学級懇談会の保護者向け挨拶文例【樋口綾香先生の音声つき】#先生のための先生のお話

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樋口綾香

学級担任の印象を左右する保護者への挨拶、どんなことを話すかもう決めていますか? この記事では、みんなの教育技術でも大人気の樋口綾香先生の、学級懇談会時の保護者への挨拶例を紹介します。初めて対面する保護者との懇談で心がけることはどんなことか。ぜひここで学んで、自分らしい挨拶で信頼関係を築いてくださいね!

先生のための先生のお話

この記事は、音声プラットフォームVoicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」の取組です。ここで紹介する挨拶文は樋口綾香先生のVoicyで聞くことができます。間の取り方や声色など、子どもたちの前で実際に話す時の様子がイメージしやすい音源になっているので、ぜひ参考にしてください。

保護者との距離を縮める最初の挨拶

では、学級懇談会を始めます。保護者の皆様、こんにちは。
この度、5年1組を担任することになりました樋口綾香と申します。どうぞよろしくお願いします。
お忙しい中、学級懇談会へご参加くださり本当にありがとうございます。本日は短い時間ですが、有意義な時間になるよう努めたいと思います。【POINT1】

私からは3つお伝えしたいことがございます。その後、質疑応答の時間もございますので、何かお知りになりたいことがあればその時にお知らせください。【POINT2】

では、まずは学年経営方針についてお話しします。5年生は6年生とともに学校を代表して活動する機会が増えます。行事等では学級を超えて協力したり、役割に立候補したりすることもありますので、より一層、主体性や協調性を発揮して学校生活を充実させてほしいと願っています。その願いを学年便りのタイトルに込めました。タイトルの名前は「切磋琢磨」です。切磋琢磨とは、学問も人徳もより一層磨き上げることという意味だそうです。仲間と共に楽しみながら勉強も人間性も磨き上げて、立派な6年生になってほしいと思っています。

次は、学級経営方針についてお伝えします。始業式から2週間が経ちました。第一印象は、とてもおとなしくて、子どもたちの緊張している様子がありありと伝わってきていましたが、 今では係活動でイベントを企画したり、休み時間に男女関係なく運動場で遊ぶ姿も見られてきて、新しいクラスにだいぶ慣れてきたんだなということを感じているところです。

学習面は、非常に前向きで一生懸命取り組んでくれる子が多いです。でも、 ちょっと自分の考えに自信がなかったりとか、自分の考えを友達に伝えられない、そういう子どもたちがいます。5年生ですので、だんだんと子どもたちも気持ちが大人になってきて、自分の考えが友達と違ってたらどうしようとか、一生懸命発言する姿がちょっと恥ずかしく感じてくるというか、そんなふうに周りの目を気にしてしまう子が出てくるのも5年生の特徴かなという風に思います。

ただ、私は、自分の考えを持つこと、それをしっかり相手に伝えることで、伝えられた方はその考えを受け入れること、自分との違いを楽しむこと、そういうことが学習においてすごく大事なんだ、素敵なことなんだということを繰り返し伝えていくことで、子どもたちが自分の考えをしっかり伝えられるようになっていけばいいなと思っています。子どもたちの学習の様子や、一人一人の思いというのをお家の方とも共有したいと思っていますので、また学級通信の発行を楽しみにお待ちください。

では、最後は私から保護者の皆様へお願いという形でお話しさせていただきます。5年生になって、子どもたちの行動範囲や人間関係は、より一層広がっているのではないかと考えられます。教師も、そして保護者の方にも見えないところというのはどんどん広がっていくもので、今は1人1台タブレットもありますし、スマートフォンの所持率もかなり高くなっています。子どもたちの生活の範囲というのは、昔に比べてとても広いものになっています。だからこそ、 お家の方にしっかり子どもたちを導いていただきたいと思っています。 もちろん学校でも指導はしますし、丁寧に寄り添っていきたいと考えていますが、お家の方と学校とが協力して子どもたちの成長を見守りたいと思っています。

