や家庭環境の影響が大きいなどの課題があると見ています。

教員と子供、子供同士などの交わりが重みを増す

学校は再開したとはいえ、他の感染症や自然災害で登校できなくなる事態は今後もありえます。ICTの活用を前提に、これからの教育のあり方が検討されているのもそのためです。デジタル教科書や休校時のオンライン指導にとどまらず、不登校や入院中の子、離島や僻地の学校での遠隔授業、大学や海外の学校との交流、外部の人材や専門機関との連携が進むことも期待できる、と指摘。さらに個々の学習履歴をデータとして蓄積し、指導や子供自身のふり返りに活用することも見据えています。

ただ中央教育審議会は10月、これからの教育に関する中間まとめで、「デジタルかアナログか、遠隔か対面かといった二項対立」ではなく、場面や発達段階に応じて組み合わせる「ハイブリッド型」の必要性に言及しました。

ICTは今後、学校教育に不可欠だと認めつつ、技術が急速に進歩する時代だからこそ、教員と子供、子供同士といった人間同士の交わり、社会でのさまざまな体験活動など、自分の感覚を通した学びの重みが増すということです。

対面、オンライン、そして双方の組み合わせ。今後、教え方は多様になるでしょう。だからこそ、まずは子供たちに身に付けさせたい力をそれぞれの学校が明確にしておき、その力を伸ばすのにふさわしい手段を考えることが求められます。

『教育技術』2021年1月号より

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