安全点検【わかる!教育ニュース#45】

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中澤記者の「わかる!教育ニュース」
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先生だったら知っておきたい、様々な教育ニュースについて解説します。連載第45回のテーマは「安全点検」です。

子供の行動、状況の変化、設備の劣化などを視点に安全点検

安全であるはずの学校も、設備や機器の使い方や、校内に置いた物の状況次第で、危険な場所に変わります。事故を未然に防ぐには、日ごろからの目配りが欠かせません。でも、広い校内のどんな場所、どういう状態に目を向ければよいのでしょうか。
文部科学省はこのほど、校内の安全を保つための考え方や確認するべき点などをまとめた安全点検要領を作り、専用サイトで公開しました(参照データ)。日常的な確認をするのに重要な視点として、子供の行動、物の移動を含めた状況の変化、機器や設備の劣化、損傷の3つを挙げています。いずれも事故につながるリスクをはらんでいるものです。
休み時間、授業、給食など学校生活の場面ごとに、意識する点も示しました。授業では、教材や用具が整備されているか。子供たちは用具などの扱い方を理解しているか。給食時なら、食事や食器を運ぶ通路に危険はないか…などです。不審者侵入や自然災害への備えも指摘。不審者対策の場合、校門や錠の損傷、警報装置の作動状況を挙げています。
過去に起きた事故の発生状況や原因に関するデータを踏まえ、点検時の留意点も説明。教室や廊下の窓の近くに足場になる物はないか。下駄箱の転倒対策は十分か。窓の鍵やロッカー、床面などの具体的な点検ポイントを説明し、チェック頻度も示しました。 とはいえ、内容は膨大。そこで今回、点検のポイントを解説した動画も作られました。窓、遊具、サッカーゴールなど計12か所を取り上げ、考えられる危険や確認するべき点、点検後の対応を1分ほどの短さでまとめてあります。

安全点検要領には、点検で使うチェック表も例示

文科省は2016年3月、学校事故対応についての指針をまとめ、事故を未然に防ぐとともに、起きてしまった場合は適切に対応するよう促しました。ところが、被害に遭った子への支援が十分でなかったり、死亡事故を国に報告していなかったりするなど、不適切なケースがあったことが判明。問題視した同省は、効果のある取組を進めようと、22年度から有識者会議を設けて、指針の見直しに向けた議論を重ねました。  
今回まとめた点検要領は、点検方法の確認に使うだけではありません。過去の事故やヒヤリ・ハット例、先進的な取組の紹介もあり、事故防止の考え方を学ぶ「参考書」としても使えます。また、点検で使うチェック表も例示。学校それぞれの実情に合ったチェック表を作った上で、集計のデジタル化を求め、効率的に作業するよう促しています。 大勢の子供たちに目を配りながら、校内の隅々を確認するのは大きな負担でしょう。具体的な基準を挙げた点検要領は、教員の負担軽減とともに、外部人材の活用につなげることも期待しています。子供が1日の大半を過ごす場所の安全を守ることは、子供一人一人の成長を守ることに結び付く。そんな思いも感じます。

【わかる! 教育ニュース】次回は、4月30日公開予定です。

執筆/東京新聞記者・中澤佳子

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