女性教師のみなさん!一緒に管理職を目指しませんか

東京都公立小学校教諭

佐々木陽子

小学校の教職員数は女性が約6割。しかし、「学校教員のキャリアと生活に関する調査」(国立女性教育会館、2019年)によると、管理職を希望する女性教師は7%。大きな責任を前に、躊躇する女性教師たちの姿が見えてきます。
しかし、もしあなたが学校を変えたい、教育を変える必要があると思っているなら、管理職という立場はその夢を叶えるために必要なチケットかもしれません。

執筆/東京都公立小学校教諭・佐々木陽子

女性教師のみなさん!一緒に管理職を目指しませんか
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女性で「管理職になりたい」と言う人はほとんどいない

あなたは「管理職」になりたいですか?

私の周りで聞くと、「副校長が激務で大変そう」「常に責任を伴ってストレスが溜まりそう」「そもそも魅力を感じない」など、ネガティブな言葉が飛び交います。

特に女性で管理職になりたいと口に出して言う人は、ほとんどいません。一生、教師でありたいと願う人がほとんどです。
(本心では目指したいと思っている人もいるかもしれませんが)

そんな中、どうして私が管理職を目指すようになったのか。それにはいくつか理由があります。

30歳前後が教師のキャリアのターニングポイント

一つは、管理職から勧められたことです。

みなさんも、30歳を越える辺りから、何らかの役職を勧められたり、自分からなりたいと嘆願したりして、その道が分かれてくるかと思います。

私の場合も、30歳を過ぎた頃、その時の校長から管理職選考試験を受けないかと勧められました。その時は、子供がまだ3歳だったこともあり、育児との両立に無理があると感じたので断りました。その後、異動先でも勧められ、子供が小学生になり子育てが少し落ち着いた段階で、試験を受けることにしました。

管理職の立場でないと決められないことが沢山ある

そしてもう一つは、今の教育のシステムに疑問を感じ、自分の思うように変えたいと考えるようになったことです。

管理職という立場でないと決められないことは沢山あります。だったら、思っているだけじゃなくて、やってみようと思ったのです。

教員の中にも、様々な考えをする人がいて、「現状のままでよい」と考える人もいれば、「変えたい」と思うあまり外部へ転職される教員も多くいます。

私は、現在の教育システム全てに問題があるとは思っていません。日本の教育では、学習指導要領があるおかげで一定水準の基礎学力が身に付くようになっているからです。

ただ、未だに、明治時代から続く受動的かつ画一的だと感じる場面も多くあります。高度経済成長期など時代によっては有効な教育方法だったかもしれません。でも、答えのない問題にチャレンジして解決策を見出していかなくてはならないこれからの時代に合っているのか、疑問を感じるものも少なくありません。

例えば、今私が感じるのは以下のようなことです。

  • 同年齢を一律に集めることが良いことなのか?
  • 担任一人が特性の異なる複数の教科を教えることが学力を高めることにつながっているのか?

みなさん、それぞれに思いがあることでしょう。もちろん、管理職になることがゴールなのではありません。でも、管理職にならなければスタートにさえ立てないこともあるのです。

私は、自分が本当にやりたい教育を実現させるための手段として、管理職を目指すことにしたのです。

スムーズに出世していく年下の男性教諭たちを横目に

女性は、出産や育児が絡んでくると、自分一人の頑張りだけで仕事を進めることは難しくなります。ここで悩む人は多いかと思います。

「管理職になる」と決めた私にも、この壁は立ちはだかりました。

実家が近くだったらまた違ったのでしょうが、私の場合は育児と仕事の両立はとても大変でした。管理職選考試験を断ったその年、高学年の学年主任となり、ベビーシッターを雇ったり、家事の工夫をしたりしながら何とか乗り越えました。

ふと周囲を見渡すと、「校長になりたい!」「最年少の管理職になる!」と熱量をもちながら、スムーズに出世していく男性教諭が沢山いました。

なぜ、女性はスムーズに歩みを進められないのか。

出産時、身体的な負荷を受けるのは女性だけ。家事や育児については、パートナーと対等に協力し合いながらという風潮が広まってきているとはいえ、実際には女性の負担の方が大きいという家庭がほとんどではないでしょうか。

そういった状況の中では、今よりさらに責任がある職務に専念しようと考える女性は、なかなか出てこないのは当然です。

ジェンダーギャップがあるのは現実、でも決めるのは自分

女性教員比率の全国平均は、小学校教諭で60%を超えているのに対して、管理職になる女性教員は20%以下と、文部科学省の2019年度学校基本調査から明らかになっています。男性管理職が当たり前という風潮、子育てや介護は女性が負担する状況は、私の周囲でも見られます。2020年になった今現在、ジェンダーギャップは根強く続いています。

しかし、私が管理職に進みたいのは、ジェンダーギャップを埋めたいからというわけではありません。「今の教育のシステムを自分の手で変えていきたい、自己実現をしていきたい」という願望を叶えたいからです。そこには確かにジェンダーギャップの問題が重く立ちはだかりますが、それを乗り越えた先で、自分が思い描くことを実行に移し、実現していきたいだけなのです。

女性教諭のキャリアアップが柔軟に叶うようなシステムが整えられ、多くの女性教諭が管理職を目指すことがポジティブに語られるような未来となるように。

管理職となったら実現したいことを考えつつ、 まずは、今の自分ができることに精一杯取り組み、したたかに突き進んでいます。

専科や養護教諭から管理職になる女性も

昔からよく「迷ったらGO!!」と言われますよね。私はこの言葉が好きです。もしあなたが、管理職に進むべきかどうしようかと悩んでいるのなら、「GO!!」です! その道を進みましょう!

私の先輩にも、担任を経験しないで、図工や音楽専科、養護教諭から管理職になった人がいます。「担任をやったことがないから、担任を受け持つ先生たちの管理はできない」ということではないのです。

少しでも「やってみたいな」と思ったなら、一歩踏み出せばいいのです。合わなかったら再び元の役職に戻ればいいだけです。失業するわけではありません。臆病にならず、自分のペースで進めばよいのです。

一方で、管理職を目指さずに生涯を一教師として働きたいという人は、信じたその道をしっかり歩んでいけばいいのです。結局、自分次第! 自分で決めて、進めばいいんです。

私は、管理職のマイナスなイメージを打破できるような、「女性でもやってみたい! やれる!」と皆が思えるような管理職を目指したいと思っています。すべての教員が今あるステージ、その先のステージでキラキラ輝いてこの職を全うすることができるように、私自身も教育改革を進めていきたいと思っています。

みなさん、ご一緒にいかがですか?


いかがでしたか?
このコロナ禍の中、「もし私が校長なら…」と、思うことがあったとしたら、一度考えてみてください。佐々木先生に続く道を選ぶのも、一つの選択肢です。

佐々木陽子先生

東京都公立小学校教諭。2018年度学校管理職試験に合格。みんなの教育技術チャンネルでも大活躍!著書に『クラスがまとまる!小学1年生学級づくりのコツ』(ナツメ社)、『子どもの心をガッチリつかむ!とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』(明治図書出版)ほか。

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