教師の知っトク自由課題|想像力と創造力を鍛える「レタリング」

特集
空き時間向けミニ課題集 ー準備もマルつけも不要!ー

神奈川県公立学校 教頭

鈴木夏來

準備やマル付けがいらない、ちょっとした空き時間にも使える自由課題をたくさん知っておくと、教師の身を助けます。授業中、すぐに課題が終わってしまう子に「今やっていることが終わった人は、この課題をして待ちましょう」と伝えることで、教室がざわつかなくなります。今回は、子供の創造力・想像力を養い、文字を書くことの楽しさを再認識できる自由課題を紹介しましょう。

執筆/神奈川県三浦市教育委員会教育研究所・鈴木夏來

写真/浅原孝子

新鮮で楽しい「レタリング」ワーク

視覚的効果を考えて文字を書いたりデザインしたりすることを「レタリング」と言います。中学一年の美術の学習で、「明朝体」や「ゴシック体」といった書体で文字を書いたり、書体の表現を工夫して自分の名前を書いたりした経験があるのではないでしょうか。

一年生は、ひらがな・カタカナ・漢字と次々に新しい文字を学習します。授業では、「きれいに」「丁寧に」「正しく」「バランスよく」「濃く」「正しい筆順で」「とめ・はね・はらいをしっかりと」といった指導事項が飛び交いがちです。もちろん、それらは大切なことでしょう。しかし、注意されてばかりいては、子どもたちは書くこと自体が億劫になってしまいます。

イラスト/宇和島太郎

一年生が使用する教科書や、一年生の教室黒板の文字は、手本としてふさわしいとされる「楷書体」ばかりです。よく目立つ太字の「ゴシック体」や、ポップな印象の「丸字体」を一年生が目にする機会は、実は多くないのかもしれません。それだけに、「レタリング」の活動自体が子どもたちには新鮮なのです。

  • 教科等・・・国語・書写、図工 など
  • 準備物・・・A4のホワイトペーパー、自由帳 など

◆ 太字で書く(1.肉付けの基本)

指導例

「課題が終わった人は、知っている言葉を肉付けして、太く書いてみましょう。例えば、『こくご』という言葉(1)を肉付けして太くします(2)。慣れてきたら、いきなり太く書いてもいいでしょう(3)」

◆ 丸字で書く(2.表現の工夫)

指導例

「今度はマシュマロのように、文字の角を丸っこくして書いてみましょう。丸そうなものを丸字で書くと、雰囲気が出ますね」

★留意点

小学一年生が行う「レタリング」なので、書体の正確さは要求しないようにしましょう。子どもたちが楽しんで書くことが第一です。

指導のポイント

文字を書くこと、表現することは楽しいことです。その楽しさを空白の時間の「レタリング」で子どもたちに味わわせたいものです。


『小一教育技術』2017年12月号より

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