小3国語「すいせんのラッパ」指導アイデア

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教材名:「すいせんのラッパ」(東京書籍 三年上)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)ク 
     〔思考力、判断力、表現力等〕(1)イ

執筆/福岡県公立小学校教諭・麦田真理
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小3国語「すいせんのラッパ」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

情景や登場人物の様子、気持ちの変化などについて叙述を基に捉え、想像を広げながら音読する力を育成します。

子供は、第二学年までに語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読する学習をしてきました。また、「、」や「。」に気を付けながらひとまとまりの語や文として読む力や、明瞭な発音で文章を読む力を獲得してきました。

中学年では、これらに加えて、声の大きさや速さ、間の取り方などを工夫し、人物の様子や気持ちを思い浮かべながら音読していきます。その際、文章全体の構成や内容の大体を意識しながら読みを深めていくようにします。

②言語活動とその特徴

本単元には「自分のお気に入りの場面を、様子を思いうかべながら音読する」という言語活動を位置付けます。

教材文「すいせんのラッパ」には、子供が声に出して読んでみたくなるようなオノマトペや会話文、音、様子や行動を表す言葉がたくさん盛り込まれており、それらが繰り返されています。

そこで、物語全体から受けるイメージを大切にしながら、様子の変化を捉えて音読を工夫していくようにします。ここでは、声の大きさや速さ、間の取り方など中学年における音読のポイントを意識して工夫していくようにします。

また、音読発表会では互いの音読を聞き合い、工夫が感じられるところや自分が力を入れて取り組んだことを聞き取りカードに記述させるなどして、一人ひとりの感じ方に違いがあることにも気付くようにします。

学年最初の単元です。音読の楽しさを十分に味わわせるとともに、互いのがんばりを認め合い、温かいムードのなかで、これからともに学ぼうとする学級風土づくりにも生かしていきたいものです。

単元の展開(6時間扱い)

第一次(1時)

①一・二年生で学習したり発表したりした音読の経験や読書経験をふり返り、音読発表会に意欲をもつとともに、「すいせんのラッパ」を読み、単元「お気に入りの場面を選んで音読しよう」を設定して学習計画を立てる。

【単元】お気に入りの場面を選んで音読しよう

第二次(2~5時)

②全文を何度も通読し、音読したい場面を決める。
→アイデア1 主体的な学び

③④⑤すいせんのラッパの音や、人物の様子を思い浮かべながら、音読のしかたを工夫する。
→アイデア2 対話的な学び

第三次(6時)

⑥お気に入りの場面の音読発表会をして、学習をふり返る。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 目的意識をもって主体的に読むための学習シートの工夫

主体的な学び

まず、自分が気に入ったかえるの行動や様子がよく分かるように音読をしよう、という読みの目的意識をもたせます。好きな会話文や音の表現など、言葉のおもしろさやリズムに着目して選んでもよいことにします。

音読発表は一人一分程度(教科書2ページ程度)で、読みたい場所を決めます。決めた場の文章を学習シートに視写させることで、一つ一つの言葉に意識が向くようにします。また、読みたい理由も書かせておくことで、音読の工夫と読みをつなげていけるようにします。

その他、学習シートには自由に書き込みやサイドラインができるスペースをつくっておき、友達との対話や工夫を重ねるなかで気付いたことを書き込ませるようにします。そうすることで、単元のふり返りにおいて、自らの成長に気付くことができるようにします。

▼学習シート例

学習シート例

アイデア2 個別に学んだことを持ち寄り、互いに高め合うグループ学習

対話的な学び

音読のしかたを工夫する段階では、同じ場面を選んだ人どうしで交流する場面を設定します。各自で記述した学習シートを基に、グループでお互いの考えを交流し、読みを深めながら音読を工夫していきます。

あくまでも、音読を通して交流することに力点を置き、どうしてこんな読み方をしたのかについて、叙述を基に話し合えるようにします。その後、全体交流の場に展開します。グループで見付けた音読の工夫やその理由を全体で交流し、さらに読みを深めていきます。

どの場面でも共通する繰り返しの表現やかえるの言葉に焦点化して、音読の工夫を話し合います。このように、交流の場を繰り返し設定することで、自分らしい読み方を見出せるようにするとともに、互いの感じ方に違いがあることにも気付くことができるようにします。

▼豆つぶみたいなかえるグループの交流

「ラッパですよう」「…目がさめたんだよう」は、なんだかやさしいお母さんが子供に言っているみたい。○○くんならどんなふうに読む?

豆つぶみたいに小さいかえるだから「ぴこぴん・ぴこぴん…」は、高い声ではずむように読んでみるとかわいく伝わるね。

「今年がはじめてだったんだ」という、ありの発見と驚きの会話が好きだな。聞く人もうれしくなるように、明るくちょっとゆっくり読んでみようかな。

アイデア3 三つの場面を比べて読むおもしろさを味わわせる学習のまとめ

深い学び

すいせんのラッパの音は三つの場面で出てきます。かえるを目覚めさせるそれぞれのラッパの音を、登場するかえるや周りの様子と重ねながら、どのように読もうとしているのかを板書などで視覚化して比べてみると、作品を読むおもしろさに気付くことができ、ますます音読への関心が高まるとともに学習が深まります。

▼すいせんのラッパの音 三つの場面

すいせんのラッパの音 三つの場面

▼豆つぶみたいなかえるグループの交流

三つのどの場面にもある( )の言葉は、だれが言ったのかな。○○さん、どう思う?

「どっすん・ぽこ」「ひらり・ぴょん」「ピコピン」から、かえるの特徴や違いがよく分かるね。

豆つぶみたいなかえるのことを、もっと小さなありが「かわいい」って言っているのがおもしろいな。今度はここを音読しよう。

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より

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