想像力と創造力を鍛える自由課題「ホムンクルスお絵かき」
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準備やマル付けがいらない、ちょっとした空き時間にも使える課題。ある生き物について、もっとも頼りにしている部分を極端に大きく描き、それ以外の部分を小さく描いてみると、どんな絵になるでしょうか。いろいろな生き物の『ホムンクルス』を作ることができます。
執筆/神奈川県三浦市教育委員会教育研究所・鈴木夏來
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目次
ホムンクルスお絵かき
アンバランスなヒト型の模型があります。脳科学者ペンフィールドが考えた人形(ホムンクルス)で、これを「ペンフィールドのホムンクルス」と言います。大脳に割り当てられた人体の各部分の相対的な大きさに従って作られました。神経がたくさん通っていたり、敏感だったりするパーツが大きくなっています。ヒトのホムンクルスは頭部と手が発達していることがわかります。
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生き物のホムンクルス
★教科等 図工や生活科など
★準備物 白い紙や自由帳など
指導例
「(ペンフィールドのホムンクルスを板書や写真で示した後で)では、イヌのホムンクルスを先生が描いてみましょう。イヌの体でもっとも発達しているところ(敏感なところ・頼りにしているところ)はどこでしょうか? そうです、鼻ですね。イヌの嗅覚はヒトの100万倍とも1億倍とも言われています。ですから、イヌのホムンクルスはきっと、こんなように鼻が極端に大きくなると思います(子どもたちは、「なるほどそういうことか」と納得します)」
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「コウモリのホムンクルスは、どんなでしょうか。カブトムシは? イルカは? 課題が終わった人は、裏紙(白い紙)に好きな生き物のホムンクルスを描いてみましょう」
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指導のポイント
子どもが想像したホムンクルスを楽しんで描かせましょう。正確さを要求する必要はもちろんありません。
自分のホムンクルス
「課題が終わった人は、自分のホムンクルスを描いてみましょう。サッカーが得意な人は、足も大きくなるでしょうか。先生の話を聞くのが得意な人は、耳が大きそうです。左利きの人は左手が大きくなるのかな」
★留意点
他人のホムンクルスを描くのは控えるように指導しましょう。
指導のポイント
子どもが描いたホムンクルスをよく観察しましょう。子どもがどの感覚を特に頼りにしているかがわかるようになるからです。視覚もしくは聴覚優位なのか、それとも指先なのか。味(味覚)や臭い(嗅覚)に敏感な子もいます。これは、先生自身の「子どもを見る目」を鍛えるトレーニングでもあるのです。
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イラスト/宇和島太郎
『小一教育技術』2017年11月号より