ディスクを使ったパスパスゲームの次は、何をしたらいいの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #98】

前回はみんなが楽しく参加できるゴール型ゲームとして、パスパスリレーを紹介しました。体育の授業で初めてディスクを扱うことで、ワクワクして学習に取り組む子どもたちの姿が見られたのではないでしょうか。パスが遠くまで届きやすいことや、落下や移動がゆっくりなのがディスクの長所です。そのため、パスをつなぎやすく、ゴールを目指す動きを学ぶのにピッタリの教具です。
今回は、ディスクの投捕がうまくなった後の教材として、守備者を入れた攻守交代型のディスクゲームを紹介します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・倉光陽司
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川譲
目次
1.3対1のディスクゲーム
ディスクを持たないときの動きを身につけやすいよう、コーンボールやバスケットボールと同様に、攻撃側の人数が2人多いゲームをします。ディスク保持者から見ると、守備者にマークされていない味方が必ず1人はいることになり、パスの選択肢を確保できます。
⑴ 場の設定
ディスクの長所を十分に生かすために、コートを広くする必要があります。攻撃する人数✕5mを目安としてスタートラインの長さを設定するとよいでしょう。また、スタートラインからゴールラインまでの距離を20mに設定します。

1つのコートが広いので、学校によっては数コートを横並びに設置することが難しい場合があります。その場合は、下図のように設置する方法もあります。攻める方向が重ならないようにしたり、コート間の距離を十分にとったりして、安全に活動できるようにしましょう(図では、コート間の距離を5mとして考えています)。

⑵ ゲームのやり方
1チーム4人の体育班とし、2チームで対戦します。
【攻撃側】
⚫︎3人が出場します。
⚫︎ゲームに出る3人がスタートラインに立ち、パスでゲームを始めます。
⚫︎ディスクを持ったまま移動はできません。パスでディスクを運びます。
⚫︎ゴールエリア内で攻撃側がパスをキャッチしたら得点です。
【守備側】
⚫︎1人が出場します。
⚫︎攻撃側の子の手から離れたディスクを捕ることができます。
⚫︎攻撃側の子が手に持ったままのディスクを、直接奪うことはできません。
⚫︎ゴールエリアには入れません。
⚫︎ディスク保持者がディスクを持った腕を伸ばしても当たらない距離まで離れます(ただし、ゴールライン直前では、この距離であってもゴールラインとディスク保持者の間に入って守備をすることができます)。

【ゲームの再開とローテーション】
次の時、攻撃側はスタートラインに戻ってゲームを再開します。また、守備者は交代します。
⚫︎得点した時(ゴールエリアにディスクを投げた得点者は交代します)。
⚫︎ディスクがラインから出てしまった時。
⚫︎ディスクがゴールエリア内に落ちてしまった時(ゴールエリア内でなければ、拾ってゲームを続けます)。
⚫︎守備者にディスクを捕られた時。
【勝敗】
⚫︎3分間で攻守交代し、得点が多いチームの勝ちです。
⑶ ゲーム進行のポイントや注意点
慣れないうちは、守備者がいることで攻撃側があせってしまい、十分に準備ができていない状態でパスを出して失敗する姿が多く見られます。守備者はディスクを持っている子から直接ディスクを奪い取ることができないことや、守備者はディスクを持っている子から十分に離れることを確認し、落ち着いてプレイするように声をかけましょう。
また、攻撃がうまくいっているチームの攻め方には以下のような特徴があるはずです。
1.守備者の届かない距離にいる味方にパスを出している。
2.ディスク保持者よりも前でパスを受けている。
3.守備者の見ていないスキに前進している。
「ディスクを持っている人は、どんなところにパスを出すといいの?」や「ディスクを持っていない人は、どこに行けばいいの?」などのように発問して、得点につながりやすい動き方を考えさせ、共有していきましょう。そして、理解した動き方を子どもたちができるように、ゲームを繰り返していく中で、指導者は積極的に声をかけてたくさんフィードバックをしていきましょう。
2.4対2のディスクゲーム
3対1でも十分価値のある教材ですが、繰り返していくうちに子どもたちからもっと難しいことに挑戦したいという気持ちが表れます。そんな様子が見られた時には、攻撃チーム4人、守備チーム2人のゲームに移行してもいいでしょう。
⑴ 場の設定
コート内の人数が多くなるので、3対1よりもスタートラインを長くしましょう(20mを目安にするとよいでしょう)。

⑵ ゲームのやり方
3対1のディスクゲームと基本的なルールは変わりませんが、チームの人数や、ローテーションする人数を変えて実施します。
【チームの人数】
2つの体育班をくっつけ、1チーム8人にします。こうすることで、欠席などゲームに出られない子がいた場合にも対応できます。
【ローテーションする人数】
攻撃側は得点に絡んだ2人(ゴールエリアにパスを投げた子と、それをキャッチした子)が交代します。守備側は順番に2人ずつ交代します。
⑶ 発展的なゲーム
ディスクの投捕に加え、ディスクを持たない時の動きが十分に身についているようであれば、バスケットボールのように攻守入り乱れ型の4対4でゲームをやってもよいでしょう。
3.おわりに
いかがでしたか。ゴール型のゲームで大切にしたいのは、ゴールに向かってボール(ディスク)を前進させるという動きを身につけることです。より正確に、より速くそれが実現できれば技能が高まったと言えます。ボールとは違った利点をもつディスクだからこそ身につけやすいものもあり、子どもたちにとって価値のある経験となるはずです。
単元後半には、リードパスに合わせてゴールエリアに走りこみ、ジャンピングキャッチで得点するといったダイナミックな動きが表れることもあります。思わず拍手や歓声が生まれる魅力のあるディスクゲーム。ぜひ取り組んでみてください。
【参考文献】
・平川譲(2018)『体育授業に大切な3つの力 主体的・対話的で深い学びを実現する教師像』東洋館出版社
・平川譲・眞榮里耕太・齋藤直人・山崎和人(2025)『簡単・手軽で継続できる!「基礎感覚・技能」が身につく筑波の体育授業』明治図書出版
イラスト/佐藤雅枝
※連載「ブラッシュアップ体育授業」について、メッセージを募集しております。記事に関するご感想やご質問、テーマとして取り上げてほしいことなどがありましたら、下の赤いボタンよりお寄せください(アンケートフォームに移ります)。

執筆
倉光陽司
神奈川県公立小学校教諭
1981年 山口県下関市生まれ。子どもが新しい力を身につけたことを実感し、自己肯定感が高められる授業の実現を目指し、日々研鑽中。

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。
