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小学国語「構造的板書」の工夫とコツ(古文を声に出して読んでみよう/日常を十七音で)

2019/9/20

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を目指す本シリーズ。今回は、小五の国語の「古文を声に出して読んでみよう」「日常を十七音で」をテーマにして、 樋口綾香先生(大阪府公立小学校教諭)に、 チャートやマトリクスを使って言葉を多面的に捉え、自学自習を進めていけるようにするための構造的板書について解説していただきます。

樋口綾香先生
樋口綾香先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

国語スキル1:Xチャートの使い方〈その1〉

構造的板書 Xチャート
Xチャート

Xチャートは、観点を設けて、対象を多面的・多角的に見るときに使います。4つの観点を仮にA・B・C・Dとします。A~Dの観点で調べた内容a・b・c・dを上図のように書き込みます。a・b・c・dは、どれも隣り合った場所に書いてあるため、比較しやすくなっています。矢印などを使って比べたことによる共通点や相違点を書き込んだり、関連づけたことによって分かった関係を書き込んだりすることができます。

古文を声に出して読んでみよう 板書例
「古文を声に出して読んでみよう」(東京書籍五年) の板書例 (クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

「古文を声に出して読んでみよう」(東京書籍五年)

この単元では、親しみやすい古文を教材として、内容の大体を知り、音読することによって伝統的な言語文化に親しむことができるようにするのが目的です。しかし、音読だけでは誰もが古文に親しみをもつことはできません。そこで、教科書に載っている親しみやすい古文(竹取物語・平家物語・おくのほそ道など)を比べる調べ学習をしてから、それらを紹介する活動「古典トーク」を行います。

調べるときの観点は、次の4つです。

  A 作者
 B 作品ができた時代
 C 内容(あらすじ)
 D 主題やテーマ

★協働的に学習しよう

1グループで1作品を調べます。グループの中で、A~Dの担当者を決めて、資料から調べます。自分の担当を決めて責任をもつことは、意欲につながり、さらに調べたことを共有する必然性が生まれます。全員でXチャートが完成したときには達成感を味わえるでしょう。

一作品を細かく読み解くよりも、多くの作品に触れ、好きな作品を見つけたり、古文に興味をもてるように古典トークを楽しみましょう。

国語スキル2:表(マトリクス)の使い方〈その2〉

以前の記事で紹介した表の使い方は、書き込むことによって対象を比較し、子供に気づきを生むことが目的でした。

今回は、言葉を多面的に捉えることができるとともに、表を使って子供たちが自分で学習を進めていける構造的板書です。

日常を十七音で(光村図書五年)

日常を十七音で 板書例
「日常を十七音で」(光村図書五年) の板書例 (クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

低学年から慣れ親しんできた俳句や川柳。五年生では、より言葉や季語にこだわって俳句を作ります。この単元では、言葉にこだわるということを「言葉をよりすぐる」とし、よりすぐった言葉の表現を工夫するように書かれています。

表現を工夫する方法

  • 言葉の順序を工夫する。
  • たとえを使う。
  • 漢字、平仮名、片仮名のどれを使って書き表すかなど、表記の仕方を考える。

これらの工夫の方法を一度に子供たちに教えると、理解しきれずに、難しいと感じてしまう子もいます。そのため、二つ目の「たとえを使う」を「様子を表す言葉」と捉え、より具体的にした、

A たとえ(比喩・擬人法)
B 擬音語・擬態語
C 色彩語

を「行見出し」に書き込みます。

「列見出し」には、生活の中で気づいたことや驚いたことの中から、特に直接的な表現(うれしい、楽しい、きれい、など)や、すぐに想像できる表現(咲いて、走って、飛んで、など)を書き込みます。「列見出し」に書いた言葉を「行見出し」に書いたA~Cの観点で変換していくように子供たちに伝えます。迷ったり、思いつかなかったときには、

「×を書くか、空白にしておいていいよ」

と伝えると、分からないところで止まらずに、次々と進めることができるでしょう。

<表を書き終えたあと>

◇変換した言葉を五音や七音に近づけていく。
 ↓
◇五、七、五にまとめる。
 ↓
◇言葉の順序を工夫する。
◇漢字、平仮名、片仮名のどれを使って書き表すかなど、表記の仕方を考える。
 ↓
◇俳句 完成


『小五教育技術』2018年9月号より

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