小3国語「『わたしのベストブック』を作ろう」指導アイデア

教材名:「『わたしのベストブック』を作ろう」(光村図書 三年下)

指導事項:書くこと カ、ウ
言語活動:ウ

執筆/香川大学教育学部附属坂出小学校教諭・片岡亜貴子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代

小3国語「『わたしのベストブック』を作ろう」指導アイデアのイメージイラスト

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、一年間の学習をふり返り、自分の書いた文章を読み返してよいところを見付ける活動を通して、文章を書くことの意義や自己の成長を確かめることをねらいとしています。

文章を読み返す際には、内容への思いや好みだけでなく、文章の構成や表現の工夫などにも着目し、そのよさに気付いていけるようにします。

②言語活動とその特徴

本単元では、一年間に書いた文章を読み返し、よく書けていると思う文章を三つ選んで文集「わたしのベストブック」を編纂することを言語活動として設定します。

自分が選んだ三つの文章に金、銀、銅賞を付けるために、友達と文章のよいところについて交流したり、賞状を作って自分の文章のよさを称賛したりすることで、書き方の工夫を意識付けるようにします。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①一年間の「書く」学習をふり返り、文集「わたしのベストブック」を作るための学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

第二次(2~4時)

②例文を読んでどのような点がよいのかを話し合い、よく書けている文章を選ぶ観点を共有する。
→アイデア2 対話的な学び

③これまでに書いた文章を読み返し、そのなかから三つを選んで金・銀・銅賞を決める。

④友達が書いた三つの文章のなかからよいと思う文章を一つ選んで「お気に入りカード」を書き、そのよさを交流する。その後、改めて金・銀・銅賞を再考する。
→アイデア2 深い学び

第三次(5・6時)

⑤賞状を書き、「お気に入りカード」や自分の書いた文章と一緒に一冊に綴じて、「わたしのベストブック」を作る。

⑥「わたしのベストブック」を友達と読み合う。単元の学習、一年間の学習をふり返り、自分の成長を確かめる。

アイデア1 「わたしのベストブック」を作りたいという意欲を高める

主体的な学び

導入では、これまでに書きためた文章やその一覧表を見せながら、これまでにさまざまな種類や内容の文章を書いてきたことをふり返ります。

国語の授業の文章に限らず、他教科での記録や行事の感想なども合わせてふり返るとよいでしょう。この一年でたくさんの文章を書いてきたことを実感させ、文章を書くことの意義を確認した後、「わたしのベストブック」を作るという言語活動を共有します。

▼文章の一覧

三年生での学び
■自分を紹介しよう(紹介文)
■案内の手紙を書こう(案内文)
■調べて書こう、わたしのレポート(調査報告文)
■気持ちを言葉に(詩)
■心にのこったことを(運動会などの感想文)
■活動記録(生活科 など)
■人物を考えて書こう(物語)

アイデア2 例文を読み、よく書けていると思うところを見付けて、そのよさについて話し合う

対話的な学び

よく書けていると思う文章を選ぶためには、その観点を明確にしておくことが大切です。その際には、教師が書いた例文について話し合う中で、観点を共有していくようにします。

▼教師が書いた例文

イラスト/やひろきよみ 横井智美

『教育技術 小三小四』2020年3月号より

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