【相談募集中】音大生です。教師になるか悩んでいます

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打楽器奏者 パーカッショングループ「フラワービート」代表 

山本晶子

教職の勉強を続けていくかどうか、進路について悩んでいる音大生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。同じように大学では教職課程を学び、現在ではプロの打楽器奏者として活躍する山本晶子さんが当時を振り返り、エールを送りました。その内容をお届けします。

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写真AC

Q. 授業の負担が大きく、音楽に力を入れられません

私は今、音楽大学の2年生です。教職課程を取っていますが、教師になるか悩んでいます。私が音楽の道を進む決意をしたきっかけは、小中学校の担任の先生でした。その先生の姿を見て私も教師になりたいなと考えました。

けれど最近、音楽を演奏することの方が楽しくて、もし教師になったら吹奏楽やオーケストラができなくなってしまうのではないかと、考えてしまいます。現在、教職課程における授業の負担が大きく、音楽に力を入れることが難しくなっているので、教職課程をやめるか悩んでいます。先生になる自信はないです。

今は職の安定と給料のことを考えて、教職課程を取っている状態です。学費の返済もあるので、安定した教師という仕事がいいのかなとも思います。教師以外に少し気になる職業がありますが、お金は稼げないしあまり現実的ではありません。どうしたらよいでしょうか。(音大生さん・10代女性)

A. 今できることをしつつ、思いっきり悩んでみよう

大学2年生の今、将来について考えているということは、ご自身のこれからを真剣に見つめているからこその悩みですね。

先生になる自信がないとのことですが、なれるかどうか、自分に向いているのかどうかよりも、その前に「本当にやりたいかどうか」ということの方が重要な気がします。

日々いろんな刺激を受ける中で、自分の気持ちが日によって変わったり、逆に自分のことだからわからなかったりすることがあるのかもしれませんね。

今、もし頭の中でいろんな思いがあふれている状態でしたら、

・小中学校の担任の先生に憧れた時の思い
・今かかえている不安
・教職課程の履修についての具体的な負担
・先生になることへの自信
・他に気になっている職業
・収入や労働についての疑問 など

心の中にある気持ちを、すべて思いつくままに具体的に紙に書き出してみてはいかがでしょうか。可視化することによって、改めて自分の気持ちや何をすべきかに気づくことがあるかもしれません。

私も小学生の時に、小学校の教師になりたいという夢を持っていました。その後、中学生の時に、打楽器の指導に来てくださったプロのオーケストラの先生に憧れて、音楽の道へと方向転換しました。

ですが、音楽大学の学生の時には、相談者さんと同じように学校の先生にも興味があったので、教職課程を履修していました。結局、私は小学校の先生にはなりませんでしたが、現在、学校で演奏をする機会が多く、教職の勉強をした経験が生きていると感じています。

私の知り合いで、中学校の先生になってからそれを辞めてプロの指揮者になっている方がいます。その逆もあり、プロの演奏家が30代になってから先生になったケースもあります。また、オーケストラの団員さんの中でも、オーケストラの仕事と並行して幼稚園での演奏活動を行っている方もいます。

音楽の仕事の仕方も、現在はいろんなスタイルがあるようにも思います。とくにネットが普及した現在では、前例のない新しい形でどんどん生まれているかと思います。

現時点で迷っているのでしたら教職課程の授業も頑張りつつ、音楽の勉強もこれまで通りやっていくうちに、あと2年ある学生生活の中で自然と一つの答え、方向性が見えてくるのではないでしょうか。

アンテナを張って情報を得るとか、お世話になった小中学校時代の先生や、音大の先生、先輩に、音楽や演奏以外の相談をしてみると、きっとそれぞれの方の方向性やこれまでに辿った道からご助言をいただけることと思います。

実際に私自身、46歳になった今もまだいろんなことに迷いながら進んでいます。大学を卒業して就職することが人生の進路が確定されたということではありませんから、この決断が絶対と思わずに、今できること(リサーチと日々の努力)をしつつ、思いっきり悩んでみましょう。応援しています!


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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