また、反抗期に入っていたり、思春期まっただ中で、なかなか自分の話をしてくれないという子どももいるんじゃないかなと思います。その時には、学校に遠慮なくご連絡いただいて、学校の様子を聞いていただいたり、困っていることを共有していただいたりすると嬉しいです。逆に、私からお家の様子を聞いたりとか、ちょっと気になることがあったら連絡を差し上げることもあるかと思います。多感な時期ですので、そのタイミングを逃さないようにしっかり見取りを進めていきたいと思うので、ぜひお家の方にも何か様子が変わったことがあれば、その都度連絡をいただけますと幸いです。【POINT3】

5年1組の担任を精一杯責任を持って務めますので、どうか皆さんご協力のほどよろしくお願いします。それでは、私からのお話はこれで終わりになります。皆さんからご質問ありますでしょうか。この後もしばらく私は教室におりますので、個別でお話がありましたら、どうぞ遠慮なくお話しください。それでは、これで学級懇談会を終わりにします。どうぞお気を付けてお帰りください。

ありがとうございました。

【POINT1】第一印象を大切に

まず初めにしたのが自己紹介ですが、自分の名前をしっかり名乗ることはもちろん大事ですが、その時の姿勢や表情などの方が実は大事。保護者の方への第一印象で失敗すると、なかなか取り払えないのが現実です。例えば、姿勢が悪い、メモばかり見ている、目が泳いでいる、声が小さくて聞こえない、などは信頼感を損ねてしまう可能性があります。とにかく声に張りを出し、前をしっかり向き、参加されている保護者の方全体を見渡すようにしましょう。学校によって机の配置などのルールは異なりますが、私の場合、担任が保護者全員に話をする基本的なスタイルにしています。

【POINT2】話の内容を明確に

次に、3つ話したいことがあると伝えました。だらだらやってしまうと、取り留めのない学級懇談会になってしまい、保護者の方は何を聞きに来たのかわからなくなってしまいます。そこで、先生が何を話しているのかという見通しを持ってもらいながら聞いていただくようにしたのです。1つ目は学年方針、2つ目は学級経営方針、3つ目は保護者の皆様へのお願いという順番でお話ししました。

5年生は宿泊学習など学年で行動することが増えるので、学年方針から話すことにしました。学年で目標を共有することで、保護者の方も安心感を持てるのではないでしょうか。学級経営方針では、私が何を大事にしている人なのかを伝えたいと思い、子どもたち一人一人が自分の考えを持ち、それをしっかり伝えられるようにしたいという思いを強く主張しました。この思いは1年を通して同じ必要はないと思っていて、学期ごとに子どもたちの成長に合わせて目標をステップアップさせていく様子を伝えることが大切だと考えています。

【POINT3】保護者との協力関係を築く

最後は、保護者の皆様へのお願いという形でお話ししました。 担当する学年の子どもたちの発達段階や特徴を見据えて、プラス面だけでなくマイナス面の可能性にも触れておくのがよいでしょう。私が懸念したのは、1人1台端末の時代になって子どもたちの人間関係が複雑化していることです。教師の目の届かないところが増えているからこそ、保護者の皆さんの力を借りたいとお伝えしました。

学校の先生は忙しくて大変だという意識から、保護者の方が学校に連絡することを躊躇されるケースもあるようです。でも、指導のタイミングを逃してしまうと、もっと大きな問題に発展してしまうこともあります。だからこそ、遠慮せずに相談してくださいとお伝えしておくだけでも、保護者の方の気持ちは楽になるのではないでしょうか。保護者の皆さんの立場に立って、どうするのがいいかを考えて学級懇談会で伝えてみてください。

以上、学級懇談会での挨拶のポイントについてお話しました。第一印象を大切にすること、話の内容を明確にすること、そして保護者との協力関係を築くことを意識して、学級懇談会に臨んでいただければと思います。このお話が、みなさんのお役に立てれば嬉しいです。

先生は「お話」をする機会が多い職業ですよね。授業開きや行事でのお話、身体を動かすことや読書の魅力を伝えるお話……みなさんの中にあるとっておきの「お話」を、全国の先生にシェアしてくださる方はぜひ、Voicyとのコラボ企画「#先生のための先生のお話」(お話本編と、解説編とで収録をしてください)にご参加ください。

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