小3算数「2けたをかけるかけ算の筆算」指導アイデア(6/6時)《覆面算を楽しむ》
執筆/福岡県公立小学校教諭 ・黒野綾菜
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏

目次
本時のねらい
本時6/6時
筆算の仕組みに着目し、覆面算について考える活動を通して、欠けている数を筋道立てて考え、説明できるようにする。
評価規準
筆算の仕組みを基にして、十の位と一の位の計算を分けて、欠けている数が何かを筋道立てて説明することができる。(思考・判断・表現)
問題
キツツキが筆算をつついて穴をあけてしまいました。穴をあける前の数字がなんだったのか見付けて、リスに教えてあげてください。

(印刷したキツツキやリスのペープサートを使いながら、問題場面を共通理解する)
から
のうち、どこから数を入れていきますか。
に数を入れて、180になるものを探せばよいと思います。
何回も計算するのは面倒だなあ。
5と3は計算できると思います。
いろいろな方法があるみたいですね。それでは自分のやり方で数を入れていきましょう。 また、数を入れる順番が分かるように説明を書きましょう。
学習のねらい
空いている数の見付け方を考え、説明しよう。
見通し
に数を入れて180になればいい。
3×5から計算する。
自力解決の様子
A つまずいている子に1、
に5を入れている。
に1、
に5を入れているが、続きを入れることができない。
B 素朴に解いている子から
に正しく数を入れているが、その順番を説明することができない。
C ねらい通り解いている子
「3×5は30×5だから、と
に1と5が入ります。すると、
が3になります」のように、入る数とその理由を筋道立てて説明することができている。
学び合いの計画
本時では、これまでに学んだ筆算の仕組みを活用して、筋道立てて考えさせることをねらっています。この問題では、位ごとに「×5」の計算を繰り返すことに着目させます。Aの子供にはに例えば2を入れて実際に筆算をさせることで、3×5が
と
に対応し、最初に決まることを理解させましょう。
自力解決では、多くの子供がBの解法にとどまると考えられるので、全体発表で解法の筋道をていねいに扱うとともに、数を入れる順番の書き方について指導していきます。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
はじめに分かるのはと
です。3×5で 15になります。
どうしてと
ではなくて、
と
が 15なのですか。
十の位のかけ算は、位を1つずらして書くからです。
その下に180がありますね。15がここだと位がずれていませんか。
3×5の3は十の位の3だから30です。だから30×5=150です。
150と180は位がそろっているから、が1、
が5でよいです。
5×3は5×30という十の位のかけ算でしたね。これで、が1、
が5と最初に決まることが分かりましたね。どの順番に数を入れていくか、筆算の横に書いていきましょう。(筆算の横に「まず、3×5=15で、
に1、
に5が入る」と板書する。このように、子供とのやりとりをまとめ、筆算の横に書くことで、順番の説明の書き方を指導する。)
次は、どこに数が入りますか。
に入ります。
+15が18になるから、
は3になります。
18から15を引いても、が3だと分かります。
筆算では上から下へ足すけれど、この問題では逆に見て、下から上を引いていますね。
だったら、15は150のことだから、180から150を引くと30で、が3、
が0になると思います。(これまでのやりとりを確認し、筆算の横に「15は150のことだから180-150=30で、
に3、
に0が入る」と板書する。)
※以下、についても子供とのやりとりを通して、数の見付け方と順番の説明を確認する。
学習のまとめ
「十の位の計算」と「一の位の計算」に分けて考え、分かるところから順に数を入れていけばよい。
評価問題
空いている数はなんですか。数を見付ける順番も説明しましょう。

期待する解答の具体例
まず、13×4=52でに5、
に2が入る。 次に、52は520のことだから546-520=26で
に2、
に6が入る。 最後に、13×2=26だから
に2が入る。
感想例
- 十の位と一の位を分けて考えれば、答えが見付かることが分かりました。
- 答えが順に見付かるのがおもしろいと思いました。
イラスト/小沢ヨマ・横井智美
『教育技術 小三小四』 2021年1月号より