• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

板書で授業を見える化!I C Tと黒板を効果的に使い分ける方法

2019/12/21

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を目指す本シリーズ。今回は算数の「平均」と「単位あたりの量」の単元を使って、板書と ICTとの使い分けをテーマに、 樋口万太郎先生(京都教育大学附属桃山小学校教諭)に解説していただきます。

樋口万太郎先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

算数スキル1:構造的板書×ICT パート1

「板書とICTとの使い分けはどうされているのですか?」という質問がよくあります。そこで今月号では、その質問にお答えします。

単元「平均」

① 課題の提示

「今からたまごの重さをスライドで見せます」と伝え、「54g」「57g」「58g」「61g」「52g」「60g」と一枚ずつ一瞬でスライドを見せます。そして、「たまごの重さの平均は何gですか」と子供たちに聞き、黒板に書いておきます。子供たちは自信がないことでしょう。そこで、「予想でいいよ。何gだった?」と聞き、その予想を黒板に書いておきます。子供たちは予想と言われると、間違えてもいいと思うようで答えやすくなります。

たまごの重さの平均は何gですか?(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

このように課題を提示するときに、 ICTを使います。「動画を見せる」、「これまでの学習の板書」や「子供たちのノート」を提示することで学びを振り返ることもできます。 ICTでしかできないことがあります。

この段階で、全ての数値から平均をもとめている子はほとんどいなく、何か工夫をして、予想をしています。そこで、「たまごの重さを全部見せるので、工夫して計算しよう」と子供たちに伝え、「54g、57g、58g、61g、52g、60g」とたまごの重さが全て載ったスライドを提示し、考える時間をとります。

② 教科書の図を提示する

この授業の問題は、教科書の問題です。提示の仕方をアレンジしているだけです。教科書には上のような図が載っていましたので、一人で考える時間に ICT で子供たちに提示しました。

タブレットPCがあれば、タブレットPCで教科書の部分を写真に撮り、トリミングをした図を提示することができます。実物投影機であれば、教科書をコピーしたものを拡大して提示することができます。

③ 考え方を書き込む

工夫して計算する方法を交流するときに、必要であれば②で提示した図に書き込ませながら、説明をさせます。必要であればです。子供たちが求めていないのに無理には使わせません。

②の図は何枚もコピーをしておきます。そうすることで、多くの考え方が出てきたときには、1枚の同じ図に書き込むのではなく、新しい図に書き込ませることができ、考え方をよりわかりやすく共有することができます。タブレットPCだとすぐにコピーすることができます。アプリを使えば、そこに書き込むこともできます。

算数スキル2:構造的板書×ICT パート2

単元「単位あたりの量」の導入場面

④ 必要な情報を残すことで焦点化

「AとBのどちらが混んでいるでしょうか」と言い、①を映し出します。A室は畳10枚で6人、Bは10枚で5人であるため、すぐにAの方が混んでいるとわかるでしょう。そこで②を映し出し、「BとCのどちらが混んでいるでしょうか」と言います。これもC室は畳8枚で5人であるため、Cの方が混んでいるとわかるでしょう。そこで、「AとCのどちらが混んでいるのか」と問いかけます。これはなかなかすぐに答えることができないため、予想を聞いた後に、「今日はAとCのどちらが混んでいるのかを考えていくよ」と伝え、板書にAとCの畳の数、人数の表を貼り、考える時間をとります。

本時であれば、AとCの情報だけがわかればいいのです。そこで、必要な情報である、AとCの情報だけを残すことで考えることを焦点化することができます。

どちらの部屋がこんでいますか?(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

⑤ 考え方を映し出すことができる

タブレットPCや実物投影機があれば、子供たちのノートを映し出すことができます。子供たちが考えているときに、歩き回りタブレットPCで写真を撮ることもできます。それを元に話合いを行うことができます。しかし、いきなり完成形の考え方が出てくるため、考え方が伝わりにくいときがあります。そこで、書き込ませながら、説明をさせるようにしています。

私は板書と ICT を次のように使い分けるように意識しています。

  • 板書・・・結果を表す
  • ICT ・・・思考過程を表す

どのように考えていくのかといった思考過程をリアルタイムで見ることができるのが、ICTのよさの一つです。黒板に子供が考えを書くときには、子供の体と重なってしまい、見えづらい場合がありますが、ICTならそれがありません。考え方を書き直すことも容易です。ICTは子供たちの力を育成するための手段であって、ICTを使うことが目的ではありません。

本時のように多様な考え方があるとき、子供たちから考え方が全て出てこない場合があります。そういったときは、「教科書でこのような考え方もあるよ」と確認し、その考え方についてみんなで解釈をしていくことが大切です。


『小五教育技術』2018年11月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『授業の工夫』の記事一覧

小六道徳「社会正義の実現」指導アイデア

小六道徳「社会正義の実現」指導アイデアです。「杉原千畝―大勢の人の命を守った外交官-」(日本文教出版「生きる力」)を教材として、多様な価値観に触れ、自己の価値観…

2020/4/8

デキる教師が使う言葉と伝え方15【♯三行教育技術】

同じことを伝えようとしても、すんなり伝わる人と伝わらない人がいます。それは、使っている言葉と伝え方が違うから。
三行教育技術のツイートから、言葉と伝え方につい…

小6理科「燃焼の仕組み」指導アイデア

小6理科「燃焼の仕組み」の指導アイデアです。空気の変化に着目して、物の燃え方を多面的に調べる活動を通して、燃焼の仕組みについての理解を図り、観察、実験などに関す…

菊池省三の教師力UP道場:子どもの力を伸ばせるノートチェック力5つのポイント

菊池省三先生が伝説の授業の達人(鳥?)であるフクロウのショーゾー先生となって、 ラビ子、ツネ夫、タヌ吉の3人、いえ3匹の教師のタマゴたちに「生きた授業技術」を伝…

小5理科「雲と天気の変化」指導アイデア

小5理科「雲と天気の変化」の指導アイデアです。雲の量や動きに着目し、それらと天気の変化とを関係付け、天気の変化の仕方を調べる活動を通して、それらについての理解を…

菊池省三の教師力UP道場:子どもの心をつかむ教師のリアクション具体例

菊池省三先生が伝説の授業の達人(鳥?)であるフクロウのショーゾー先生となって、 ラビ子、ツネ夫、タヌ吉の3人、いえ3匹の教師のタマゴたちに「生きた授業技術」を伝…

菊池省三の教師力UP道場:教師のリアクション8つのポイント

菊池省三先生が伝説の授業の達人(鳥?)であるフクロウのショーゾー先生となって、 ラビ子、ツネ夫、タヌ吉の3人、いえ3匹の教師のタマゴたちに「生きた授業技術」を伝…

学ぶ意欲を刺激する!小1「授業開きアイデア」

学級開きが終わったら、次にやってくるのが「授業開き」。好奇心旺盛な低学年の子供たち、最初の授業で心をつかみ、学びに向かう姿勢をつくりたいものです。学ぶ意欲を刺激…

学校再開の授業アイデア:モジュール授業と聞く指導【新型コロナ対策】

学校再開に際し、授業をどのように作るかも課題になっています。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、対話や活動を授業のメインにできなくなる中、いかに楽しい学び…

小3理科「しぜんのかんさつをしよう」指導アイデア

小3理科「しぜんのかんさつをしよう」の指導アイデアです。身の回りの生物について調べる活動を通して、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共…

もっと見る