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板書で授業を見える化!I C Tと黒板を効果的に使い分ける方法

2019/12/21

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を目指す本シリーズ。今回は算数の「平均」と「単位あたりの量」の単元を使って、板書と ICTとの使い分けをテーマに、 樋口万太郎先生(京都教育大学附属桃山小学校教諭)に解説していただきます。

樋口万太郎先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

算数スキル1:構造的板書×ICT パート1

「板書とICTとの使い分けはどうされているのですか?」という質問がよくあります。そこで今月号では、その質問にお答えします。

単元「平均」

① 課題の提示

「今からたまごの重さをスライドで見せます」と伝え、「54g」「57g」「58g」「61g」「52g」「60g」と一枚ずつ一瞬でスライドを見せます。そして、「たまごの重さの平均は何gですか」と子供たちに聞き、黒板に書いておきます。子供たちは自信がないことでしょう。そこで、「予想でいいよ。何gだった?」と聞き、その予想を黒板に書いておきます。子供たちは予想と言われると、間違えてもいいと思うようで答えやすくなります。

たまごの重さの平均は何gですか?(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

このように課題を提示するときに、 ICTを使います。「動画を見せる」、「これまでの学習の板書」や「子供たちのノート」を提示することで学びを振り返ることもできます。 ICTでしかできないことがあります。

この段階で、全ての数値から平均をもとめている子はほとんどいなく、何か工夫をして、予想をしています。そこで、「たまごの重さを全部見せるので、工夫して計算しよう」と子供たちに伝え、「54g、57g、58g、61g、52g、60g」とたまごの重さが全て載ったスライドを提示し、考える時間をとります。

② 教科書の図を提示する

この授業の問題は、教科書の問題です。提示の仕方をアレンジしているだけです。教科書には上のような図が載っていましたので、一人で考える時間に ICT で子供たちに提示しました。

タブレットPCがあれば、タブレットPCで教科書の部分を写真に撮り、トリミングをした図を提示することができます。実物投影機であれば、教科書をコピーしたものを拡大して提示することができます。

③ 考え方を書き込む

工夫して計算する方法を交流するときに、必要であれば②で提示した図に書き込ませながら、説明をさせます。必要であればです。子供たちが求めていないのに無理には使わせません。

②の図は何枚もコピーをしておきます。そうすることで、多くの考え方が出てきたときには、1枚の同じ図に書き込むのではなく、新しい図に書き込ませることができ、考え方をよりわかりやすく共有することができます。タブレットPCだとすぐにコピーすることができます。アプリを使えば、そこに書き込むこともできます。

算数スキル2:構造的板書×ICT パート2

単元「単位あたりの量」の導入場面

④ 必要な情報を残すことで焦点化

「AとBのどちらが混んでいるでしょうか」と言い、①を映し出します。A室は畳10枚で6人、Bは10枚で5人であるため、すぐにAの方が混んでいるとわかるでしょう。そこで②を映し出し、「BとCのどちらが混んでいるでしょうか」と言います。これもC室は畳8枚で5人であるため、Cの方が混んでいるとわかるでしょう。そこで、「AとCのどちらが混んでいるのか」と問いかけます。これはなかなかすぐに答えることができないため、予想を聞いた後に、「今日はAとCのどちらが混んでいるのかを考えていくよ」と伝え、板書にAとCの畳の数、人数の表を貼り、考える時間をとります。

本時であれば、AとCの情報だけがわかればいいのです。そこで、必要な情報である、AとCの情報だけを残すことで考えることを焦点化することができます。

どちらの部屋がこんでいますか?(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

⑤ 考え方を映し出すことができる

タブレットPCや実物投影機があれば、子供たちのノートを映し出すことができます。子供たちが考えているときに、歩き回りタブレットPCで写真を撮ることもできます。それを元に話合いを行うことができます。しかし、いきなり完成形の考え方が出てくるため、考え方が伝わりにくいときがあります。そこで、書き込ませながら、説明をさせるようにしています。

私は板書と ICT を次のように使い分けるように意識しています。

  • 板書・・・結果を表す
  • ICT ・・・思考過程を表す

どのように考えていくのかといった思考過程をリアルタイムで見ることができるのが、ICTのよさの一つです。黒板に子供が考えを書くときには、子供の体と重なってしまい、見えづらい場合がありますが、ICTならそれがありません。考え方を書き直すことも容易です。ICTは子供たちの力を育成するための手段であって、ICTを使うことが目的ではありません。

本時のように多様な考え方があるとき、子供たちから考え方が全て出てこない場合があります。そういったときは、「教科書でこのような考え方もあるよ」と確認し、その考え方についてみんなで解釈をしていくことが大切です。


『小五教育技術』2018年11月号より

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