想像力と創造力を鍛える自由課題|自分の別名を考えてみよう
『自分の別名』なるものを、テストや宿題の氏名欄に書いて出す子に出会ったことはありませんか。テストに違う名前を書くこと自体は確かに問題ですが、その豊かで面白い発想を私たちは大切にしたいものです。そこで、自分の別名を考えてみるという課題のアイディアを、神奈川県三浦市教育委員会教育研究所指導主事(所属は当時)の鈴木夏來先生が紹介します。
執筆/神奈川県三浦市教育委員会教育研究所 鈴木夏來
目次
「自分の芸名」
自分がもしもアイドル歌手やお笑い芸人だったらと仮定し、その名前を考えてみようというアイディアです。奇抜な名前、かっこいい名前、オシャレな名前、なんでも構いません。音楽や学級のちょっとした空き時間などに行うとよいでしょう。
準備する物
・白い紙、自由帳など
指導例
「知っているアイドル歌手やお笑い芸人の名前を言ってみましょう」
(いくつか挙げさせる)
「そうですね、今挙がった中で、たとえばピコ太郎。本名は古坂和仁(こさか・かずひと)というそうです。古坂さんがお笑い芸人であるときの名前は『古坂大魔王』。そして歌手になったときの名前が『ピコ太郎』です。皆さんがもし、お笑い芸人だったらどんな名前にしますか? あるいは、歌手だったら? 〇〇の課題が終わった人は、プリントの裏に、ちょっと書いてみてください」
指導のポイント
思いつかない子には、次のような例を示しイメージを持たせましょう。
◎ 好きなカタカナ+名字
例: 「ハッピー佐藤」「スケルトン鈴木」「ダイヤモンド渡辺」
◎ ちょっと昔に多い名前
例: 「〇子」「〇美」「〇太郎」「〇三郎」「〇右衛門」
「自分のしこ名」
大相撲ブームです。もしも自分がお相撲さんだったらなんという名前? という課題です。なかなか考える機会がないので、男女を問わずどの子も大いに悩み、真剣に考えます。また、しこ名には小学一年生で学習する基本的な漢字が数多く登場するので、漢字の学習にもなります。体育で「力くらべ」「すもう」などの学習前に行っておくと、本番で大いに盛り上がるでしょう。
準備する物
・白い紙、自由帳など
指導例
「知っているお相撲さんの名前を言ってみましょう」
(いくつか挙げさせる)
「そうですね。今挙がったお相撲さんの名前、これを“しこ名”と言います。お師匠さんやお世話になっている人と相談して決めるそうです。もしも自分がお相撲さんなら、どんなしこ名にしますか。かっこいい名前や素敵な名前を考えましょう」
指導のポイント
しこ名の漢字は未習のものもありますが、漢字に興味・関心を持つチャンスですので、積極的に漢字を使わせましょう。よく使う漢字を黒板に例示するのもよいでしょう。男子は強そうな名前、女子は可愛い名前をつける傾向がありますが、もちろん自由であり、決まりはありません。
★留意点
下品な名前や他人を傷つけるような名前は避けるよう指導しましょう。
イラスト/宇和島太郎
『小一教育技術』2017年9月号より