小2生活「自分のことをまとめよう」指導アイデア

執筆/神奈川県公立小学校総括教諭・田部泰道
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

自分の生活や成長をふり返る活動を通して、自分でできるようになったことや役割が増えたこと、多くの人の支えによって成長していることなどが分かる。

思考力、判断力、表現力等の基礎

自分の生活や成長をふり返る活動を通して、自分のことや自分の成長を支えてくれた人々について考えることができる。

学びに向かう力、人間性等

自分の生活や成長をふり返る活動を通して、自分の成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち、これからの学習や生活の願いをもって意欲的に生活しようとする。

単元の流れ(9時間)

子供1「私はたくさんの人に支えられて成長することができたんだね。」子供2「成長した自分のことを伝えたいな。」
先生「伝える内容や相手に合わせて、伝える方法を考えましょう。」

学習の流れ

成長した自分についてふり返ろう(2時間)

  • 自分の成長について集めた情報を整理する。
先生「これまでの学びをふり返りましょう。」
子供1「たくさん見付けた自分の成長を整理してみよう。」子供2「僕には、成長したところがたくさんあったんだね。」
  • 自分の成長について、どんな方法でまとめるか考える。
先生「自分の成長をどんな方法でまとめるか考えましょう。」
子供1「前に保育園の子に、絵本で小学校のことを教えたよ。今度も自分の成長を絵本にしたいな。」子供2「Aさんは新聞で、Bさんは巻物にするんだね。」

評価規準等 
自分の成長について、これまでの体験を基に、表現する内容や方法を選んでいる。

※評価規準等の知=知識・技能、思=思考・判断・表現、態=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

表現方法を工夫しながら、自分の成長をまとめよう(5時間)

先生「友達のまとめを見て、話を聞いたり伝え合ったりしましょう。どうしてそのことを絵本に書こうと思ったのかな。」
子供1「どんな絵があったらいいのかな。」子供2「そのときの気持ちを台詞にして書いているのは分かりやすいね。」

※子供の理由や思いを引き出すように声をかけていきましょう。

評価規準等 
これまでの自分の生活や成長と、それに関わるさまざまな人々とを関連付けたり、比べたりしながら表現している。   
知りたいことに合わせて、必要な手がかりを見付けたり、集めたりしようとしている。

「自分の成長」を伝え合おう(2時間)

先生「まとめた作品を見せ合って、成長した自分たちのことを伝え合いましょう。」
子供1「みんなたくさん成長しているんだね。子供2「私の成長には、たくさんの人が関わっているんだね」

評価規準等 
多くの人の支えによって、自分たちが成長していることに気付いている。   
これからの成長への願いをもって、意欲的に生活しようとしている。

学習のポイント1 
自分自身の成長についてふり返り、自覚化できるよう工夫しよう

自分自身の生活や成長をふり返る学習では、過去の自分と現在の自分とを比較することで自分を見つめ直すことが大切です。

自分自身の成長や変容について考えることは、自分についてのイメージを深め、自分のよさや可能性に気付くことにつながります。

子供自身がふり返る工夫  

今までの学習の成果をまとめたクリアファイル

個の学びはクリアファイルに入れて掲示したり、ファイルに綴って展示したりすることで、子供自身がこれまでの学習をふり返ったり、見直したりすることができます。

思考の変容を可視化する工夫  

掲示されている学習の流れを見る子供

子供たちが主体的に取り組むためには、本時に何をするかという課題が明確であることが大切です。

学習の流れや子供の気付きを模造紙などにまとめて掲示し、子供自身が自分の変容に気付くようにしましょう。

思考ツールを活用したまとめ方の工夫  

Yチャート

教師が子供の発言をイメージマップを用いてまとめたり、子供自身が自分の気付きや友達や家族から見た成長をXチャートやYチャートを用いてまとめたりすることで、情報を整理することができます。

他者との関わりが見えるようにする工夫  

保育園の先生に話を聞く子供

友達や家族、学校や園の先生など多様な相手から自分の成長についての話を聞くことで、自分が成長するうえで、たくさんの人々と関わっていることが見えるようにしましょう。

活動のポイント2 
成長した喜びがさらなる成長を願う心につながるようにしよう

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2021年2月号より

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