むかしばなしがいっぱい 【小1国語 京女式書くことの指導】11

連載
吉永幸司の京女式「書くことの指導」
【小1国語】1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

今回は、「はなさかじい」などむかしばなしによる書くことの指導術を紹介します。何の話か、どんなことを思ったかなど、その時々に考えたことをノートに書くことによって、もっと読みたいといった学習意欲が高まります。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。

執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司

子供の好きなむかしばなしで、学習意欲を高めよう

むかしばなしは、子供が大好きな学習です。大好きな学習をノートに記録として残すことは、これからの学習の基礎となる活動です。「どんなお話であったか」「登場人物はだれだったか」「どんなことを思ったか」など、その時々のことをノートに書くことにより、もっと読みたい、もっと知りたいという意欲を高めます。さらに、むかしばなしのおもしろさだけではなく、がんばった自分によって、ノートに書くことの喜びを感じさせるようにします。


むかしばなしの内容や中心となる人物など、読んだり聞いたりするための視点を決めます。それが学習のめあてになります。


はじめに何をしたか、次にどんなことが起こったか、それからどのようになったかなど、事柄の順序がわかるように文にまとめていきます。①②③のように順序を表す言葉を使うとあらすじがよくわかるようになります。


感想は、むかしばなしを聞いて思ったこと、あるいはおもしろかったことを書くという方法があります。また、どのような学習活動をしたか、その学習活動によって、どんなことがわかったかということがノートに書く主な内容です。むかしばなしのおもしろさだけではなく自分が賢くなったことを書かせることもあります。


1時間の学習のノートには、日付、題名、めあて、学習内容、感想という項目でまとめた板書を写します。ノート2〜3ページくらいで1時間の学習がまとまると子供たちには負担が少なく、勉強したという実感がもてます。

「カタカナ」の学習も
小1の2学期にはカタカナの学習も行います。この時期、カタカナの言葉集めをしてみてはいかがでしょうか。


「文字が丁寧に書けています」「じいさまのしたことが、〝じいさまは〞からはじまる文でよくわかるように書けました」「感想を丁寧な言葉でまとめています」「文末のマルが正しく書けています」というように、ノートに表れた具体的な事柄を認めるような助言をします。
助言が次の学習の意欲につながるからです。

<ダウンロード資料>

<ワークシート>かたかなをかきましょう

吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。

構成/浅原孝子

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